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富の福音
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富の福音

アンドリュー・カーネギー(著者), 田中孝顕(訳者)

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富の福音

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 きこ書房
発売年月日 2018/10/03
JAN 9784877713867

富の福音

¥715

商品レビュー

3.9

8件のお客様レビュー

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2023/08/10

650 アメリカ社会のバックボーンであるこのような個人主義を改めて、共産主義社会を建設しようと運動している人たちに私は警告したい。あなた方が夢想する共産主義社会は、人類が過去にこれを試みたのである。そして、一歩一歩、その古い組織から脱け出してきたのが、今日ある人類の文化史なので...

650 アメリカ社会のバックボーンであるこのような個人主義を改めて、共産主義社会を建設しようと運動している人たちに私は警告したい。あなた方が夢想する共産主義社会は、人類が過去にこれを試みたのである。そして、一歩一歩、その古い組織から脱け出してきたのが、今日ある人類の文化史なのである。  富を生み出す脳力と忍耐を持った者が富を蓄積したことで、人類に利益を与えたことはあっても、害を与えたということはない。  いずれにしても、その結果、世界のほとんどの書籍を集めた図書館を国民は一セントの負担もなく利用することができるようになったのである。この図書館を利用できる範囲に住む好学の青年に与える利益を考え、仮にこの五億ドルを多数の市民に平等に分配した結果を考えるのなら、どちらがより社会のために有益かは言うまでもないことである。 慈善を行い、人に何かを与える人がまず考えなければならないのは、助けるべき人は、自分自身で努力している人に限るということである。  いっそう改善を試みる人に、その手段の一部を与えて助力をすることが真の慈善であり、手をあげて待っている人を助けることではない。向上心ある人のみに部分的な助言を与えるべきであって、その全部に手を貸すというようなことはしてはならないのである。 真に価値のある人が第三者に援助を求めるのは、不時の災害に遭ったときか、突然の変化に対応できなかった場合だけである。  注意して、まじめに働く人たちを見ていれば、一時わずかな助力を与えることで、大きな成果を得られることも少なくない。気がつけばそのような人に、すすんで援助の手を差し伸べることが望ましいが、どこまで援助することが適当なのかは、援助を受ける人の事情をできるだけ詳しく知るようにする必要がある。  いたずらに慈善に走らず、価値のない人を助けないことも、価値のある人を助けるのと同じように必要なことなのである。何も確かめず、ただ言われるままに助力を与えることは、力を与えてはならない人に力を与え、力を与えなくてはならない人を黙殺する結果になるだろう。   富豪の援助が社会にもっとも役に立つ分野は、奨学金制度のように、人々が高いところに登る足場を作ることである。 そして、その足場の利用を認めるのは、自ら高いところに登る努力をしている人に対してだけである。また、 無料で利用できる公共施設、たとえば図書館、公会堂、公園、美術館などを提供するのは、富豪の責任である。  なぜなら、このような施設の建設を税金に頼れば、より緊急度が高いといわれる施設への投資が優先するため実現がきわめて難しいからである。  依頼心が強く、すべてを人に任せ、自分の生活が成り立たないのは、他人の責任だとするような人たちを助けるべきではない。富豪がその生活を助けるべき人たちはそのような人たちではない。 自己の将来に希望を持ち、勤労と勉学に励み、貧しくても意欲があり、強く向上を望み、努力を続ける人たちが、助けられる価値のある人たちなのである。熱心に自分自身を助けるために努力している人こそ、助ける価値があり、その結果が社会の利益ともなるのである。  慈善事業に携わる人は、自分たちの行為が社会に害を与えることになっていることを知らなければならない。相手が、ただ生活に困窮しているというだけの理由で、軽率に援助を与え続ければ、最後には、援助を与えた人の意図とまったく反対の結果になるのである。そのような慈善事業なら、何もしないほうが、より社会のためになるのである。  富を蓄積し、これを増やしていくことは富豪の義務である。蓄財は利己的な行動ではなく、社会の発展にもっとも役立つ高尚な仕事なのである。富豪は自分のために働いているのではなく、社会の発展のために働いているのである。富を蓄積するのは蓄積のためではなく、富をもっとも緊要な部門に投資するために行っているのである。  カーネギーは、第一章「富の福音」および第二章「富に対する誤解」の中で、脳力のある者が富を築くことは社会の進歩に役立つこと、そして、巨富を得た者はそれを社会に有効に還元すべきであることを再三にわたって説いている。

Posted by ブクログ

2021/10/24

富を持つ者の振る舞いを書いた一冊だが、今日の社会の在り方も考えさせる一冊でもあった。 今の社会政策や人類の生き方を問いているとも感じられたので、これからの自分の行いを見つめ直したい人におすすめしたい本だ。

Posted by ブクログ

2021/07/08

後半につれて内容が一段と難しかった。 この内容が明治34年の世界大戦前に書かれたものとは思えない程、資本主義社会のあり方やその社会での生き方が記されていた。今までストリートチルドレンや乞食へ何故ものやお金を与えてはいけないのは、負の連鎖が起こるからだと曖昧に理解していたが、この本...

後半につれて内容が一段と難しかった。 この内容が明治34年の世界大戦前に書かれたものとは思えない程、資本主義社会のあり方やその社会での生き方が記されていた。今までストリートチルドレンや乞食へ何故ものやお金を与えてはいけないのは、負の連鎖が起こるからだと曖昧に理解していたが、この本を読んでより理解が深まった。 ・競争があるということは、社会のあらゆる面で適者が生存し、不適者が姿を消していくこと。不平等を不愉快に感じるのならば、その不愉快さを向上へのエネルギーに転ずることだ。 ・自己の将来に希望を持ち、勤勉と勉学に励み、貧しくても意欲があり、強く向上を望み、努力を続ける人たちが助けられる価値のある人たちなのである。熱心に自分自身を助けるために努力している人こそ助ける価値があり、その結果が社会の利益ともなる。

Posted by ブクログ

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