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方丈記 光文社古典新訳文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 光文社 |
| 発売年月日 | 2018/09/07 |
| JAN | 9784334753863 |

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商品レビュー
4.1
46件のお客様レビュー
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。世中にある人と栖と、又かくのごとし。」 はい『方丈記』です 三宅香帆さんに乗せられてあらためて読んでみましたよ 鴨長明さんが六十を間近にして移り住ん...
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとゞまりたるためしなし。世中にある人と栖と、又かくのごとし。」 はい『方丈記』です 三宅香帆さんに乗せられてあらためて読んでみましたよ 鴨長明さんが六十を間近にして移り住んだ一丈四方の庵で書いた雑記ですな ちなみに一丈は約3m、ちっさ!Σ(゚Д゚) そんな大自然の小さな家(どっかで聞いた表現やな)で、和歌を読んだり、琵琶を掻き鳴らして過ごす日々の中であれやこれや考えたんですな ロックスターか!一線を退いたロックスターか!( ゚д゚ )クワッ!! で、このあまりに有名かつ名文過ぎる冒頭は日本人なら全員空で言えるので、おしまい(の方)の文章に注目しよう 「そのとき心更にこたふる事なし。只かたはらに舌根をやとひて、不請阿弥陀仏、両三遍申してやみぬ。」 ひまめろ訳 「自分の心に聞いてみたけど、答えはなにもなかった。なんか間が持たなかったので阿弥陀仏って3回くらい言ってみた。わし一応坊主やし」
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今になって、この年になって、初めて鴨長明の「方丈記」を読み通した。 あまりにも有名な冒頭の<ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。>は、高校時代に読...
今になって、この年になって、初めて鴨長明の「方丈記」を読み通した。 あまりにも有名な冒頭の<ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人とすみかと、またかくのごとし。>は、高校時代に読んで以来、格調の高い名文としてずっと記憶に残っている。あのころは、訳も分からず、無常観に心引かれてもいた(今は、それがスケールアップしているが…)。 さて、方丈記の一部でなく全体を読んで分かったのは、その短さである。四百字詰め原稿用紙にして二十数枚にすぎない。さらに、この有名な古典にはこんなことが書いてあったのかという驚きであり、なんとも形容もできない感慨である。前半では、世の無常を示すと共に、鴨長明が体験した大火、辻風、飢饉、地震といった災厄が記されている。後半では自らの来し方や、方丈の庵を営んだ理由、そこでの暮らしぶりなどが事細かに書かれている。 とにかく鴨長明の人間性・キャラクターが抜群に面白い。現代風に言えば、親ガチャはまずまずで、和歌と音楽に優れていた。ところが、公務員・会社員的な挫折の後に出家し、方丈の庵を住み処とした。世の中で自分の望みが果たされなかった、才能を発揮する機会を失った、そんな男が後悔や愚痴を言っているように読める。世の中のはかなさ、無常を痛切に感じつつも、一生の終わりが近づいても仏の教えを全うできない自身をさらけ出している。しかも、それも詮無きことと思っているようだ。まったくもって憎めない、愛すべき男である。 方丈記が「枕草子」「徒然草」とともに日本三大随筆とされていると知識で知っていても、肝心な内容を知らなかった。果たして知ってよかったのかどうか。知らない方が幸せともいうが、「知ってよかった」と考えよう。私も一生の終わりに向かって突き進んでいるが、迷うことばかり。800年ほど前にも仲間がいた。 ※読んだのは、「鴨長明 方丈記」(光文社古典新訳文庫)。詩人の蜂飼耳さんの訳。本書には方丈記の現代語訳、方丈記の原文、蜂飼耳さんのエッセイのほか、付録として「新古今和歌集」の鴨長明の和歌、鴨長明の仏教説話集「発心集」から説話一編が収録されている。かなりお得な本だ。
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「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。」 このあまりにも有名な冒頭は、読むたびに静かに胸に響く。漢語の硬質な響きとは異なる、大和言葉ならではのやわら...
「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。よどみに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。世の中にある人と栖と、またかくのごとし。」 このあまりにも有名な冒頭は、読むたびに静かに胸に響く。漢語の硬質な響きとは異なる、大和言葉ならではのやわらかな響きと深い余韻が、意味を理解する前に情感を伝えてくれる。その余韻の中で、無常の感覚がすっと胸に染み入る。『平家物語』や『草枕』の書き出しにも通じるこの感覚から、改めて日本語の豊かさと力強さを味わうことができる。 本書は鎌倉時代に鴨長明によって記された随筆である。全体は大きく二つに分けられる。前半では度重なる災厄の記録を通して、住まいと生の儚さが無常観とともに描かれる。後半では、長明自身の来歴と、終の棲家となった方丈の庵での閑居の生活が静かに綴られている。この対比的な構成により、外界の不安定さと内面の静けさが際立ち、無常という主題が多面的に示されている。 出家遁世した長明は、一見すると無常を受け入れた静かな境地にあるように見える。しかし一方で、和歌や音楽などの風流を手放さず、俗世への未練や自らの在り方への執着も率直に語る。そこには、すべてを捨て去った者ではなく、何かに心を寄せたまま生きる人間の姿が浮かび上がる。 和歌にまつわる逸話も、それをよく示している。「瀬見の小川」の歌は当初正当に評価されなかったが、後にその価値が認められ、『新古今和歌集』に採られることとなった。長明はこれを喜びつつも、評価に一喜一憂する自分の心を自覚し、やがてそれさえも執着に過ぎないと受け流したとされる。この姿から、無常を理解するとは、ただ手放すことではなく、変化を受け入れ、揺れる心を抱えながら生きることなのだと実感させられる。 長明は、無常を理解しつつもなお何かに心を寄せてしまう。その矛盾の中に留まり続けた人だったのではないか。そのあり方は達観とは少し異なり、現実に生きる人間の姿に近い。無常とは外界の変化にとどまらず、人の心の揺れそのものにも現れる。その矛盾を抱え続けた長明の姿こそ、無常の感覚を身をもって示している。 長明の心を思い浮かべながら、その逸話にまつわる一首を紹介する。 石河の瀬見の小川のきよければ月もながれをたづねてぞすむ 長明の生き方は、心の揺れや迷いさえも否定せず、静かに受け入れる柔らかさを教えてくれる。私たちもまた、移ろう日々の中で揺れながら生きている。同じではいられない──その揺れの中にいること自体が、すでに無常なのかもしれない。
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