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啼かない鳥は空に溺れる の商品レビュー

3.4

34件のお客様レビュー

  1. 5つ

    2

  2. 4つ

    12

  3. 3つ

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2024/01/26

状況は違えど、いわゆる共依存のような関係にある二組の母娘。 それぞれ、娘がその関係から脱しようともがく様子には共感しつつ、母の目線で描かれるところが全くなく、結果的に「毒親と可哀想な子ども」みたいな構図に見えてしまうのが残念というか。 千遥と亜沙子が、誰かのためではなく自分のため...

状況は違えど、いわゆる共依存のような関係にある二組の母娘。 それぞれ、娘がその関係から脱しようともがく様子には共感しつつ、母の目線で描かれるところが全くなく、結果的に「毒親と可哀想な子ども」みたいな構図に見えてしまうのが残念というか。 千遥と亜沙子が、誰かのためではなく自分のために生きようとする日は来るんだろうか。

Posted byブクログ

2023/09/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

最後の数行を読んで、思わず息を呑んだ。その辺のホラー映画よりも怖かった。唯川恵さんは恋愛小説のイメージしかなかったため、今回のような話は新鮮だった。 母親に愛されすぎるが故に、縛り付けられる娘。 幼い頃から母親に憎まれ、お互いに憎悪の対象であった娘。どちらも苦しくなるほど辛く、読んでいて応えた。 千遥は報われてほしかった。一度母を見捨てたものの、介護を通して母との関係をやり直した。功太郎との婚約を破棄してでも母に付き添った。だけど全てが空回っていて、全てが無駄になった。本当に可哀想だと思った。 「ありが…」の言葉も本当にありがとうなのだろうか。 幼い頃に肉親に虐待を受けた子供は、どんなことがあっても親のことを嫌いになれないと聞くが、千遥はその良い例だと思った。

Posted byブクログ

2023/09/10

母と娘の、歪ながら、ありふれた関係性。言葉で傷つける母親、言葉で縛り付ける母親、その中に渦巻く仄暗い心理。娘は大人になるにつれて母親の心理を読みとり、距離をとろうと抗っていきます。相手にされたような心理攻撃をやり返すのではなく、むしろなるべく相手を傷つけないように配慮して、波風を...

母と娘の、歪ながら、ありふれた関係性。言葉で傷つける母親、言葉で縛り付ける母親、その中に渦巻く仄暗い心理。娘は大人になるにつれて母親の心理を読みとり、距離をとろうと抗っていきます。相手にされたような心理攻撃をやり返すのではなく、むしろなるべく相手を傷つけないように配慮して、波風を立てないよう努め、あくまで娘としての勤めを果たしつつ、一定の距離を設けながら支配からの解放を目指しています。これはとても歪で、外界からは見えない複雑な心理戦ですが、残念ながら社会のどこにでもいる母娘です。 母親は娘を支配しコントロールしようとしていることに無自覚だったり、娘も母親の言葉の暴力や執着を知りながら決別しきれなかったり、そうした関係性は決して珍しくありません。多くの人に読んで知って貰いたいです。 全体的に読みやすい文体ながら、会話の流れや娘視点の心理が生々しく描かれています。そして母親自身を含めて、家族が過去に娘にしてきた仕打ちの記憶を塗り替えて話しているのも、母親がSNSで娘との関係を誇張しているのも、絶妙にリアルでゾッとしました。

Posted byブクログ

2023/09/08

人生は自分の都合のよいようにばかりはいかないものです。ちょっとしたタイミングのずれで全く違う結果になることもありますよね。 そして、やっぱり人は大きくは変わらない。人の温かさに触れたと思ったら、あぁやっぱりと何かが待ち受けている怖さをずっと抱えながら、一気に読み進めました。

Posted byブクログ

2023/06/29

色々と考えるが、このタイトルってすごい皮肉っぽいな、と思う。 鳥だから啼けるはずだし、鳥だから空は生活する上で一番勝手がきく場所なはず。っていう固定概念というか潜在意識というか。 もう大きいのだから自分で助けを求められたはずでしょ、家は暖かく、安らぐ場所なんだから。 とでも言われ...

色々と考えるが、このタイトルってすごい皮肉っぽいな、と思う。 鳥だから啼けるはずだし、鳥だから空は生活する上で一番勝手がきく場所なはず。っていう固定概念というか潜在意識というか。 もう大きいのだから自分で助けを求められたはずでしょ、家は暖かく、安らぐ場所なんだから。 とでも言われてる気がします。 しかも「啼かない」と書かれちゃってる。 啼けなかったはずの子どもたちなのに、「啼いてたら気づいてたのに」「そんなふうになるくらいなら親のこと振り切って啼けばよかったのに」みたいなこれまたお節介おばさんみたいな輩が「啼かなかった」と断定しちゃってる感じがした。

Posted byブクログ

2023/11/30

いただいた本。 共感している人はどれくらいいるのだろう。こんな話は作り事だと思う人はどれくらいいるのだろう。

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2023/03/30

母親に虐められた娘と、母親に縛られた娘の二人の物語。 一生ついて廻る事からどうやって独立していくのか。 脳溢血で障害を持つことになってしまった母親を介護するも、最後の母親の一言が衝撃的。 エンディングがなかなか良い。 この手の話は現実でも聞く事もあり、どこでも誰でもあるんだろう...

母親に虐められた娘と、母親に縛られた娘の二人の物語。 一生ついて廻る事からどうやって独立していくのか。 脳溢血で障害を持つことになってしまった母親を介護するも、最後の母親の一言が衝撃的。 エンディングがなかなか良い。 この手の話は現実でも聞く事もあり、どこでも誰でもあるんだろうなと想像がつく。 娘を持つ母親や、母親について良い感情を持っていない方は読んでみると共感が持てる部分があるのかもしれない。 唯川恵さん、ちょっと前にも読んだことがあるが、当たり外れがある作家さんなのかな? 続いて、この方の小説を読んでみることにする。

Posted byブクログ

2023/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

過保護な親と虐待(放任や暴言)する親、それぞれが見られて面白かった。亜沙子の親はまだしも、こんなに酷い事を子供にする親が居るのかと恐ろしくなります。 最後はうまくいくかと思いきや怖かった。いやーこれが現実か。 どちらの親も最終的には何も変わっておらず、千遥の親に関しては、確実に婚約破棄のタイミングを狙って言った確信犯的な言葉にはゾッとしました。亜沙子もきっと親がブログで書いた通りに、近々母親の元に戻ってくるような気がして怖いです。 毒親からは早く逃げてー。

Posted byブクログ

2023/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

娘として全く共感できる部分がないことが、自分が幸せに育てられ今に至る証拠なのだと感じた。子に注ぐ愛が深すぎるあまり、もはや執着しそれが子にとっても重荷となる関係。逆に強く当たり散らして吐け口とし、それでも子は無関係と切り離せず母の顔色を伺う関係。どちらもあることなのかと思うと不憫であると同時に、私は自分の母のような母親になろうと思わされた。 しかし「泣いたら、許されると、思うな」は、本当にホラーだった。。

Posted byブクログ

2023/02/27

読書メーターより。2019.5.1読了。 母と娘。この世にひとつだけの特別な関係。よく、同性の子供を自分の分身のように捉えると聞くけれど、本当にそうなのかも。娘のレベル = 母親のレベルというところか。母の呪縛。母の執着。そばにいるうちは、絶対に逃れられない。ゾッとするね。

Posted byブクログ