White Pawn ドラC

トビワシオ(著者)

• 販売会社／発売会社: コアマガジン
• 発売年月日: 2018/06/25
• JAN: 9784866531854

商品レビュー

2019/06/05

▼あらすじ
大学入学時に、2つ上の先輩・白沢に目を付けたゲイの黒木。
お近づきになって、なんとか食ってやろうと思っていたのに、気づいたら逆に押し倒されて食われてしまった!
予想外の展開に戸惑うも、白沢の“顔"が大好きな黒木は懲りずにタチに回ろうと画策するけれど……

＊＊＊

ストーリーの完全度：★★★★☆
タチ×タチ度：★★★★☆
攻めの腹黒度：★★★★★
エロ度：★★★★☆
萌え度：★★★☆☆
総合評価：★4.0

初読みの作家さんでした。
絵もなかなか綺麗ですし、ストーリーも割と上手にまとめられていて面白かったです。
タチ×タチのお話で、表紙で眼鏡かけてるキャラクター(黒木)が結局受けになるのですが、黒木はタチ×タチのCPにありがちななんちゃってタチじゃなくて、最後までしっかりと男らしく、白沢に開発されても完全にはメス堕ちしなかったのが好印象でした。

ただ、黒木が白沢の顔以外でどこを好きになったのかっていう説明がふわっとしている為、個人的にはあまり納得出来なかったです。
黒木が白沢の顔だけじゃなくて内面も好きになるようなエピソードが作中に一つでもあればまだ少しは納得出来たのですが、基本、組み敷くようなセックスしてるだけで内面に惹かれるような描写は特にこれといって無かった為、終盤での黒木の告白のくだりは正直、「うーん…？」って感じでした(^^;)
「顔」じゃなくて「白沢」が好きと言うには、残念ながら説得力が足りてないように思います。私は正直、結局は顔と体の相性が良かっただけじゃん？と思ってしまいました。

また、最後の方で黒木は“この人が手に入るんならネコでもタチでもどっちでもいいか”という愛の深さを見せてくれる訳ですが、白沢にはそういう愛の深さが見られなかったのがなぁ…。
いや、白沢ってなかなか嫉妬深いし黒木に対してストーカーみたいな行為もしてたから正確に言えば愛はあるんだろうけど、何かどうしても軽薄なイメージが最後まで拭えなかったんだよなぁ…。
単純に私が白沢の人間性が好きになかっただけかもしれないのですが、もう少し好感が持てるような振る舞いをして欲しかったです…(-_-;)

あと、このCPだったらリバってほしかったなぁっていうのが一番残念に思ってる部分で。
まぁ、白沢の人間性からしてリバは無いだろうなって薄々分かってはいたけど、やっぱり多少は期待しちゃうじゃないですか…(笑)
最後の「やれるもんなら やってみな」という白沢の台詞からしてもしかしたら描き下ろしでリバってくれるかな？と期待しましたがやっぱり固定だし、ガックリ…みたいな。
ただ、「好きな人の色んな顔 見たいと思うじゃないですか…」という黒木の発言に白沢が密かに感銘を受けたような表情をしていたので、黒木の頑張り次第では今後、後ろを許す事もなくはない…のかな？
作中でリバが見られなかったのは残念ですが、いつか逆転してくれると良いなぁと思います。

少々辛口気味なレビューになってしまいましたが、上に述べた通り一部の引っ掛かりを除けばストーリーは全体的に上手くまとめられていると思いましたし、本当にあともう一押し！って感じだったので決して楽しめなかった訳ではありません。寧ろ最近読んだ作品の中では面白いと思ったので、これはこれで満足です(^^)
タチ×タチが好きな人にお勧めしたい作品の一つですね。