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会計の再生 21世紀の投資家・経営者のための対話革命
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央経済社 |
発売年月日 | 2018/04/14 |
JAN | 9784502240515 |
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会計の再生
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とても面白かったです。会計基準で計算された利益などの指標が、いかにピンボケしていて株価の動きと乖離しているのか、アナリストもますます財務指標としての利益を重視しなくなっているということを、実証的に示した本になります。確かに現実を見ると、たとえばGAFAと呼ばれる巨大IT企業や、エ...
とても面白かったです。会計基準で計算された利益などの指標が、いかにピンボケしていて株価の動きと乖離しているのか、アナリストもますます財務指標としての利益を重視しなくなっているということを、実証的に示した本になります。確かに現実を見ると、たとえばGAFAと呼ばれる巨大IT企業や、エアビーアンドビーなどデジタルサービスを提供する企業は、赤字であったり利益が小さかったとしても株価は高値が続いています。 著者は現在の会計基準の問題点を3つ挙げています。それは(1)無形資産の不可解な会計処理、(2)会計はもはや事実に関するものではないこと、(3)簿外事業が企業価値にますます影響を及ぼしていること、です。(1)については、例えばR&D支出が資産ではなく費用として計上されることがあります(一部は資産計上できますが)。R&Dは新商品のアイデアやノウハウなど無形資産を構築しているのに、会計上は、費用として利益から一括して控除されるので、同額を有形資産(機械など)に投資するよりも見た目上利益は減るわけです。現在の会計基準は、工場や機械などの有形資産に投資をして付加価値を生み出す、産業資本主義型の企業を念頭に置いたものであって、人材やノウハウ、ソフトウェアなど目に見えない無形資産が経済の中心になりつつあるのにそれを軽視している、という指摘です。(2)について、現在の会計基準では経営者による見積もりがいろいろな費目に影響を及ぼしていて、もはや事実(ファクト)を表していないという指摘です。減価償却費、貸倒引当金、年金費用などがその代表例になるでしょう。(3)について、たとえば開発中の医薬品やソフトウェアがどのくらいあるのかという情報は、財務諸表に記載すべき必須項目ではありませんが、未来の利益を予想するうえで極めて重要な情報になりますし、ゆえにアナリストはカンファレンスで経営者にこのような質問をするのです。 そのうえで著者はこれらの課題を解決すべく「戦略的資源・帰結報告書(SR&CR)」なる報告書を提唱します。この報告書の良し悪しはともかく、会計の有用性が著しく低下している現状を実証分析で示し、その代案についても案を提示したという意味で、著者らには拍手を送りたいと思います。1点、原題は「The End of Accounting:会計の終焉」というかなり過激なタイトルなのですが、訳者らは過激なタイトルを嫌ったのか、将来への期待を込めてかわかりませんが、日本語のタイトルを「会計の再生」と柔らかくしてしまいました。私は個人的には、著者の強い憤りも含めて、原題に忠実な日本語タイトルにすべきだったのではないかと思いました。
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内容自体は勉強になった。しかし、(訳者が8人に及ぶせいか)翻訳の雰囲気が章ごとに大きく変わっている気がする。読みやすいとは言えない。
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企業の株価はどうやって決まるのだろうか。 1980年ごろまでは、企業自身が公表する決算情報(財務情報)が株価を左右していた。売上高、利益金額、利益率、資産回転率、1株当たり利益など。しかし80年代からこの傾向に違いが出てきた。どうやら、企業が公表する財務情報と、市場での起業株価と...
企業の株価はどうやって決まるのだろうか。 1980年ごろまでは、企業自身が公表する決算情報(財務情報)が株価を左右していた。売上高、利益金額、利益率、資産回転率、1株当たり利益など。しかし80年代からこの傾向に違いが出てきた。どうやら、企業が公表する財務情報と、市場での起業株価との間の関連性が失われてきたようだ。 本書はこの財務情報の価値喪失の傾向について、これでもかというくらいに統計を駆使してネチネチネチネチ実証する。どうやら本当に、財務情報と株価との関連性が失われてきているようだ。言い換えると、財務情報の情報価値がなくなってきているようだ。 なぜ財務情報の情報価値が失われてきつつあるのだろうか。会計学の理論的な観点から、理由が3点あげられる。 1.無形資産の重要性の増大 2.財務諸表に占める見積りの増大 3.費用は見込んでも収益は見込まない、というような非対称な会計慣行(保守主義の原則、研究開発費会計、構造改革費用) 無形資産というのは、簿記でいうところのいわゆる無形固定資産、ではない。そうじゃなくて、価値創造の源泉となるものでありながらも資産として認識されることの無いもの、のこと。費用処理されて資産として残らないような研究・開発費、広告費の累積としてのブランド、研修費の累積としての人的資源などだ。現代は、そういう無形資産こそが価値を生み出し、企業を成長させる時代であるにもかかわらず、会計原則はそれら無形資産をその企業の持つ力=「資産」として認識できない。会計が時代に追いついていない。財務諸表が企業の価値創造力を正しく表現できていない。 見積りというのは、経営者自身が考えた数字のことで、金融資産全般の表示には不可欠になってくる。あと、最近いろんな大企業で巨大なインパクトをもたらしている「減損」にも非常に密接にかかわってくる。見積り如何で数百億円~数千億円の金額が動くことが珍しくない。 しかし、それはあくまで経営者自身が考えただけの主観的な数字であって、経済実態を客観的に描写したものではない。 研究開発費は、昔は繰延資産とされていたけれど、今は即費用計上される。構造改革費用も費用処理され、資産としては認識されない。 しかし将来、収益を生むのはこういった研究開発の成果や、構造改革の成果にほかならない。収益つまり経済価値を生み出すものとは、それはつまり資産にほかならない。しかし会計原則は「保守主義の原則」の名の下に、これらを資産としては認識せず、費用処理することを求める。 じゃあどうしたらいいのだろうか。どうしたら財務情報の有用性を取り戻せるのだろうか。どうしたら「会計の再生」を図ることができるのだろうか。 そこで著者らは「戦略資源・帰結報告」なるものを提案するのだけれど、実務的に受け入れられるにはまだ時代を先取りしすぎているように思う。あまりにも粗削りな理論的なモノ過ぎて、会計基準や実務指針に落とし込むレベルのしろものではない。 とりあえず当面はIIRCや記述情報の開示原則などを参照する以外にやりようがないだろう。
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