1,800円以上の注文で送料無料

ケンブリッジ・サーカス の商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2019/08/31

六郷に生まれ育った方だったんだなあ。単なるエッセイにとどまらず、あることないこと妄想想像あれこれ、レアで興味深い本。

Posted byブクログ

2019/01/14

ワタシが敬愛する柴田元幸のエッセイ…と言いたいところだけれど、この本には旅日記もあり、対談もあり、私小説もあり、もはやエッセイの域をはるかに超えている。なぜこんな形式になったかと言うと、「旅に出ることや誰かと会話することを通じて、過去の自分自身と出会う」というアプローチで書かれた...

ワタシが敬愛する柴田元幸のエッセイ…と言いたいところだけれど、この本には旅日記もあり、対談もあり、私小説もあり、もはやエッセイの域をはるかに超えている。なぜこんな形式になったかと言うと、「旅に出ることや誰かと会話することを通じて、過去の自分自身と出会う」というアプローチで書かれたから。はたしてその試みは、大成功!単なるエッセイではない、柴田ファンとしては大満足の一冊となった。 なぜここまでこの翻訳家に傾倒するのか、実はあまり意識したことはなかったのだけれど、本書を読んでその理由が少し分かった。そのキーワードは「妄想」。本書の第4章と第7章にある「妄想間奏曲」は、私小説と妄想のごった煮、いや、大半が妄想なのかもしれない。この止まらない妄想に共感と親近感を覚える自分にはたと気づき、そう言えば以前より妄想している時間が長い自分にはたと気づき、そうか、妄想患者同士が引き合ったのか、と腑に落ちた。 柴田ファン、止められません。

Posted byブクログ

2018/12/30

柴田さんは読んでも読んでも訳書があるし、ほかの作家や翻訳家のことも知りたいということで最近は敬遠していたが、やはり面白いし学ぶことがたくさんある。 幼いころの街並みにいまの自分が立ち、街角を曲がると過去と接続している。その仕方が電気をカチリとつけるよりもっと簡単で、過去と現在と...

柴田さんは読んでも読んでも訳書があるし、ほかの作家や翻訳家のことも知りたいということで最近は敬遠していたが、やはり面白いし学ぶことがたくさんある。 幼いころの街並みにいまの自分が立ち、街角を曲がると過去と接続している。その仕方が電気をカチリとつけるよりもっと簡単で、過去と現在と妄想が実に滑らかに行き来しあっているので、ああ、ポール・オースターやスティーヴン・ミルハウザーと同期しているなと感心したが、彼らは果たして本当にいるのか?と小川洋子さんが巻末で書いていることと同じことを思ったりした。

Posted byブクログ

2018/10/25

柴田先生のちょっぴりノスタルジーなフィクションを加えたエッセイ。 こういう先生の文学講義を聴いてみたいものです。

Posted byブクログ

2018/09/27

今年8月に文庫化されたのが平積みしてあって手にとったんだけど、2010年刊行の「ケンブリッジ・サーカス」と2006年刊行の「バレンタイン」の合本だそうで、けっこう古い本だったんだ……。 ポール・オースターと柴田さんがそれぞれの子ども時代の話をする対談がおもしろかった。「学校は公立...

今年8月に文庫化されたのが平積みしてあって手にとったんだけど、2010年刊行の「ケンブリッジ・サーカス」と2006年刊行の「バレンタイン」の合本だそうで、けっこう古い本だったんだ……。 ポール・オースターと柴田さんがそれぞれの子ども時代の話をする対談がおもしろかった。「学校は公立?私立?」とか「高校は試験があるの?」とかいった普通の話がおもしろくて。意外と日本とアメリカの教育事情は似ているのかも、とか思ったり。 あとは、お兄さんの住むオレゴン州ポートランドを訪ねた日記とか(今、なんかポートランドって「変わった都市」として話題になってるような。町山智弘の番組でとり挙げられてたり)、スチュアート・ダイベックと京浜工業地帯を歩く、とかも楽しかった。 エッセイと見せかけて、するっと妄想が入ってくることがあるんだけど、妄想とか奇想とか奇妙な話がすごく苦手なわたしでも嫌じゃなかったので、そのことにちょっと驚いたり。自然で説得力があってすごく奇妙っていう感じがしないのはきっとすごくうまいんだろうなと。 (子どものころの自分と出会う、っていうのが多いんだけど、もし子どものころの自分に出会ったらどうするかな、とか考えた。わたしの場合、「こんなふうになっちゃってごめん」とか言いそうであんまり楽しくなさそう。) 今の自分のまま、子どものころの時代にタイムスリップして、その時代の自分や親がいる近くで、苦労して(お金とかなにももっていってないから)生活していく話はすごく怖かった。。。

Posted byブクログ

2018/08/16

初めて読む作家さん。 本屋でなんとはなしに書棚を見ていたら、表紙のデザインとタイトルにもの凄く惹かれ、そのままレジへ。 これは、エッセイと言ってしまって良いのだろうか? エッセイ、随筆、紀行文、創作文…。 全部の要素が詰まっているけれどどれかに限定出来ない。 なんだか不思議な本...

初めて読む作家さん。 本屋でなんとはなしに書棚を見ていたら、表紙のデザインとタイトルにもの凄く惹かれ、そのままレジへ。 これは、エッセイと言ってしまって良いのだろうか? エッセイ、随筆、紀行文、創作文…。 全部の要素が詰まっているけれどどれかに限定出来ない。 なんだか不思議な本。 どこまでが現実でどこからが虚構なのか、その境界線が全然分からなくて、ミステリでもないのに前を読み返す事もしばしば。 作者の思考のせいなのか、語り口からくるものなのか、気づくと自分がニヤニヤしながら読みすすめている。 文庫版の特別付録でご本人の直筆の字を見て、「なんか確かにこんな感じの人なんだろうなぁ」と感じた。 ケンブリッジ・サーカスが交差点の名前だとは知らず、言葉の雰囲気で気に入ってしまったが、読み終わって場所を調べてみたら歩いた事のある場所だったのにビックリ。 文庫版のあとがきに表紙の写真についての話が書かれていて、なんだか嬉しくなった。 帯は、柴田元幸さんの著作や翻訳を読んだ事が無いから「原点」なのかが分からないが、無駄な装飾の無いシンプルな言葉が本の中身にあっていた。 解説は、半分くらいはすごく共感出来るんだけれど、半分くらいは表現が複雑というか多いというか、とにかくストレートに入ってこなくてちょっと残念。

Posted byブクログ

2018/10/08

180811 中央図書館 ポール・オースターを読んだばかりなので、明晰な訳の柴田の名がアタマに残っていたところ。妙ちくりんな、エッセイとも私小説とも雑文ともつかないオムニバス形式の本ということで、新鮮で面白かった。

Posted byブクログ

2018/07/31

エッセイとも小説ともつかない散文。この本に書かれている内容は、本当に妄想なのかもしれない……? 吉田健一の例を挙げるまでもなく、翻訳家は名文家が多いなぁ。

Posted byブクログ