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ガザに地下鉄が走る日
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ガザに地下鉄が走る日

岡真理(著者)

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ガザに地下鉄が走る日

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2018/11/17
JAN 9784622087472

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商品レビュー

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2025/02/25

パレスチナ問題によって、過酷な生活を強いられているガザの人々の様子が詳細に書かれている。 日本では当たり前に享有できる人権。占領という暴力によって、パレスチナ人はその権利が剥奪されている。 平和とは?正義とは?パレスチナ問題をとおして著者は我々に考え続けることを要求している。加え...

パレスチナ問題によって、過酷な生活を強いられているガザの人々の様子が詳細に書かれている。 日本では当たり前に享有できる人権。占領という暴力によって、パレスチナ人はその権利が剥奪されている。 平和とは?正義とは?パレスチナ問題をとおして著者は我々に考え続けることを要求している。加えて、知らないことの罪深さ、そして無知によって(知らないうちに)加害者側に加担している可能性を指摘している。 パレスチナ問題の初心者向けの本ではないと思った。歴史事実の解説が本文にはほとんどないため、ある程度基礎知識を得た上で読む必要がありそう。だが、読み終わった時には理解がものすごく深まる気がする。多くの人に読んでもらいたい。 本文ではユダヤ人に対するホロコーストとパレスチナ人に対する占領という暴力の類似性や相違を考察している。 一たとえば、ユダヤ人に対するホロコースト、とりわけアウシュヴィッツなどの収容所は「閉ざされた監獄」であることに対しては、ガザは「世界最大の野外監獄」と表現している。 罪名はそれぞれユダヤ人であること、パレスチナ人であること… ホロコーストの歴史からわかることは、「ホロコーストの犠牲者であるユダヤ人がなぜ?」という問いは偽善的である、ということ。 ホロコーストのような暴力の犠牲者ならそれが倫理的誤りであることを体験によって熟知しているはずであるため、同じような暴力を他者に対して振るったりはしないはずという考えがこの問いの前提にある。 ユダヤ人たちは何も歴史から学んでいないのか?否、歴史から何も学んでいないのは実はこのような問いかけをする側の人間なのかもしれない。人間とは「非人間化」の犠牲者であろうとなかろうと「他者を非人間化」にすることを教え込むことができる。問うべきは、いかなる政治的装置が、この占領や暴力による「非人間化」を可能にしているのか、だ。

Posted by ブクログ

2025/01/26

・国境と国境の間にどこでもない場所が存在し、そこに難民キャンプがあることもある ・イスラエルの占領は国際法違反 ・イスラエルとパレスチナは圧倒的な力の差がある(これまでの日本の報道から互角なんだと思ってた) ・占領下で生きるとはどういうことなのか(イスラム教では自殺は罪だけどそれ...

・国境と国境の間にどこでもない場所が存在し、そこに難民キャンプがあることもある ・イスラエルの占領は国際法違反 ・イスラエルとパレスチナは圧倒的な力の差がある(これまでの日本の報道から互角なんだと思ってた) ・占領下で生きるとはどういうことなのか(イスラム教では自殺は罪だけどそれでも自爆することを選ぶのは未来への希望がないから)、難民として差別される(大学を出てもパレスチナ人は専門職につけない国がある)など、 具体的にどんな苦難があるのかよくわかった。 途中で難しい話が入ってきたり、時系列がバラバラだったりして分かりにくい箇所もあった。パレスチナのことを全く知らなかったので知れてよかった。でも知ったところで私に何ができるだろうとモヤモヤもする。

Posted by ブクログ

2025/01/06

中東地域に何度も足を運んできた筆者の体験談をふんだんに交えながら、パレスチナ問題について論じた書である。 ここまで最前線でアラブ世界を見聞し、そこで知り得た現地の声や実情を世に届けようとしている研究者は他にはいないのではないか。 本書では、故郷を追い出されたパレスチナ人の70年間...

中東地域に何度も足を運んできた筆者の体験談をふんだんに交えながら、パレスチナ問題について論じた書である。 ここまで最前線でアラブ世界を見聞し、そこで知り得た現地の声や実情を世に届けようとしている研究者は他にはいないのではないか。 本書では、故郷を追い出されたパレスチナ人の70年間や、完全封鎖から十年経過したガザのリアルが緻密に描写されている。自爆テロの真意とは如何に。パレスチナ人として生きるとはどういうことか。イスラエルはパレスチナ人から何を奪ってきたのか。そして、絶望に打ちのめされてなお人々が闘い続ける理由とは何か。 ジャンルとしては評論に属するのだろうが、詩的な表現が随所に散りばめられ、レトリックの巧みさに圧倒される。言葉の力が凄まじい。 そういった意味で、これはまさに「文学」なのだと思う。 静かな熱気を帯びた筆者の語りが、まるで読む者の心にダイレクトに届くようだ。 京都大学名誉教授が執筆した魂の一冊。 ※筆者である岡真里は、アラブ文学者・思想学者。

Posted by ブクログ