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寒橋 山本周五郎名品館 Ⅲ 文春文庫
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寒橋 山本周五郎名品館 Ⅲ 文春文庫

山本周五郎(著者), 沢木耕太郎(編者)

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寒橋 山本周五郎名品館 Ⅲ 文春文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2018/06/08
JAN 9784167910907

寒橋

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商品レビュー

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2024/01/19

「落ち梅記」 武士の審議と友情。 「寒橋」 時三とお孝。 父の世話をする奉公人おたみは、父が亡くなり、体調を崩し実家へ帰ると子供を産む。 世間も妻も時三が間違いを起こしたと疑わず、本人の時三もそれを認めるが、実は…。 「人情裏長屋」 抜群の件の腕前を持ちながら裏長屋に住み四六...

「落ち梅記」 武士の審議と友情。 「寒橋」 時三とお孝。 父の世話をする奉公人おたみは、父が亡くなり、体調を崩し実家へ帰ると子供を産む。 世間も妻も時三が間違いを起こしたと疑わず、本人の時三もそれを認めるが、実は…。 「人情裏長屋」 抜群の件の腕前を持ちながら裏長屋に住み四六時中飲んだくれる浪人松村信兵衛。 その長屋に移り住む子連れの浪人が、ある日子供を預かってほしいという。しかたなく信兵衛が育てることにするが、また子供を返してほしいと戻ってくる。 「なんの花か薫る」(再読) 喧嘩して娼家に逃げ込んできた武士、江口房之助をかくまったお新、房之助に一緒になりたいと言われたことを本気にし、最後に悲しい思いをする武士と娼婦の物語。 「かあちゃん」 近所づきあいも避けるほど一生懸命働き必死で生きていこうとする母と5人の子供たちの明るく力強い家族の物語。 「落ち葉の隣」 繁次 おひさ 参吉 「茶摘みは八十八夜から始まる」 五郎右衛門 平三郎 本田政利 「釣忍」 棒手振りの定次郎とおはん。ある日たずねてきた男は定次郎の兄で実は越前屋の跡取りだと告げる。黙って身を引こうとするおはん。

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2024/01/04

「山本周五郎」の短篇時代小説集『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋(さむさばし)』を読みました。 『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』に続き、「山本周五郎」の作品です。 -----story------------- 生涯、膨大な数の短編を遺した「山本周五郎」。 短編選集決定版の第三巻(全四...

「山本周五郎」の短篇時代小説集『山本周五郎名品館Ⅲ 寒橋(さむさばし)』を読みました。 『山本周五郎名品館Ⅰ おたふく』に続き、「山本周五郎」の作品です。 -----story------------- 生涯、膨大な数の短編を遺した「山本周五郎」。 短編選集決定版の第三巻(全四巻) 武士の、同輩への友情と、許婚への断ち切れない愛情との葛藤を描く『落ち梅記』。 浪人の、赤ん坊に対する人情が愛情に変わっていくプロセスを描く『人情裏長屋』。 長屋住まいの一家の、究極の人情ともいうべきものを描く『かあちゃん』。 亭主への、また父の娘に対する「情」の交錯がドラマに複雑さを与える『寒橋』。 ほか、『なんの花か薫る』『あすなろう』『落葉の隣り』『茶摘は八十八夜から始まる』『釣忍』など、全九編。 巻末に「沢木耕太郎氏」による解説エッセイ『寒橋のまぼろし』を収録。 さまざまな「情」が乱反射する、「情」の万華鏡ともいうべき一冊。 ----------------------- 「山本周五郎」作品に深く傾倒する「沢木耕太郎」が、300篇にも達しようかという膨大な作品群を読み返して独自の視点と切り口で4巻36篇を選び、各巻の末尾に斬新かつ詳細な解説エッセイを執筆したアンソロジー作品の第2巻で、以下の9篇が収録されています。  ■落ち梅記  ■寒橋  ■人情裏長屋  ■なんの花か薫る  ■かあちゃん  ■あすなろう  ■落葉の隣り  ■茶摘は八十八夜から始まる  ■釣忍  ■解説エッセイ「寒橋のまぼろし」 沢木耕太郎 「沢木耕太郎」が選び抜いた巨匠「山本周五郎」名品ですからね… 面白くないわけないですよねー 本作品も、9篇とも愉しめましたね。 そんな中で特に心に残ったのは、 冤罪と知りつつ藩政を立て直すために黙って罪をかぶるという忠義に殉じた武士の、同輩への友情や、気持ちを抑え込みつつも断ち切れない許婚への愛情との葛藤を描いた『落ち梅記』、 裏長屋で人気者である浪人の、赤ん坊に対する人情が愛情に変わっていくプロセス… ひとりの浪人の胸のすく活躍と人情味あふれる子育ての物語を描いた『人情裏長屋』、 若侍をかくまった岡場所の女のシンデレラストーリーが迎える残酷な結末… 岡場所の女たちの好意が憎悪に変わる瞬間、薄情な若侍の無邪気な行動を描いた『なんの花か薫る』、 改易で岡崎藩にお預けとなった殿様の相伴役を買って出た男… 自らも痛みを抱いた武士の落魄した者への労りの情と、それによって甦る誇りの存在を描いた『茶摘は八十八夜から始まる』、 ですかね… 特に『なんの花か薫る』のやるせない、憤りを感じる結末は印象深かったですねー とても残酷だけど、薄情も情のひとつだとすれば、情を描いた見事な作品なのかもしれませんね。 「山本周五郎」の作品って、描かれている時代は違っても、登場人物に気持ちがシンクロして、心が揺さぶられるところがあるんですよね… 描かれているのは、人間としての普遍的なテーマなんでしょうね。

Posted by ブクログ

2023/07/12

髙田郁さんが「なんの花か薫る」のことを書かれていたので、山本周五郎自体、あんまり読んだことがないので、せっかくだからとその短編が収録された文庫を。 なんと、編者は沢木耕太郎。 切ない話が多くてあっという間に読めた。 私がハマったのは「茶摘は八十八夜から始まる」。人はやり直すこと...

髙田郁さんが「なんの花か薫る」のことを書かれていたので、山本周五郎自体、あんまり読んだことがないので、せっかくだからとその短編が収録された文庫を。 なんと、編者は沢木耕太郎。 切ない話が多くてあっという間に読めた。 私がハマったのは「茶摘は八十八夜から始まる」。人はやり直すことができるのか? 私も昔はとにかくよく呑んだ。今夜はやめよう、と朝思っても夕方になればまあいいか、とまた呑んでしまう。 呑んでも満たされないから、素行も乱暴になる。 作中の二人がどうなるのか、ハラハラして読んだ。 酒を断ったと思っていた政利が、実は情で酒を差し入れられていた‥目撃した平三郎といっしょになって、水でも引っ被ったようなショックを受けた。 今回の印象的なフレーズは、政利が改心できるか聞かれた平三郎が、信じると返したときの父の言葉。 「芯まで腐った木にも芽の出ることがある、だが、その芽は必ずしも腐った幹のよみがえった証拠にはならない、〜」

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