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海洋戦略論 大国は海でどのように戦うのか
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 勁草書房 |
発売年月日 | 2019/02/15 |
JAN | 9784326302758 |
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3件のお客様レビュー
「領域拒否」、「制海」、「戦力投射」の3つの概念を用いて米・英・日のシーパワー国家と露・印・中のランドパワー国家の海洋戦略を比較分析した本。各国の「領域拒否」「制海」「戦力投射」の能力が5段階で評価されておりわかりやすい。専門性が高いわりに理解はそれほど困難ではなく、海幕出身の筆...
「領域拒否」、「制海」、「戦力投射」の3つの概念を用いて米・英・日のシーパワー国家と露・印・中のランドパワー国家の海洋戦略を比較分析した本。各国の「領域拒否」「制海」「戦力投射」の能力が5段階で評価されておりわかりやすい。専門性が高いわりに理解はそれほど困難ではなく、海幕出身の筆者による地に足の着いた理論という印象。
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領域拒否、制海、戦力投射の3つの分析枠組みを提示し、米英日のいわゆるシーパワーとロ中印のいわゆるランドパワー(この概念は厳密な定義がなく主観を交えずに議論できないと著者も論じている)の6か国の海洋戦略についてそれぞれの変化に応じた期間に分けて分析している。また、現代海洋戦略の因果...
領域拒否、制海、戦力投射の3つの分析枠組みを提示し、米英日のいわゆるシーパワーとロ中印のいわゆるランドパワー(この概念は厳密な定義がなく主観を交えずに議論できないと著者も論じている)の6か国の海洋戦略についてそれぞれの変化に応じた期間に分けて分析している。また、現代海洋戦略の因果推論モデルとして、主体の合理性、核抑止が機能、各主体の先進軍事技術の保有という3つの前提仮定のもと、最初の独立変数の米国の制海と戦力投射の優先度、2つ目の独立変数として米国の海洋領域での軍事的優越を受容するか、さらに自国周辺の強力な軍事的脅威の存在という3つ目の因子と海洋領域における自国の権益拡大という4つ目の因子とで従属変数として各国の海洋戦略の導出というものを提示している。 マハンやコーベットをちゃんと読んだことがない中で、この本を読んで各国の海洋戦略について理解する手がかりができた。個人的には英訳されてグローバルなアカデミックの世界で議論されてほしい。これだけの中身ある書物を出せる海上自衛官がいることがすごいと思う。
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海上自衛隊の研究者による海洋戦略に関する研究書。よくまとめられており、勉強になった。海軍の活動を「制海」「戦力投射」「領域拒否」の3つに分類し、すべてが説明できることがわかった。安部首相の提唱する「自由で開かれたインド太平洋構想」もこの海洋戦略の道筋で、日本のビジョンとして的を得...
海上自衛隊の研究者による海洋戦略に関する研究書。よくまとめられており、勉強になった。海軍の活動を「制海」「戦力投射」「領域拒否」の3つに分類し、すべてが説明できることがわかった。安部首相の提唱する「自由で開かれたインド太平洋構想」もこの海洋戦略の道筋で、日本のビジョンとして的を得ているように感じた。 「優勢な側が制海を確保した上で戦略投射を発揮し、これにより相手の領土・沿岸を攻撃する。一方で守勢側が領域拒否をもってこれを阻害する。このような単純な図式は冷戦末期、極東戦域においてソ連の領域拒否能力拡大に対し、米軍の制海、戦力投射を期待する日本が米軍来援を企図して防空能力あるいは対潜戦能力といった領域拒否を向上させていた、という経緯に鑑みれば、海洋領域の軍事戦略は「マハンとコルベット」「シーパワーとランドパワー」あるいは「攻勢-守勢」といった二元論のいずれかによるものではなく、制海、戦力投射そして領域拒否という3要素に基づく分析が適当なのである」p11 「海軍のみによって戦争の帰趨が決する、などということはほとんど不可能であるといっても過言ではない」p55 「(CS21)6つの戦略的責務:前方展開(forward presence)、抑止(deterrence)、制海(sea control)、戦力投射(power projection)、海洋安全保障(maritime security)、人道支援/災害救援(HA/DR)(A Cooperative Strategy for the 21st Century Seapower)」p94 「戦力投射に投資したとしても、そもそも戦力投射の主要攻勢アセットである空母打撃群などが戦力投射を実施する作戦区域に進出することができず、そのような状況下で領域拒否圏の外から通常戦力による遠距離攻撃を企図したとしても、距離の専制によって戦力投射の効果は距離に反比例して減少する。したがって制海を回復することに高い優先順位が置かれることとなる」p99 「(スナイダー)核保有国の拡散と多極化は複数のアクターの認識と意図を組み合わせることで計算ミスにつながる可能性を高める以上、核抑止の効果が低下することを意味する」p111 「S/VTOL機はペイロードが著しく制限されるために対地/対艦攻撃用の炸薬量の大きなミサイル等を搭載できず、防空作戦を主任務とする」p112 「1991.4 ペルシャ湾掃海派遣部隊(掃海母艦、掃海艇×4、補給艦) 1999.3 能登半島沖北朝鮮工作船対処・海警行動 2004.12 インドネシア、スマトラ沖国際緊急援助隊(日本初) 2001.10 テロ対策特措法補給支援活動」p125 「(武居)海上防衛における戦略目標:①わが国周辺海域の防衛、②海洋利用の自由の確保、③より安定した安全保障環境構築への寄与(波濤199号。2008.11)」p129 「インド海軍の制海とはパキスタンとの戦闘に際して有利に上陸作戦等を進められることを念頭においたもの」p163 「インドは冷戦末期の対米領域拒否から、インド洋における制海そして戦略投射の発揮へと戦略的な方向変換を行いつつあると考えられる」p165 「PLAはその領域拒否戦略によって自国沿岸部で米軍に対し一部優位に立つレベルにあるが、その一方で制海に関しては外洋で米軍に対抗するレベルにはなく、ある程度自己完結的な作戦能力を構築する段階にあり、また戦力投射について、航空攻撃能力は限定的である一方で、領土主権を巡る問題などを念頭に置いた地上戦力の投射について能力を拡大しつつと考えられる」p185
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