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村上春樹の100曲
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 立東舎 |
発売年月日 | 2018/06/15 |
JAN | 9784845632398 |
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村上春樹の100曲
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商品レビュー
3.5
6件のお客様レビュー
「ハルキって、むかつくけどいいよなぁ。むかつくけどね(笑)」 そんな会話が聞こえてきそうな、村上さん好きなら必読の一冊である。「村上ラヂオ」が聴ける地域の方は、この本を片手にラジオを聴けるんだろうなと思うと羨ましくて仕方がないです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
村上春樹さんの著書は半分も読んでいないライトな読者の視点からの感想になります。 Spotifyのプレイリストで(カタログであったのは70曲前後)聴きながら暇なときにぱらぱら読みました。80's以降、ロック、ポップ、クラシック、ジャズと大きく分けて、様々な論者の幅広い視点から楽曲や作品との関係性、背景が語られます。個人的には書籍の5分の一を占める『風の歌を聴け』から『騎士団長殺し』までの音楽リストがよかったです。資料的に。 音楽が好きなので、飾りのような小道具、ちょっとしたアイテムのようにはどうしても見れなくて、中には緻密な引用のされ方がされている、というのがよくわかる優れた論評もあったように思えます。歴史的な背景やアーティストの生い立ち、楽曲の時代性などから逆に作品を読み解いていく面白さがあり、楽しく読めました。 まだCDが国内流通していない曲が氏の小説に出てきて、探しにきたお客さんに頭を抱えるレコード屋の話とか普通に笑いました。 登場する現代音楽で一番最新のものはゴリラズの2005年の作品。どうしても、過去の時代を舞台にしたものか多いので、音楽も必然的に古くなってしまいます。クラシック、ジャズの章は全然わかりませんでした。けれども、作品における重要な転換点、作用点にもなり得るそれらの音楽が、今まで以上に重要な意味を持つことを知るいいきっかけにもなりました。 042 ビーチ・ボーイズ カリフォルニア・ガールズ 村上春樹を読むということは、『ペット・サウンズ』を通してビーチ・ボーイズの初期作品を聴くことに他ならない。それは過去のある時点で失われた未来を哀悼する行為であり、その倒錯した時間に自ら身を置くことである。 062 シューベルト ピアノ・ソナタ第17番 天才的なドライブ力によって、多彩な世界を駆け抜けるモーツァルトの音楽とも、ベートーヴェンの活劇ともいえるドラマトゥルギーにぶんぶん振り回される音楽とも違う。シューベルトの音楽は、決してそんなシャープな展開を見せない。愚鈍ともいえるような顔つきで、何気ない日常の隣に、得体の知らぬ世界がぬらっと潜んでいることを教えてくれる。 え、これって誰かさんの小説みたいじゃない? そう、本人も素知らぬ顔で意識しているはずだが、村上春樹の長編小説は、シューベルトのピアノ・ソナタによく似ているのだ。共通するキーワードは、一寸先は異界。
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栗原編「村上春樹の100曲」 ロック、ポップス、ジャズ、クラシック、それぞれのジャンルの専門家の圧巻の知識(音楽それ自体と村上作品の両方についての)を楽しめる一冊。 率直に言って「村上春樹ナゾ解き本」の類はくだらないものが多いが、それは私の理解では要するに「さして興味のない人...
栗原編「村上春樹の100曲」 ロック、ポップス、ジャズ、クラシック、それぞれのジャンルの専門家の圧巻の知識(音楽それ自体と村上作品の両方についての)を楽しめる一冊。 率直に言って「村上春樹ナゾ解き本」の類はくだらないものが多いが、それは私の理解では要するに「さして興味のない人が調べて書いているから」だと思っている。この本の著者たちは逆を行く。読んでいたらもともと詳しい分野の音楽が引用されているのでうれしくてしゃべりだしてしまう、そんな雰囲気で書かれているのだ。 ざっくりいうと、村上作品においてロックとポップスは「失われたものへの追悼」として、ジャズとクラシックは「異界への扉として」使われている、というのが著者たちの共通した主張だ。慧眼と思う。そして凡百の解説本で「おしゃれなシティライフの小道具」(失笑)とされているそうした音楽が、実は表題や歌詞の細部にまでわたって小説のテーマと見事に符合していることを読み解いていく。わかりやすいところで言えば学生運動とドアーズなどがあるが、とくに「パン屋再襲撃」で取り上げられるのがなぜワーグナーの「さまよえるオランダ人」序曲なのか、についての一文にはうならされた(キーワードは「呪い」。この辺りは加藤典洋氏の評論と合わせて読みたい)。 巻末の著者対談もマニアック雑談の雰囲気が面白い。
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