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寝ぼけ署長 第2版 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2019/03/28 |
JAN | 9784101134871 |
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寝ぼけ署長 第2版
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商品レビュー
3.3
5件のお客様レビュー
山本周五郎というと時代劇と思っていたけど、、 署長さん最高でした なぜかお姿が目に浮かぶんですけど、、
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寝ぼけ署長と言われるが、切れ者の五道三省。 昭和初期の風俗もおもしろい。 「十目十指」が良かった。 ざますって言う人、この時代はまだいた!
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十篇の連作短編推理小説集。 五道省三は四十過ぎの独身で、ある地方の警察署長だった。いつも居眠りをしていることから新聞記者に「寝ぼけ署長」という不名誉な二つ名を与えられる。しかし、署長の在任期間中はその前後の十分の一程度しか事件が起こらず、貧しい人たちを中心に多くの市民から愛され、...
十篇の連作短編推理小説集。 五道省三は四十過ぎの独身で、ある地方の警察署長だった。いつも居眠りをしていることから新聞記者に「寝ぼけ署長」という不名誉な二つ名を与えられる。しかし、署長の在任期間中はその前後の十分の一程度しか事件が起こらず、貧しい人たちを中心に多くの市民から愛され、転任時には皆が惜しんで引き止めようとしたという。十篇の物語は署長在任時に秘書を務めていた男が読み手に語りかけるかたちをとり、署長が解決した数々の事件が紐解かれていく。 ぱっとしない見た目の何を考えているのかわからない中年男の五道だが、実は教養があって頭脳明晰で、難解な事件を名推理で解決していく。そして何よりも、常に市民のことを第一に考えており、警察としての職務である犯人を逮捕するということ自体にあまり重きを置いていない。いわゆる「罪を憎んで人を憎まず」を地で行くタイプの人物で、「海南氏恐喝事件」での次の言葉が署長の信条を表している。 「不正や悪は、それを為すことがすでにその人間にとって劫罰である、善からざることをしながら法の裁きをまぬかれ、富み栄えているように見える者も、仔細にみていると必ずどこかで罰を受けるものだ、だから罪を犯した者に対しては、できるだけ同情と憐れみをもって扱ってやらなければならない」 ジャンルとしては推理ものであるはずの本作だが、犯人当てミステリのように事件の謎を売りにした作品というよりも事件を通して登場する人々を描くことが主眼となっている。そのため、振り返ってみれば多くの短編で推理小説では常套の人死にが発生せず、そもそも法的にも誰も裁かれないような結末がほとんどである(そのなかにあって「夜毎十二時」「我が歌終わる」のようにミステリらしい作品も存在する)。また、読者から謎を隠そうという意図自体が希薄な作品も見受けられる。それでも不満なく十分楽しめるのは、ミステリ以前に人間を描いた小説としての出来によるものなのだろう。 上記のように、推理小説であることを前提としているというより、人間、とくに貧しかったり苦境にある人々に寄り添おうとする著者の作家性を土台として推理の要素を付け加えた作品として読める。私が読んだことのある同著者の作品でいえば、『赤ひげ診療譚』の時代と舞台を変えてミステリの味つけをしたといった感触の作品だ。そして、やはり五道も赤ひげ同様、ときには社会への憤りを漏らし、自ら青臭いと卑下する理想論を語る一面を垣間見せ、そのような場面も本作の見せ場のひとつだ。著者の作品が好きな読者ならおそらく気に入るだろうし、逆に謎解きの論理性を楽しみたいミステリファンや、事件や展開の激しさを求める読者には合わないかもしれない。
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