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原爆 私たちは何も知らなかった 新潮新書
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原爆 私たちは何も知らなかった 新潮新書

有馬哲夫(著者)

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原爆 私たちは何も知らなかった 新潮新書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新潮社
発売年月日 2018/09/14
JAN 9784106107825

原爆 私たちは何も知らなかった

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商品レビュー

3.4

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2024/05/02

米英加の公文書に当たり、原爆投下に至る政策決定過程を検証。 当初は非軍事目的だった核分裂エネルギー利用の方向を軍事目的に変えたのも、日本への原爆投下を提案したのも英国。 政権内にも慎重論がある中で、無警告での民間人大量殺戮の決定を主導したのは、核兵器入手に舞い上がったトルーマン...

米英加の公文書に当たり、原爆投下に至る政策決定過程を検証。 当初は非軍事目的だった核分裂エネルギー利用の方向を軍事目的に変えたのも、日本への原爆投下を提案したのも英国。 政権内にも慎重論がある中で、無警告での民間人大量殺戮の決定を主導したのは、核兵器入手に舞い上がったトルーマン大統領とバーンズ国務長官。 人種差別主義者のトルーマンは日本の真珠湾攻撃に激しい復讐心を抱いていた。 科学者たちの原爆を使用する前に非拡散管理枠組みが必要との提言を無視したトルーマンとバーンズは、結果的に核拡散の道を開いた。 さまざまな出来ごとのタイミングや指導者たちの思惑が不幸にかみ合った結果ではあるが、トルーマンとバーンズは当時の基準に照らしても戦争犯罪者として断罪されて然るべきだろう。

Posted by ブクログ

2021/05/01

米英公文書に当たって書かれた一冊。 原爆作ろうぜと言ったのも、日本に落とそうぜ、と言ったのも実のところ英国。 独国が早く降伏したので、振り上げた拳を落とされた日本。 これまで読んで来た他の本から考えても、兵士の命を救うものでも、早期終戦を実現したものでも何でもなかった。 ...

米英公文書に当たって書かれた一冊。 原爆作ろうぜと言ったのも、日本に落とそうぜ、と言ったのも実のところ英国。 独国が早く降伏したので、振り上げた拳を落とされた日本。 これまで読んで来た他の本から考えても、兵士の命を救うものでも、早期終戦を実現したものでも何でもなかった。 いつか未来のどこかで、あの戦争の始まりから終結まで、客観的に検証されることがあるのだろうか。 核兵器はいらない。 だが、存在してしまった以上、今後もこれと向き合わずには生きていけない。

Posted by ブクログ

2020/08/20

山田康博「確立されなかった対日原爆使用の言説--2015年までの研究史外観--」(広島大学平和科学研究センター編集発行『広島平和科学37』、2015年。)において今後の課題とされていた、原爆投下をめぐるアメリカとイギリスの関係性に加えてカナダの果たした役割について触れられている...

山田康博「確立されなかった対日原爆使用の言説--2015年までの研究史外観--」(広島大学平和科学研究センター編集発行『広島平和科学37』、2015年。)において今後の課題とされていた、原爆投下をめぐるアメリカとイギリスの関係性に加えてカナダの果たした役割について触れられている点は非常に良かった。 しかし、必要以上にアメリカ・イギリスへの憎悪を煽りかねない表現がされていることが気になった。確かに日本に対する原爆投下は非戦闘員を対象としたことから非難されるべき行為であることは認める。しかし、だからと言って憎悪を膨らませて言説を展開するだけではアメリカ・イギリスとの溝が深まって謝罪の言葉を引き出すことが難しくなるのみならず、当書で繰り返し指摘していた「広島の碑文」の内容を変えることも困難になるであろう。誤解を防ぐという点でも、冷静かつ第三者的な視点から批判することは原爆に関わらずアジア・太平洋戦争を鑑みる上で絶対に必要な観点であり、その点が守られていないことからも評価を下げざるを得ない。 加えて、原爆投下部隊の動向に係る記述が一切ないことが減点要因のもう一つの理由である。山田論文でも原爆投下部隊について今後の研究課題として指摘されていたために期待していたが、当書にはその動向について一切の記述がなかったのが残念である。グローブス将軍がイギリスと直接接触した理由を「でしゃばり」と推測していたが、グローブスは原爆投下に係る任務全ての指揮を任されていたことから、むしろグローブス以上の適任がいないために出たのではないかと読みながら感じた。また、原爆投下作戦の命令とポツダム宣言発表のタイミングについての言及もあったが、ポツダム宣言よりも更に前の7月20日から日本上空で原爆投下作戦の訓練である「パンプキン」が投下されており、やや考察が不充分なように感じられた。1990年代以降にようやく判明した原爆投下部隊の動向に注目することが、今後原爆に関する考察を深めてゆく上で必要不可欠であるために非常に残念である。

Posted by ブクログ

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