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変愛小説集 日本作家編 講談社文庫
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変愛小説集 日本作家編 講談社文庫

アンソロジー(著者), 川上弘美(著者), 岸本佐知子(編者)

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変愛小説集 日本作家編 講談社文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2018/05/15
JAN 9784062939140

変愛小説集 日本作家編

¥770

商品レビュー

3.5

18件のお客様レビュー

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2025/02/02
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※このレビューにはネタバレを含みます

どの話も恋、愛にまつわるもの。よくある恋愛小説に少し飽きてきたのでかなり刺激になりました。 ① 所々了解し得ない表現があるように感じた。今の私にはこの小説の違和感を言語化する力がない。 ②この作者の小説をはじめてよんだが、太字を活用される方なのだろうか?リードがあるから言葉遊びに気づける。話の本筋ではないけれど、口、日、目、見と漢字に線を足していくことでお説教にクレッシェンドをつける表現が一番好きだった。 ③藁の夫はおそらく比喩なのだろう、妻が自分本位に生きており、それによる夫婦関係の崩れを描写していると読んだ。夫に関しても、結婚する時に第三者から反対されるような相手であり、こだわりの強さが作中から会見えた。妻視点の物語であり、夫視点でみると全く違う意見が見えるだろうなと想像した。 ④よかった。マジョリティ、マイノリティ、社会常識は時代と共に絶えず変化する。トリプルでの行為は未知のものだが、その表現力からなぜか快感を共感できる。筆者の感性に脱帽。 ⑤ 冴えない女の密かな幸福の話。人間の男性相手では浮き立つ話は直近なく、そんな中カラスが守ってくれる。人間以外の生命とは言葉を交わさないので、良くも悪くも自分の好きなように解釈できてしまう。利己的な愛情だなと個人的には思ってしまう。 ⑥ 掲載作の中では一番グロい。スカートの中に秘密が隠されている設定勝ち。途中自分の知見だけでは理解し得ない表現もあったが、作品に勢いがあり読了はできる笑 なぜトメが意思を持って動き出したのか?(最初から意思があったのか…?),植毛された毛の謎がとても気になる。 ⑦ 読了した後に題名の意味を調べて驚嘆しました。人間の性癖って、過去人生における最も刺激の強い出来事から成るのかなと思ってしまった。 ⑧ 統合失調症患者の話なのか?とややオリジナル視点も交えながら読んでしまったが。幻想の中の女に恋するなんて、成就はせずとも一つの恋の形としては美しいと個人的に思った。 ⑨男鹿 靴への偏愛。私には高尚な文章で、まだこの文体の美しさが咀嚼できなかった…。他の方の感想を読んで、この小説を美しいと感じる方もいるのだなと…。 ⑩クエルボ 自分をよく理解してくれている妻から愛想をつかされ、息子も自分を嫌い、退職し、没頭できる趣味もない。高齢男性に度々見受けられる状態。何か夢中なれることがないかと、渇望する中でカラスとの関係を妄想し出す。 鉄塔の上からふんばって、排便するんかと思いきやまさか卵が出てくるとは。素直に面白かった。 11ニューヨーク、ニューヨーク 中年で亡くなってしまった前妻を偲ぶ男視点の話。物語全体が切なさで包まれている。。。

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2024/11/13

岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。 「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭の...

岸本佐知子さんの編んだ書き下ろしアンソロジー、タイトルに惹かれてまず読んだ津島佑子の短編「ニューヨーク、ニューヨーク」が素晴らしかった。読みながら、読み終わってから、幾つものことを思った。 「ニューヨークのことなら、なんでもわたしに聞いて。それがトヨ子の口癖だった、という」冒頭のセンテンスを読んで、わたしも数年前の夏に数冊の本を読むことで行ったことのない「ニューヨークのことはもう分かった」と嘯いたことを思い出す。そこには彼女がニューヨークを思うのと同じように個人的で特別な理由があったのだけど。 その後に元夫と息子がこの世にいない彼女について語り合うことで明らかになり“発見”される、今まで知り得なかった「彼女の孤独や哀しみやささやかな矜持や希望」あきらめ、恨み、失望は、編者あとがきで岸本さんが書いているように「私たちみんなが心の奥に抱えているもの」なのだと思えた。少なくとも、わたしは同じようなものを抱えていた。改めてそれらを見つめることになる。さらにその語り合い、解釈を通して「なにか肝心なものが欠けた存在」では、と思いはじめる元夫、名無しの“男”の人生に自分を省みて、思い出し落ち込み、わたしも「少し涙ぐむ」。 そして、もういない人を語りあうこと、あるいは不在になったときに語られることについても考える。別の方向からの印象を聞き、ぶつかり合いすり合わされることで、新しい印象が浮かび上がる。それは勿論“正解”ではないのだけど、新たな、あなた、わたしが描き出される。何処までいっても憶測でしかないそれを、真実とその人自体だと思い込む、そうせざる得ないことは、実はとても恐ろしいことなのではと思い至る。しかし、人も含めた世界はそうやってしか捉えることが出来ないのなら、それは真摯に語られるべきだ。この小説のように。そんなことを少しこじつけて思う。とても素晴らしかったけれど、予想していなかった怖い思いもした短編小説だった。太宰治の娘だということはさっき知った。「電気馬」も読んでみたい。

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2024/10/09

純文学作家の発想  ひとつづつ評していく。  川上弘美。未来SF。  発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。  人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすため...

純文学作家の発想  ひとつづつ評していく。  川上弘美。未来SF。  発想が陳腐だと思ふ。書きたいことを意識的に書いてはゐるが、予定調和的で凡庸から突き抜けない。  人間由来の人間を工場で作らず、多様な動物由来の人間どうしが結婚し合ふ未来観(近親交配によるホモ接合型を減らすためだらう)。そこでの恋愛。  厳密にいへば、人間と他種ではゲノムの相補性が少ないからありえない。遺伝子組換かもしれない。まあそこは目をつむることにしても妙だ。  未来でも入籍といふ制度は残ってゐる。人間に本能の性欲が残ってゐるんだらうけど。結婚しない人や、核家族がどうなったかも書いてない。  妙にSFが現実路線のわりには、ふはっとしてあいまいだ。雰囲気小説のたぐひか。さいきんの川上弘美には『大きな鳥にさらわれないよう』等、未来小説がある。  多和田葉子。  川上弘美より面白い。  純文学らしく突っかかる表現が冒頭から続く。生花で花の首をちょんぎるだの、乱暴な表現は筒井康隆を想起した。独特で考へ抜かれた奇妙さを意識して、多和田自身も意図しない効果が出るやうな浮揺感を狙ってゐる。言語にこだはるナショナリストぶりもあらはれて、いつもの社会諷刺もある。  全体としては普段の多和田の域をつかず離れず。

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