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ケンブリッジ・サーカス 新潮文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2018/07/28 |
| JAN | 9784101279329 |
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ケンブリッジ・サーカス
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ケンブリッジ・サーカス
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商品レビュー
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書名のケンブリッジ・サーカスはロンドンにある広場。 学生時代は、バックパック&ヒッチハイクでイギリスを歩き回っていたという。その時の思い出と、少年時代の東京の六郷、本郷、ニューヨーク、そしてオースターやダイベックへのインタビュー。フィクショナルなエッセイでは、過去の自分、未来の自...
書名のケンブリッジ・サーカスはロンドンにある広場。 学生時代は、バックパック&ヒッチハイクでイギリスを歩き回っていたという。その時の思い出と、少年時代の東京の六郷、本郷、ニューヨーク、そしてオースターやダイベックへのインタビュー。フィクショナルなエッセイでは、過去の自分、未来の自分に何度も会い、いまの自分を見つめ直す。 「ケンブリッジ・サーカス」は、ロンドンでバスから飛び降りた時に転落したその時点から、自分にいくつかの未来がありえたという物語。ダッフルコートを着た青年というあたり、庄司薫の『赤頭巾ちゃん気をつけて』を彷彿とさせる。そういえば、庄司は柴田の高校(日比谷)の先輩だ。 文庫版は単行本にはない「バレンタイン」など3作品が追加されている。「バレンタイン」は少年サンデーを買う少年の自分に会う。「妄想間奏曲2」は「四人の林」というロックバンドのライブに参加することで始まる妄想。読後、「四人囃子」のCD「ゴールデン・ピクニックス」を引っ張り出して聞いてしまった。 エッセイ風に始まって、途中から妄想が入ってきてフィクションになり、また出発点に戻ってエッセイが完結する。そうか、こういう書き方があったのか!
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六郷に生まれ育った方だったんだなあ。単なるエッセイにとどまらず、あることないこと妄想想像あれこれ、レアで興味深い本。
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ワタシが敬愛する柴田元幸のエッセイ…と言いたいところだけれど、この本には旅日記もあり、対談もあり、私小説もあり、もはやエッセイの域をはるかに超えている。なぜこんな形式になったかと言うと、「旅に出ることや誰かと会話することを通じて、過去の自分自身と出会う」というアプローチで書かれた...
ワタシが敬愛する柴田元幸のエッセイ…と言いたいところだけれど、この本には旅日記もあり、対談もあり、私小説もあり、もはやエッセイの域をはるかに超えている。なぜこんな形式になったかと言うと、「旅に出ることや誰かと会話することを通じて、過去の自分自身と出会う」というアプローチで書かれたから。はたしてその試みは、大成功!単なるエッセイではない、柴田ファンとしては大満足の一冊となった。 なぜここまでこの翻訳家に傾倒するのか、実はあまり意識したことはなかったのだけれど、本書を読んでその理由が少し分かった。そのキーワードは「妄想」。本書の第4章と第7章にある「妄想間奏曲」は、私小説と妄想のごった煮、いや、大半が妄想なのかもしれない。この止まらない妄想に共感と親近感を覚える自分にはたと気づき、そう言えば以前より妄想している時間が長い自分にはたと気づき、そうか、妄想患者同士が引き合ったのか、と腑に落ちた。 柴田ファン、止められません。
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