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兄嫁はらり 悦文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | イースト・プレス |
発売年月日 | 2019/03/10 |
JAN | 9784781617541 |
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兄嫁はらり
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兄嫁はらり
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商品レビュー
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さらに高みへ昇るというのか
あらすじの末尾に「魂が震えるほどの」とある。この作者と悦文庫のタッグは、切なく哀しくも凛としたヒロインが心優しい主人公と手を取り合い、ひっそり静かながらも確かに本当の愛を掴み、貫く物語を紡いできた。そんな「美しい官能小説」がさらに高みへと到達し、魂が震えるほど昇華したとの宣言に他...
あらすじの末尾に「魂が震えるほどの」とある。この作者と悦文庫のタッグは、切なく哀しくも凛としたヒロインが心優しい主人公と手を取り合い、ひっそり静かながらも確かに本当の愛を掴み、貫く物語を紡いできた。そんな「美しい官能小説」がさらに高みへと到達し、魂が震えるほど昇華したとの宣言に他ならないが、それは間違っていなかった。そして、予想を超えていた。この作者はどこまで昇るというのだろうか。 全てにおいて、見事に○である。 ◎に劣る○という意味ではない。 物語も、官能も、全て文句なし。 唯一のヒロインたる兄嫁【梨沙子】の時に不可解な行動にも、兄夫婦の関係にも、結婚にはいろいろな形があると呟き、嫁たる梨沙子を似た境遇だからと可愛がる母の真意にも、兄弟それぞれの生い立ちにも、何かにつけ兄弟が対立するのにも、そして、兄の浮気にも、梨沙子に夫への罪悪感が思いのほか希薄なことにも、義弟たる主人公への眼差しにも、全てにきちんとした理由がある。さらに言えば、紆余曲折を経た後に全てが丸く収まっている。 この意味においての○でもある。 それはもぅ見事と言うしかない。 星5つじゃ足りない素晴らしさ。 重苦しい雰囲気が漂う序盤、官能面が押し出された中盤、これらを経た終盤に差し掛かってからは徐々に、肩の荷が下りるように軽くなっていき、そこに母の茶目っ気が加わる。最後は爽やかな結びを迎え、梨沙子が掴んだ真の幸福、その心の内がエピローグとなる。梨沙子と主人公は10年越しなのである。 梨沙子より4歳年下の主人公は20歳で話が始まり、28歳になり、そこからの回想では18歳に戻る。その時々のエピソードが下地となり、この10年間を経てもなお変わらなかった気持ちが、想いが確信となる。 また、物語性が高いと官能面が割を喰うことも少なくないが、それも申し分なし。従順に夫を支える貞淑な妻であり、神々しいばかりの慈愛に満ちた兄嫁であり、一度昂れば情熱的に求めるオンナでもある梨沙子の描かれ方は素晴らしいに尽きる。10年前は初心で何も知らなかった梨沙子が人妻らしい性技を会得しており、その変化もまた淫猥度を底上げしている。また、刹那の情動に駆られなければ梨沙子が自ら主人公にアプローチすることもないため、闇雲に誘惑するような不自然さも感じられない。情交を重ねる度に少しずつ、主人公との距離を縮めるように、ちょっぴりの淫らさを湛えながらも気高く美しく花開く梨沙子である。
DSK