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啼かない鳥は空に溺れる 幻冬舎文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2018/08/03 |
JAN | 9784344427785 |
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啼かない鳥は空に溺れる
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商品レビュー
3.4
34件のお客様レビュー
状況は違えど、いわゆる共依存のような関係にある二組の母娘。 それぞれ、娘がその関係から脱しようともがく様子には共感しつつ、母の目線で描かれるところが全くなく、結果的に「毒親と可哀想な子ども」みたいな構図に見えてしまうのが残念というか。 千遥と亜沙子が、誰かのためではなく自分のため...
状況は違えど、いわゆる共依存のような関係にある二組の母娘。 それぞれ、娘がその関係から脱しようともがく様子には共感しつつ、母の目線で描かれるところが全くなく、結果的に「毒親と可哀想な子ども」みたいな構図に見えてしまうのが残念というか。 千遥と亜沙子が、誰かのためではなく自分のために生きようとする日は来るんだろうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
最後の数行を読んで、思わず息を呑んだ。その辺のホラー映画よりも怖かった。唯川恵さんは恋愛小説のイメージしかなかったため、今回のような話は新鮮だった。 母親に愛されすぎるが故に、縛り付けられる娘。 幼い頃から母親に憎まれ、お互いに憎悪の対象であった娘。どちらも苦しくなるほど辛く、読んでいて応えた。 千遥は報われてほしかった。一度母を見捨てたものの、介護を通して母との関係をやり直した。功太郎との婚約を破棄してでも母に付き添った。だけど全てが空回っていて、全てが無駄になった。本当に可哀想だと思った。 「ありが…」の言葉も本当にありがとうなのだろうか。 幼い頃に肉親に虐待を受けた子供は、どんなことがあっても親のことを嫌いになれないと聞くが、千遥はその良い例だと思った。
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母と娘の、歪ながら、ありふれた関係性。言葉で傷つける母親、言葉で縛り付ける母親、その中に渦巻く仄暗い心理。娘は大人になるにつれて母親の心理を読みとり、距離をとろうと抗っていきます。相手にされたような心理攻撃をやり返すのではなく、むしろなるべく相手を傷つけないように配慮して、波風を...
母と娘の、歪ながら、ありふれた関係性。言葉で傷つける母親、言葉で縛り付ける母親、その中に渦巻く仄暗い心理。娘は大人になるにつれて母親の心理を読みとり、距離をとろうと抗っていきます。相手にされたような心理攻撃をやり返すのではなく、むしろなるべく相手を傷つけないように配慮して、波風を立てないよう努め、あくまで娘としての勤めを果たしつつ、一定の距離を設けながら支配からの解放を目指しています。これはとても歪で、外界からは見えない複雑な心理戦ですが、残念ながら社会のどこにでもいる母娘です。 母親は娘を支配しコントロールしようとしていることに無自覚だったり、娘も母親の言葉の暴力や執着を知りながら決別しきれなかったり、そうした関係性は決して珍しくありません。多くの人に読んで知って貰いたいです。 全体的に読みやすい文体ながら、会話の流れや娘視点の心理が生々しく描かれています。そして母親自身を含めて、家族が過去に娘にしてきた仕打ちの記憶を塗り替えて話しているのも、母親がSNSで娘との関係を誇張しているのも、絶妙にリアルでゾッとしました。
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