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落花
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2019/03/16 |
JAN | 9784120051746 |
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落花
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商品レビュー
3.8
25件のお客様レビュー
落花と聞いて少し名残り惜しい美しいという印象をもって読み出したが、戦場における散りゆくさま、血の海の朱、どす黒いドロドロしたものだった。 その中に至誠の声を、将門、千歳、自分という人物を通して、それぞれが追い求め人間の欲とそうしないと生きてはいけない時代の生き様が仁和寺の寛朝(自...
落花と聞いて少し名残り惜しい美しいという印象をもって読み出したが、戦場における散りゆくさま、血の海の朱、どす黒いドロドロしたものだった。 その中に至誠の声を、将門、千歳、自分という人物を通して、それぞれが追い求め人間の欲とそうしないと生きてはいけない時代の生き様が仁和寺の寛朝(自分)によって描かれている。 最後はそうならざるおえなかったとして、寛朝としての至誠の声が物語を通して揺れ動くように無理なく落としこまれている。これこそが寛朝の僧としての落花なのだろう。 平安時代の難しい言葉を忘れないように覚えるように調べなおしながら読んだため約3週間かかった。 やはり祖父である宇多天皇は魅力ある人だったという印象がほんの少しの描写で強まり、もっと知りたいと思った。 勿論、寛朝、将門、蝉丸、お経についてもね。
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平将門の乱が起きる時期の関東を、京から来た僧の目を通して描く小説。 この時代をありありと描いた作品は珍しく、貴重ですね。 仁和寺の僧・寛朝は、皇族の血を引くが、早くから出家し、親に顧みられることもなかった。 寺の修業にある声明<梵唄>に魅せられ、<至誠の声>に近づくことを願って...
平将門の乱が起きる時期の関東を、京から来た僧の目を通して描く小説。 この時代をありありと描いた作品は珍しく、貴重ですね。 仁和寺の僧・寛朝は、皇族の血を引くが、早くから出家し、親に顧みられることもなかった。 寺の修業にある声明<梵唄>に魅せられ、<至誠の声>に近づくことを願って、はるばる関東まで旅に出る。 教えを請い、目指す境地に達したかったのだ。 声明を真剣に学ぶなど、考えたこともなかった世界ですよ。 寛朝は生きがいをそこに求め、ある意味では音楽を極めること、それを仏に仕える意味があると思っていたのでしょうか。 京の定めた法は関東にも届いているが、荒ぶる武者たちや貧しい農民にとっては、あまり実感がない。 強さや人間関係で揺れ動いていくのが実情。 平将門は器が大きく、魅力のある人間だった。 だが、人を信用しやすく、自分を頼って来た者を無下にすることはない。 それが次第にことを大きくし、しまいには災いを呼び‥ 寛朝は実在し、東密声明中興の祖とされる人物だそうです。 たおやかに育った京生まれの僧が、苦難の旅を越え、さまざまな階層の人間と交流します。 武士たちのやっていることは、外から見るだけですが。 戦いの悲惨さもまた、人の生きる姿として、とらえたのでしょうか。 救いはどこに。
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これやこの 行くも帰るもわかれつつ 知るも知らぬも逢坂の関 蝉丸 朝(あした)には落花を踏んで相伴つて出づ 暮(ゆふべ)には飛鳥に随つて一時に帰る 白楽天 この二編の詩が お気に入り または なんとな...
これやこの 行くも帰るもわかれつつ 知るも知らぬも逢坂の関 蝉丸 朝(あした)には落花を踏んで相伴つて出づ 暮(ゆふべ)には飛鳥に随つて一時に帰る 白楽天 この二編の詩が お気に入り または なんとなく 知っている そんな人には 強くお薦めです 「声明」 「日本の古楽器 特に琵琶」 に ご興味がある方にも 強くお薦めです 澤田瞳子さんの作品の巻末に 紹介されている 「参考文献」は いつもながら まことに 興味深く また なぁるほど感 満載です 平将門さんの時代が舞台として 描かれており 将門さんが「主」でないのも また 嬉しい
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