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AI原論 神の支配と人間の自由 講談社選書メチエ672
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AI原論 神の支配と人間の自由 講談社選書メチエ672

西垣通(著者)

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AI原論 神の支配と人間の自由 講談社選書メチエ672

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2018/04/01
JAN 9784062586757

AI原論

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商品レビュー

4.1

12件のお客様レビュー

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2024/07/28

……そうした過剰で入り乱れた情報の渦を、徐々に徐々に制限していく。最初は漠然と捉えていた世界を、年を経るごとに、ああでもない、こうでもないと否定に否定を重ねることで、情報を分節化していく。過剰で脈絡のない情報の流れが意図的に遮断されることで、具体的で明確な個々の情報が獲得されてい...

……そうした過剰で入り乱れた情報の渦を、徐々に徐々に制限していく。最初は漠然と捉えていた世界を、年を経るごとに、ああでもない、こうでもないと否定に否定を重ねることで、情報を分節化していく。過剰で脈絡のない情報の流れが意図的に遮断されることで、具体的で明確な個々の情報が獲得されていく。情報を絶えず遮断していくこうした過程を、私たちは「知識の増大」として理解しているのだろう…… https://note.com/kimiro_9207/n/n42e35d447450

Posted by ブクログ

2023/06/25

表題からはよくあるAI進化論の類かと思っていたが シンギュラリティ論から真っ向に対立するような骨太の議論が繰り広げられており、宗教や近代哲学の領野にも踏み入れながら斯様に人文的な見地からAIを解釈し直すと筆者の力量もあってやはり面白い。再読。

Posted by ブクログ

2023/05/08

AIについては全くの素人なのですが、著者の本は何冊か読んだことがあり本書も手に取りました。結論から言うと非常に面白かったです。独特な視点からAIに切り込んだ書籍だと言えます。本書はAIの技術的な解説書ではありません。そのような本は巷にあふれています。著者がこの本で指摘するのは、日...

AIについては全くの素人なのですが、著者の本は何冊か読んだことがあり本書も手に取りました。結論から言うと非常に面白かったです。独特な視点からAIに切り込んだ書籍だと言えます。本書はAIの技術的な解説書ではありません。そのような本は巷にあふれています。著者がこの本で指摘するのは、日本でAIを研究している専門家ですら、AIの背後にある哲学的思想や宗教的思想について理解しておらず、それは非常に危ういという点です。 本書は、これまでのAIブーム(1950年代の第1次、80年代の第2次、そして2010年代からの第3次ブーム)について概観し、第3次ブームに火をつけたと言ってもよいカーツワイルの「シンギュラリティ仮説」について紹介します。そしてこのシンギュラリティ仮説を中心に、それらがどのような思想のもと生まれたか、それがいかに「ありえない」かについて哲学や宗教の視点から解説しています。 本書は重要なキーワードが多数ちりばめられていたと思います。まず科学者が持ちがちな「素朴実在論」。それに対抗する、カントからはじまる「相関主義」(世の中の事象はすべて人間という主観的主体を通してしか理解できない)、そしてそれを突き詰めていくことで生まれたメイヤスーの「思弁的実在論」。また相関主義と似た思想としての「オートポイエーシス」理論で、人間や生命体だけが真の意味で「閉鎖・自律的」な存在であり、AIは「開放・他律的」存在でしかないことを示します(ただし本書で示されているように、深層学習しているAIは疑似的な意味で自律的存在として人間の目には映る)。 私が興味深かったのは、メイヤスーが提唱している2つの種類の不確定性と、それを用いた著者による人間・AIの違いについての説明でした。1つめは確率分布で表示できるもの(潜勢力と訳されている)、もう1つは確率分布で表示できないもの(潜在性と訳されている)があって、AIは前者にしか対応できないが、人間は前者だけでなく、後者の不確定性にも柔軟に対応できること(対応できない固体が死ぬ)、つまり言い換えれば行動ルール自体が時々刻々変化する存在だということです。AIはメタルールを自分で変えられません。それに対して人間はいざとなればメタルールすらリライトできるからです。 ちなみにこの2つの不確定性については、フランク・ナイトという経済学者もだいぶ前に区別をしています。彼は、確率分布で表示できるものを「リスク(risk)」、そうでないもの、たとえば世界大恐慌を引き起こすような株価下落については「不確実性(uncertainty)」と区分しています。ナイトは逆に、人間がすべての事象をリスクとして扱おうとする態度が世界大恐慌のような不確実性を見過ごすという警告をしています。ナイトもメイヤスーも後者の不確定性の存在を強調しているわけです。 なお本書の後半では、ギリシャ哲学(ヘレニズム)とユダヤ教(ヘブライニズム)の混交した西洋文化がAIの背後にあることを解説します。私としては、仏教の思想とAIがどのような関係にありそうか、という点に興味が湧いてきましたので、もしそのような本があれば手に取りたいなと感じました。繰り返しになりますが、本書はAIを通じて様々な哲学思想と宗教思想が学べる本になっていて、知的好奇心を満たしてくれる良書でした。個人的にはとても満足しています。

Posted by ブクログ

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