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無限の玄/風下の朱
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2018/07/12 |
JAN | 9784480804808 |
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商品レビュー
3.2
10件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
十二国記みたいなタイトルだと思ったら中編2作だった。 無限の玄は「再生産」、虐待児童がその子にも虐待を行なうというような暗い部分とともに、オチの部分に「再生誕」を持ってきたことで呪わしくも明るい継承といった感じがした。何かが救われたとはまったく思わないが、男だけの小さな社会にある「結局子供が産めない」という閉塞感だけは強引に打破された。きっと男の子なんだろうなあ。 対する風下の朱は潔癖なまでの女。出産のための性能・制約を課せられることを拒否したうえで、別に女性であることをを否定したり捨てたりするわけではないという生きざまは、賛同する人が少ないだろうだけに美しい。その点、『リリース』とは全然違う。リリース世界の技術であれば彼女の求めた「健康」は得られたかもしれないが、まずもって野球をしたがる女という文化が生まれてこないと思う。
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風下の朱の方が主題が取りやすかった。でも、フェミニズムの思想それ自体についてではなく、フェミニズム運動の展開や構造をなぞらえた物語って、読める人がかなり限定されるような気がするので、ここまで象徴的に書かずにもう少し具体的に分かりやすくしてもよかったような気もする。
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※このレビューにはネタバレを含みます
かなり面白かった。無限の玄は血縁でつながった男性のみのバンドの話、風下の朱は大学で女性野球チームを作ろうとするグループの話なんだけど、どちらも親から受け継いだ特殊な思想が核になり、それに基づいて作られるグループが破綻するまでを書いている。どちらの話にもジェンダーとか暴力という問題が含まれるのだが、その正しさを云々したりグループの異常性にフォーカスするのではなく、あくまで主軸を個人個人の在り方に置いたところがとても好みだった。ただその点において拒否感を持つ人もかなりいるだろうというのはわかる。風下の朱の生理に対するあまりに激しい憎しみには私もちょっと困惑する気持ちがあった。たぶん私が女性だから。 解説によると作者は無限の玄について「外から見ると理解しがたい、閉鎖的で野蛮で不条理な社会形態も、内部の人々にとっては心地よい場所かもしれない。宝と呼べるような何かをその中で守っているのかもしれなくて、そうだとしたら、たとえそれがどんなにおぞましいものだとしてもひとまず尊重するべきではないか」とコメントしているらしく、これもとても好き。そういう中にいる人間にはそれなりの切実さがあり、そこで育てられた人間にはよろこびや苦しみ全てをひっくるめた人生がそこにあるわけで、ただ他人に居場所を悪し様にののしられ、破壊し放り出されるのではその傷は取り返しのつかない状態になってしまうように思う。結局それでは、その異常な思想自体を壊すことはできない。頭の中で、つけられた傷が思想を加害者でなく被害者として固定してしまう。 この話ではグループは自壊するが、そのことが必要なんだと感じた。居場所が引きちぎられる痛みを味わいながらも個人の在り方が自ら変化していく、解放されるということが。これは社会的な話を無視した個人の話に終始している。暴力や異常といっていい思想の強制があり、たとえあってはならないものだとしても確かにあったのならば、それすらも自分の生の一部だったのならどうなるのか?どこへ向かえばいいのか?はっきりとした結末をもたらさないのも良かったと思う。方向性だけがある。作者の他の本も読んでみたい。
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