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えのないえほん
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2018/06/20 |
JAN | 9784062209717 |
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えのないえほん
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商品レビュー
4
5件のお客様レビュー
去年、行きつけのブックカフェで行われたビブリオバトルの優勝作品だった本。 やっと読んでみて、ページとお話の美しさに引き付けられながら一気に読んだ。 もっと繊細な子供だったら、この本を読んでもらいたかった。 みんなからおそれられるみにくいけものと、目の見えない少女の愛の物語。
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「えのないえほん」というタイトルは、厳密に書くのならば正しくないのかもしれないが、そのテーマ性に照らし合わせれば、間違いなく言葉通りの意味合いを持った、目には見えないものの大切さを教えてくれる作品であった。 しかし、だからといって、本編に描かれた絵に意味が無いのかといえば、...
「えのないえほん」というタイトルは、厳密に書くのならば正しくないのかもしれないが、そのテーマ性に照らし合わせれば、間違いなく言葉通りの意味合いを持った、目には見えないものの大切さを教えてくれる作品であった。 しかし、だからといって、本編に描かれた絵に意味が無いのかといえば、決してそうではなく、寧ろ「けもの」と「おんなのこ」、それぞれの繊細に移り変わる心理状況を、植田真さんの素朴な色合いで表した印象を抱かせながらも、おそらくそれだけでは何も意味を持たず、詩人である斉藤倫さんの、時に突き刺さるほどの痛みと優しさを伴った物語が加わることで、その仕掛け絵本にも近い絵の印象は大きく変わってくる。 見えないものの大切さというテーマ自体は、今の時代であれば、割とありふれたものに感じられるのかもしれず、ここでも目に見えるものだけが全てでは無く、心で見ること、感じることの素晴らしさを唱えていて、そこにこそ、生きているものたちの奥深さや個性の素晴らしさがあるのだと知ることで、周りの声よりも大切なのは、自分自身の中の気持ちなんだということも、充分に納得させられるものがあった。 ただ、それとは別に、私が最も心を痛めたこととして、本書の物語には、いじめを思わせるものもあり、これに関しては、どうしても書いておきたいことがある。 本書に登場するけものは『みにくいけもの』らしく、別に醜いと思うこと自体は、人それぞれの価値観もあるだろうし、それが偶然にも複数人でイメージを共有できることも、きっとあるのだろう。 しかし、醜いと思ったからといって、それが何だというのか。 そして、そこで留まらずに、あからさまに相手に示したり、相手にはっきりと言うことに何の意味があるのか、私には全く理解できないし、いつも思うことは、もし自分自身がそんな態度を示されたり言われたりしたら、どう感じるのか、それが全てなのではないのか。 更にそれが毎日のように繰り返されることで、だんだんと冷静に考えられなくなり、それが正しいとは限らないのに、きっとそうなんだと思い込んでしまう、そんな過程を本書のけものにも感じられたことから、途中のおんなのこに対する態度も、私は痛いほど共感できた。 だからこそ、あの終わり方には美しさよりも無念さの方が強く、はっきり言って、あれで感動するのは少し違うのではないかと思ったくらい、私は許せなかったし、彼自身は何も悪いことをしたわけではなかったのに、あの終わり方は無いと思った。でも、これが世の中の一つの顔なんだと言われたら、きっと納得してしまうかもしれない、そんな世界のどこかで今も起こっているのかもしれない、どこまでもやり切れない悲しみであり、彼には、どうしても明るい景色を見てほしかった。 ただ、それでも本書の場合、太陽にも月にも醜いと思われている中で出会った、おんなのこの存在に、無限の可能性を秘めた人間への希望を込めているようにも思われて、本書を読み終えたとき、果たしてどう感じ、そして、未来へ向けてどう行動するのか、きっと試されているのだと、私には思われたのであった。
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3.4年から。みにくいけものと目の見えないおんなのこの出会いがもたらした大切な美しさとは。詩人の斉藤倫さんが贈る、心に沁みる優しく美しい世界。 子どもだけでは勿体無い、大人も味わいたい作品。
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