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利休にたずねよ 文春文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2018/08/03 |
JAN | 9784167911188 |
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利休にたずねよ
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商品レビュー
3.6
7件のお客様レビュー
千利休の茶道における侘び寂びへの美しさへの追求。その結末としての秀吉の命による切腹。 利休が歩んで来た人生を 時間を遡りながら、関わりを持った人達との言動から、描きあげる。 なぜか、文春文庫で登録されている方が少ないけれど 高評価が納得の作品でした。こちらの文庫には、浅田次郎さん...
千利休の茶道における侘び寂びへの美しさへの追求。その結末としての秀吉の命による切腹。 利休が歩んで来た人生を 時間を遡りながら、関わりを持った人達との言動から、描きあげる。 なぜか、文春文庫で登録されている方が少ないけれど 高評価が納得の作品でした。こちらの文庫には、浅田次郎さんとの特別対談が収録されています。 茶道は、本当に男性の社会だったのだなと思った。今の茶道界は、男性は20%程らしいけれど、それでもトップは、男性が占めているらしい。 茶席の出来一つで状勢が変わってしまう。使う道具、軸物、生花と全て本物を知った上で、自分の求める形を追求する。 「白い手」の章が、印象的だった。掌に媚びない茶碗。高麗の女人の爪を見て焼き上げた茶碗。 利休の気持ちが書かれているところは少ないと思う。19歳の時の高麗の女人との一件と、この白い手あたりが、率直な気持ちかしら。 利休亡きあと、後妻の女性が、高麗の女の形見の香合を叩き割るラストが好き。
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切腹の場面から始まり 何ヶ月前 何年前と 遡って利休という人物が 色んな人の目線から描かれていく。 切腹、ということがわかっているから どうつながっていくのか気になりながら読む。 白い手、あめや長次郎の章がお気に入り。 緑釉の香合、見てみたい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おもしろかった。なかなか読むのに時間がかかった。茶の湯の効能というか、なぜこの時代に茶の湯がほめそやされたのか、武士たちが好んでやったのか、ということがよくわった。 物語は、千利休の切腹を決意するシーンから始まる。老年の数寄者だからこんなにあっさりと死を受諾するのかな、と思いきや、 彼の胸にはずっと心に引っ掛かっていることがあったというのが、時を遡るごとにわかっていく。 この人のテーマは矜持だなぁと思う。 男の人のプライドよりも少し高尚な感じのする部分を描きたい人なのだと思う。 また、それと対峙する形で描かれる女性の魅力もよく、ステレオタイプ過ぎるけれど、あるひとつの主題として、それぞれの性がお互いを高めあっていくところの描き方がうまい。 全員がフェミニストでなくてもよいし、お互いに尊重しあう気持ちを持っていたら、あまり役割というのは、重大ではないのかもしれない。 それは、この著者の別の作品である花鳥の夢で『それがなんだ、私は僧侶ではない、極めるべきなのは仏の道ではない、絵の道だ』というようなことをいっていて、ある局面において、その人にとって何が大事なのか、というのは一概に言えるものではないのだな、と思った。 利休ってもともとは魚の商売人だったんだーとか、この信長~秀吉あたりの安土桃山時代の雰囲気がわかったりとか、茶の湯が政治的役割を持った背景がわかったりとか、茶道って心尽くしの道で、お茶の一杯だけでもこれだけ人の心に入り込めるものなのだなぁとか思ったりして、面白かった。 最後の種明かしは、ああ、というか、作品として納得できる筋のとおったものだったので、少し長く感じたが、読みとおしてよかった。もう一度、始めからちゃんと読みたい。
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