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もう「はい」としか言えない
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2018/06/29 |
JAN | 9784163908588 |
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もう「はい」としか言えない
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商品レビュー
3
28件のお客様レビュー
ものすごくシュールな本だった。なぜか読んだ端から主人公の海馬五郎に俳優の古舘寛治さんをイメージしてしまいその後の海馬は古舘さんが演じてくださった。ちなみに聖は栗原類さん。非現実的だけどどこか現実にありそうな感じでおもしろかった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「もうはいとしか言えない」/松尾スズキ 今まであまり読んだことのないジャンル。 結局主人公は精神病みたいな感じだったのかな? 前半はひたすら奥さん怖いみたいな感じで、主人公ちょっとかわいそうだなぁって思ってた。 でも読み進めていくにつれてだんだんそうじゃなくて、 主人公が、どこか普通とは違うのかなと思い始めた。 で、その原因が後半で明らかになっていくのかなあと思っていたら幼少時代からどこか狂っていた。 猟奇殺人的な生々しいグロシーンは無いけど、所々出てくる主人公のぐちゃぐちゃな感情の書き方がすごくグロかった。 思春期の人間の感情ってこういうことなんだろうな。 どっかすっきりしない感じが若干残った
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表題作の主人公は役者・シナリオライターで、離婚した後に再婚。母は重度の介護を必要とする状態。エッセイ『東京の夫婦』に書かれた、松尾スズキ本人の近況と設定が似ている。なので、この小説は現実を膨らませたり捻じ曲げたりして書いたのではないかと想像する。今の奥さんに浮気バレした経験がある...
表題作の主人公は役者・シナリオライターで、離婚した後に再婚。母は重度の介護を必要とする状態。エッセイ『東京の夫婦』に書かれた、松尾スズキ本人の近況と設定が似ている。なので、この小説は現実を膨らませたり捻じ曲げたりして書いたのではないかと想像する。今の奥さんに浮気バレした経験があるのではないか。母を見ていて安楽死というものを想像せざるを得なかったのではないか。 ちょうど先日デスカフェに参加して安楽死・尊厳死が話題に上ったのでタイムリーな読書だった。安楽死とか尊厳死といったことについて、まだ私はリアリティを持てない。というか、死そのものについてリアリティを持てない。ただ、安楽死ということになると、関わった人間は何かを抱えてしまうのだと思う。安楽死に限らず、死んでいく人間が最後にかける迷惑というものがあるのだろう。後世に何らかの形で自分を刻み付けておきたい、という迷惑もあるかもしれない。「迷惑でしょうが~放っておいてください~」とは言っても、生き死にが関わるとそうも言ってられない。 パリの移民が多い地区の混沌とした描写はいかにも松尾スズキらしい気がした。安楽死と対照的な生の描写とも受けとれる。先日「団地と移民」を読んだのもタイムリーなことだった。小説の中の描写は大袈裟な気がするが、異国から来た旅行者の主観で描いたパリだと思えば、「団地と移民」とは別の角度から光を当てていると感じた。 最後は、しょうもない、希望でも絶望でもない日常に帰っていく、という印象だけど、この旅を経て諦観が一回りした感じはする。 『神様ノイローゼ』には、エッセイ『大人失格』等で書かれたエピソードのディテールが描かれている。松尾スズキ本人の少年期を振り返った私小説と言っていいだろう。これを読むと松尾スズキの創作の原点が少年期の体験にあることがよくわかる。松尾スズキ作品の重要なモチーフである「罪悪感」や「神」はここから来ているに違いない。それらから逃れる手段が「笑い」だ。 以前にも思ったが、作家は子供の頃のことを、当時の自意識の在り方を含めて本当によく覚えている。自分もとっくに忘れていたが、痛い子供だったような気がする。私も死ぬほど運動が苦手だった。スイミングスクールにも行かされていたが、まともに泳げなかった。 だっぱああん げはぁ! まるで当時の自分を俯瞰で見せつけられたような気持ちになる。読んでいて、その頃の記憶を掘り返されている気がして心が痒い。あんまり掘り返さないでくれよ松尾さん。しかし水死体になれずに負けを重ねた私は凡庸なダメ人間なのだろう。
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