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中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ ちくま学芸文庫
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中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ ちくま学芸文庫

リチャード・E.ルーベンスタイン(著者), 小沢千重子(訳者)

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中世の覚醒 アリストテレス再発見から知の革命へ ちくま学芸文庫

定価 ¥1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2018/10/10
JAN 9784480098849

中世の覚醒

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商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2025/10/27

 12世紀のイスラミック・スペインでアリストテレスらの古代ギリシャ哲学が再発見されたことを契機として、当時の西欧社会が神や被造世界などの信仰上の概念について理性的な立場から理解を深めていく様を描いた書。アリストテレスのテクストには当然にキリスト教信仰と明確に対立する点があったが、...

 12世紀のイスラミック・スペインでアリストテレスらの古代ギリシャ哲学が再発見されたことを契機として、当時の西欧社会が神や被造世界などの信仰上の概念について理性的な立場から理解を深めていく様を描いた書。アリストテレスのテクストには当然にキリスト教信仰と明確に対立する点があったが、宗教的世界観と理性的世界観が、度重なる論争の中で相互に変容を見せてゆく姿がスリリングに描写されている。    その相互変容を媒介したアリストテレス哲学も、近代以降の啓蒙哲学の発展の中で、次第に過去のものとして否定的に語られるようになる。近代以降の西欧社会が大量消費と大量生産に向かう中で、それまで支配的であったカトリック協会が押し付けていた社会的くびきを否定する必要にかられ、そこで「中世的なるもの」を全て排除するついでに、カトリック協会が権威を保つべく利用していたアリストテレスの思想までも排除してしまったのだ。  著者は、宗教と理性が分断して久しい今こそ、中世のアリストテレス再発見が媒介したような宗教的思想と科学的思想の「統合」が必要だと説く。安易なアイデンティティの確立でなく、信仰と理性の創造的な緊張こそが、自文化中心的な固定観念を脱しグローバル世界を生き抜く重要な手段だというのだ。現在の世界情勢はほぼ逆のベクトルに沿った動きを見せているのは、著者にとってはさぞ残念なことだろう。    スコラ哲学の歴史と主要概念を概観するのに極めて有用だが、それ以上に、相容れない思考様式同士の相剋と対話こそが新たな価値を切り拓くという著者の主張は、ある意味ヘーゲル的でもあり興味深く読めた。

Posted by ブクログ

2025/03/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

中世は暗黒ではなく現代科学に連なる葛藤の時代。プラトン思想を取り入れたアウグストゥティヌス的なキリスト教思想が下地にあるなか、アリストテレスの自然哲学が西洋に流れ込んだ。神学と自然哲学の間にある矛盾を調停しようと、信徒たちが様々に思想を展開する。革新的な思想は慣習からの距離ゆえに忌避され、時を待って政治的社会的文化的な土壌が整って初めて受け入れられる。そうして時間をかけて、理性と信仰は棲み分けが進んだ。社会に通底する正しさは宗教から科学に取って代わり、信仰は個人的な領域に追いやられた。しかし、科学と宗教の境界に位置する心の領域には、未だ科学では手が届いていない。共通の理念が失われ、科学が十分に及んでいない範囲にある政治や法や倫理の分野には、信仰を復活させる必要があるのではないか。個人個人が持つ信条を対話により互いに折衷していくことで、共通理念を形成することはできないか。そのためには、各人がそれぞれの持つ理念を自ら分析して科学や他者の理念と調和させる、すなわち、個人の領域内に神学的な態度を持ち込む必要があるのではないか。中世の思想家たちの歴史に胸を打たれるだけでなく、現代を生きる自分にとっても大きな学びが得られる本だった。

Posted by ブクログ

2022/07/10

本屋で見かけて。「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」に似ていると思って読んでみたが似ていた。ルクレティウス再発見の代わりにアリストテレス再発見。ただし1417よりさらに壮大で上を行くおもしろさ。   中世は無知の暗黒時代と言われるがそうではなかった。アリストテレスの理性とキリ...

本屋で見かけて。「一四一七年、その一冊がすべてを変えた」に似ていると思って読んでみたが似ていた。ルクレティウス再発見の代わりにアリストテレス再発見。ただし1417よりさらに壮大で上を行くおもしろさ。   中世は無知の暗黒時代と言われるがそうではなかった。アリストテレスの理性とキリスト教の信仰を調和させる中世の努力が近代科学の道を拓いた。現代の人間科学(道徳、政治、社会関係など)の課題は理性だけでも信仰だけでも解決できず、中世のような理性と信仰を調和させる活動が今こそ必要である、という主張。 ドゥンス・スコトゥスやオッカム(の剃刀)によって理性と信仰が分離していく転換点が印象的。理性を追求すればいずれ神を理解できるとしたトマス・アクィナスに対し、いやいや神は理性では理解できない、信仰によってのみ理解できるとして分離した。キリストでなくロバでもよいとかわざわざ過激に主張するオッカムが好き。結果、早くも14世紀にはビュリダンのインペトゥス理論やオレームの地動説まで出ていた。日本ではまだ足利尊氏の時代なのに。   西洋だけが知の革命を成し遂げた理由に興味がわいた。イスラム文明のアリストテレス主義者は一般の知識人だったのに対して西洋文明のアリストテレス主義者は聖職者でもあったので社会変革に至ったとの説明があったが、それだけとも思えない。なぜ唯名論が実在論に勝てたか。また一神教でない中国や日本で知の革命はなぜできなかったか。

Posted by ブクログ