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高坂正堯 戦後日本と現実主義 中公新書2512
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2018/10/01 |
JAN | 9784121025128 |
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高坂正堯
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商品レビュー
3.9
13件のお客様レビュー
経済中心主義としての吉田を高く評価する一方、後年の田中には批判的で「吉田体制」にまで高めることはあってはならないとしていたことは興味深い。また、湾岸戦争を受けて日本外交の主体性の欠如に対する危機感を高めており憲法9条は思考停止の悪弊があり集団的自衛権を容認すべきとの立場であったこ...
経済中心主義としての吉田を高く評価する一方、後年の田中には批判的で「吉田体制」にまで高めることはあってはならないとしていたことは興味深い。また、湾岸戦争を受けて日本外交の主体性の欠如に対する危機感を高めており憲法9条は思考停止の悪弊があり集団的自衛権を容認すべきとの立場であったこともその後の展開に示唆的だろう。
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高坂の伝記。それ以上でもそれ以下でもない。高坂が好きな人にはこれで良いのかもしれないが、高坂が社会で果たした役割について少し詳しく知りたいと思って読んだ自分には物足りなかった。高坂の発言についても、またその発言の時代背景についても、記述は十分でない。彼がほぼ一貫して「現実主義」の...
高坂の伝記。それ以上でもそれ以下でもない。高坂が好きな人にはこれで良いのかもしれないが、高坂が社会で果たした役割について少し詳しく知りたいと思って読んだ自分には物足りなかった。高坂の発言についても、またその発言の時代背景についても、記述は十分でない。彼がほぼ一貫して「現実主義」の立場であったこと、あるいは、国際政治を力だけでなく経済や価値の観点も含めて考えなければならないと考えていたことはわかる。ただ本書では、それを繰り返し述べるだけで、その時代時代の具体的な議論にはほぼ踏み込まない。それならば400頁近い紙幅は不要だったのではないか。高坂の人物評もほとんどが内輪のもので物足りない。
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日本における国際政治学の泰斗・高坂正堯の本格的評伝。高坂の主要著作、歴代首相のブレーンとしての活動を中心に生涯を辿り、戦後日本の知的潮流、政治とアカデミズムとの関係を明らかにしている。 高坂の主要著作を体系的に総覧しており、高坂の思想・学問の全体像や変遷を理解するのに適している。...
日本における国際政治学の泰斗・高坂正堯の本格的評伝。高坂の主要著作、歴代首相のブレーンとしての活動を中心に生涯を辿り、戦後日本の知的潮流、政治とアカデミズムとの関係を明らかにしている。 高坂の主要著作を体系的に総覧しており、高坂の思想・学問の全体像や変遷を理解するのに適している。『国際政治』で説かれる「各国家は力の体系であり、利益の体系であり、そして価値の体系である」との指摘をはじめ、高坂の考えは、現代においても古びておらず、示唆に富んでいると感じた。 高坂は、理想主義やマルクス主義の全盛期に「現実主義」の立場から論壇に参画し、その後冷戦終結を契機として論壇の主流となる「現実主義」の先駆者となった。その一方、常に立場の異なる理想主義者等との対話を重視していたということを知り、現在の論壇には欠けている姿勢であると感銘を受けた。 また、高坂が、佐藤栄作政権のブレーンをがっつり務めていたというのは、本書を読んで初めて知り、興味深かった。 一方、高坂の国際情勢予測は外れることも多かったというのは、意外であった。高坂ほどの見識を有していても、いろいろな要素が複雑に絡み合う国際情勢を予測するというのは、なかなか難しいということなのだろう。 随所に、著者が京都大学法学部において実際に高坂と接したエピソードや、著者の近すぎず離れすぎずの距離感からの高坂への批評が盛り込まれているのも、面白かった。
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