奴隷労働 ベトナム人技能実習生の実態

巣内尚子(著者)

• 販売会社／発売会社: 花伝社/共栄書房
• 発売年月日: 2019/03/01
• JAN: 9784763408808

商品レビュー

2022/10/29

ベトナム国内は就職難、低賃金であり、多くの人が技能実習制度を利用して渡航し収入を得ようとする。しかし渡航にあたっては仲介業者に高額の渡航費用、仲介料を払う必要があり借金をする場合が多い。
ベトナムで労働力輸出はビジネスとして成立しており、仕組みを変えるとなるとベトナム国内からも抵抗が予想される。元実習生が仲介業者の場合も存在する。
ベトナムの法律で手数料の上限が定められているが守られていない。
配属された職場に問題があっても国外退去させられると借金を返すのが難しいので、我慢して働くか、実習先から逃げても日本国内で働いて借金を返し続ける。
送り出し先で人権侵害が起きている場合、送り出しを停止できるはずだが(インドネシアなど)、ベトナムにそういった動きはない。

2021/12/09

外国人技能実習生、特にベトナムに絞って取材した書籍。

問題がある事は認識していたが、 ここまで酷いとは。技能実習という美名の下、送出し国と受け入れ国双方が、技能実習生から金と時間を搾取している現実が、詳細に記されている。

実習生を集める仲介会社、そこで支払う年収を遥かに越えるお金、 預り金と言われる保証金や渡航前訓練。 期待外れの低賃金、劣悪な労働環境。監理団体は実習先企業に何も言うことができない。

転職の自由が一切ない制度的な問題と、技能実習生を受け入れた側が「技能を教えてない実態」。

現在日本政府は、技能実習生の受け入れ拡大を進めたいようだが、 現実として起こっているこれらの問題を解決する方が先だろう。拡大で良い思いをするのは受け入れビジネスに関わるピンハネ会社と、実習生という名の奴隷をこき使う資本家だけだ。

一読をおすすめする。

2020/11/16

技能実習生を取り巻く環境がかなり悪そうだとニュースで知り、気になっていたので入手。

技能実習生の来日後の仕事がどうこう以前に、彼らを「送り出すこと」と「受け入れること」がもはや産業になっているのがわかった。多くの人と金が関わってしまっているその現状を変えることは、一朝一夕ではできないだろう。

技能実習生が気の毒すぎる。どうしたらいいのだろう。