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無敵のハンディキャップ 障害者が「プロレスラー」になった日 ちくま文庫
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無敵のハンディキャップ 障害者が「プロレスラー」になった日 ちくま文庫

北島行徳(著者)

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無敵のハンディキャップ 障害者が「プロレスラー」になった日 ちくま文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2018/11/08
JAN 9784480435507

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2023/07/05

筆者は、もともと障害者ボランティアに関わっていた人であるが、1991年に障害者のプロレス団体「ドッグレッグス」を旗揚げし、代表に就任する。本書は、団体の立ち上げからの数年間の「ドッグレッグス」についての代表である筆者自身による記録である。 まず誰もが思うのは、「なぜ、障害者プロレ...

筆者は、もともと障害者ボランティアに関わっていた人であるが、1991年に障害者のプロレス団体「ドッグレッグス」を旗揚げし、代表に就任する。本書は、団体の立ち上げからの数年間の「ドッグレッグス」についての代表である筆者自身による記録である。 まず誰もが思うのは、「なぜ、障害者プロレス?」という疑問だろう。 ウィキペディアには「障害者プロレス」という項目があり、その中で「ドッグレッグス」について「世田谷ボランティアセンターを拠点にボランティア活動を続けていた北島行徳は、健常者の無関心による無理解が障害者問題の一端になっているという想いから、関心をもってもらうためには障害者による人前での自己表現の機会が有効と考え、1991年に障害者プロレス団体「ドッグレッグス」を結成し、ステレオタイプな障害者イメージでなく、障害者の多様な姿を知ってもらう機会とした」という説明がなされている。 しかし、本書が発行から約20年を経てちくま文庫に収められることになった際に、筆者の北島行徳は、「障害者にとってもっと生きやすい世界を作る。本書を読んでもらえばわかると思うが、ドッグレッグスを旗揚げした頃の私は、プロレスで世の中を変えようと本気で思っていた。冷静になって振り返ると、我ながらメチャクチャである。プロレスで世の中が変われば誰も苦労しない。少し考えればわかりそうなことだが、若気の至りという部分もあったのだろう」と書いている。 「障害者にとってもっと生きやすい世界を作る」のは、大変なことである。確かにプロレス団体を旗揚げしただけで、世の中が変わるはずがない。しかし、誰かが何かを始めないと世の中は変わらないはずであるし、この「ドッグレッグス」は、関わった人たちに、実際に、大きな影響を与えている。文庫版の解説を書いているのは、難聴という障害を抱えながらドッグレッグスに参加した写真家だ。彼はレスラーとしてドッグレッグスに参加しており、そして、試合の様子を「痛い。痛い。汗。涙。肉の身体。筋肉。体温。血。血の味。鼓動。ああ。ぼくは生きている。同じように、おまえも生きている。この身体で生きている。ともに生きている。ただそれだけだ、ただそれだけだった!」と描いている。プロレスは、彼にとっては生きることそのものだったのだ。 スピード感あふれる文章と展開。障害者に対しての冷静な目と描写。そして、ドッグレッグスの誕生と成長。関係する多くの人の物語。 とても面白く読んだ。

Posted by ブクログ

2019/01/29

鍋のゴングが鳴り響く ドッグレッグス誕生 女子大生を奪い合って 快進撃の始まり 就職と輪ゴムとソープランド 障害者対健常者 堕ちていく浪貝 大阪興行の光と影 荒波を渡る船 こんなに強い男なのに 禁断の愛に揺れて 洋子ちゃん それいけ!菓子パンマン 家族 眩しいスポットライトの下で...

鍋のゴングが鳴り響く ドッグレッグス誕生 女子大生を奪い合って 快進撃の始まり 就職と輪ゴムとソープランド 障害者対健常者 堕ちていく浪貝 大阪興行の光と影 荒波を渡る船 こんなに強い男なのに 禁断の愛に揺れて 洋子ちゃん それいけ!菓子パンマン 家族 眩しいスポットライトの下で 著者:北島行徳(1965-、東京都、ノンフィクション作家) 解説:齋藤陽道(1983-、東京都、写真家)

Posted by ブクログ

2018/12/30

障害者と、彼らを支えるボランティアの世界は、清く正しく美しい善意の世界。でも、著者がボランティア活動の中で目の当たりにしてきたのは、健常者と同じように、女性や酒に目がない人もいれば、お金に汚い人もいる、という現実。善意の世界にいることで、こうした現実に目を塞ぎ、思考停止に陥ってい...

障害者と、彼らを支えるボランティアの世界は、清く正しく美しい善意の世界。でも、著者がボランティア活動の中で目の当たりにしてきたのは、健常者と同じように、女性や酒に目がない人もいれば、お金に汚い人もいる、という現実。善意の世界にいることで、こうした現実に目を塞ぎ、思考停止に陥っているのではないか。こう思った著者は、障害者プロレスという手段で問題提起を行うに至る。 健常者が「障害者の気持ちになって」と言うのは傲慢であり、一方、周囲の健常者の保護を受けながら生きている障害者が「健常者が理解してくれない」と嘆くのは甘えであると斬り落とす。障害者と健常者の理想的な関係とは何か?という問題に模範解答などない。それでも、お互いが生身の人間であることを受け止め合うことで重い扉は開くはず、という著者の強い思いは、障害者プロレスの描写から熱く強く伝わってくる。 21年前に出版され、長らく絶版だった本書を復活してくれたちくま文庫に感謝。

Posted by ブクログ

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