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サイコパスの真実 ちくま新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2018/04/05 |
JAN | 9784480071378 |
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サイコパスの真実
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商品レビュー
4
19件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
こういった犯罪系の分野にうとい自分にとって、専門分野としても勉強になったし、何より読みやすかった。ミクロな視点とマクロな視点、科学的なエビデンスや哲学的な考察など、色んな角度からの視点が書かれており、何度か読み返したいと思えた一冊。 P231 ■マクロな視点から見たサイコパス 病気を克服し生命を守ろうとして医学が進歩したが、超高齢化社会や人口増加に歯止めがかからない。幸福を追求しようとして産業が発展したが、環境破壊や地球温暖化は悪化の一途である。自らの国を守ろうとして多くの兵器を開発したが、地球を破壊するほどの核兵器を保有するに至った。人類はまさに、地球と言う乗り物、知恵と言う毒針で何度も何度も続けるサソリのようである。サイコパスも、鋭い毒針で周囲の人々を刺し続けるサソリである。 しかし、サソリの毒がサソリという種の繁栄のための武器であったのと同じように、また、人間の知恵が、人間という種の繁栄のためには必須の武器であったのと同じように、サイコパスの得もサイコパスの生き残り戦略のためには「適応的な」ものであったのだ。だからこそサソリもサイコパスも、滅びることなく存続し続けている。 ■進化論的な意味から見るサイコパスの存在意義 サイコパスのように利己的にしか生きれないものは、他のおとなしい者を出し抜いて生きていくことができる。それは進化論的な意味では、生き残り策としては効果的だったのだろう。そしてそれは、悪意を持ってそうしていると言うよりは、そうするようにできているというだけのことである。 サイコパス特性の全てが「悪」で、人類に会をなすものとは言えない。強いリーダーシップや冷徹な判断力が、我々の生存や進化に役立つこともある。社会には果敢にリスクを取って前進したり、外敵と戦ったりするものも一定以上は必要なのだ。サイコパスがどの社会にも1% 程度はいるということは、それが進化にとって最も適切な割合であるとして神の見えざる手によって配分された結果なのかもしれない。 ■現代においてどうしても気ををつけるべきこと P238 進化論的な意味からはサイコパスの存在には人類にとってそれなりの意味があり1つの個性として共存するしかないことを述べたがしかしやはり、核兵器時代の現代においてはどうしても気をつけなければならないことがある。それはシリアルキラーによる犯罪でも身近な隣人のサイコパスによる迷惑でもなくサイコパスを指導者として選ばないと言うことだ。いかに表面的にカリスマ的魅力があり、響きの良い言葉を操り、強い言葉で感情揺さぶられようとも、その正体を見極める目を養わないといけない。 乱世では革命家として国民から熱狂的な支援を得た指導者が、平和な夜になると独裁者に変貌遂げる事は、洋の東西を問わず珍しいことではない。ヒトラーを選んだドイツ国民はもうほとんどが死に絶えているかもしれないが、この民主的の時代でもサイコパスの弁舌に乗せられて彼らを指導者に選んでしまう国は歴然として存在している
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サイコパスついて多面的な解説をするともに最後は哲学的な捉え方もしている良書と思う。 広く一度は読まれるべき本だと思う。
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借りたもの。 サイコパスを科学的なエビデンスを基に解説したもの。 中野信子『サイコパス』( https://booklog.jp/item/1/4166610945 )よりも理論的で、エビデンスについて具体的に書いているように感じた。様々な精神疾患――反社会性、自己愛性、境界性パ...
借りたもの。 サイコパスを科学的なエビデンスを基に解説したもの。 中野信子『サイコパス』( https://booklog.jp/item/1/4166610945 )よりも理論的で、エビデンスについて具体的に書いているように感じた。様々な精神疾患――反社会性、自己愛性、境界性パーソナリティ障害など――の診断基準を明記し、被るもの、異なるものがあることを指摘している。 前述著『サイコパス』は俗的なイメージとしての“サイコパス”とそこからちょっと医学っぽい入口だけだったが、こちらの方が突っ込んでいるように思う。 ・家庭環境や生育環境はほとんど起因しない。 ・医学的な面(プログラム?)から見てもサイコパスの治療は不可能。 など。『サイコパス』の内容を覆されたものもある…… 冒頭から、著者が遭遇した、犯罪を犯したサイコパスとのやり取りを読んで、惹きこまれていく…… サイコパスの特徴は複数あるが、特筆すべきものであり‘一番の中核的要素は、良心や共感性の欠如である(p.43)’ことを主軸に話が進んでゆく。 「サイコパスの定義」、全員が犯罪者になる訳ではない、はっきりと線引きできないものでもあるため「成功したサイコパス」や「マイルド・サイコパス」という概念まで。 さらに興味深い…というか、突っ込んだというか、トランプ大統領を取り上げ、彼を「成功したサイコパス」とみなすのか、そもそもその判断は楽しいのかと疑問、苦言を呈し、そのようなレッテル貼りへの警鐘も併せて紹介。「深刻なソシオパス」らしいが……この本が出版されているとき(2018年)は、トランプ大統領が就任し1年。どんな方針を打ち出すのか、期待?と不安と共に多くの人が注目していた頃だった。 後半は、サイコパスへの治療に関する様々な試みとその敗北についても紹介している。一見、効果があったように感じるものも、サイコパスに表面的な処世術を提供しただけで、学んだことを悪用するという。 その理由を治療する側のエビデンス不足にあることも指摘している。 その上でまだ希望があるという説も併せて紹介しているが、著者は懐疑的な模様。
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