新訳 星の王子さま

アントアーヌ・ド・サン・テグジュペリ(著者), 芹生一(訳者)

• 販売会社／発売会社: 阿部出版
• 発売年月日: 2018/04/02
• JAN: 9784872426601

商品レビュー

2024/07/16

良書は様々な読み方(解釈)が出来るというが、本書はまさにそれを体現しているものと言える。
寓話なのだなと合点がいってから、自分ならどのような意味を持たせるだろう、と考えながら読んでいった。
私は今、心のままにやりたい選択肢を選ぶための勇気と感性と美意識を鍛えているところなので、本書から見出す心は、想像力を大事にする気持ちと、自分の中に眠る幸せの種をしっかりと見据えることだと受け取った。
またこちらの都合を考えぬ3歳児を育てている身だからこそつまされる、純粋な感情を無碍にしないようにという嗜めも感じ取られた。

本書の解説には著者サンテグジュペリの生涯や時代背景が載っていて、本書を遺書のように受け取ることもできると書かれている。なるほど、そういった読み方もできるかと目から鱗だった。

2024/05/26

ずっと聞いたことあったのに初めて読みました。ファンタジー。小さな星の王子さまがいろいろな星を旅した後に地球に着陸。置いてきた自分の星の花が特別だったと後悔しながら、砂漠の蛇に噛まれて帰還？死んじゃった話。特別なものがあると伝えたかった？
作者のフランスの作家、飛行家のサン=テグジュペリが第二次世界大戦で祖国フランスを置いてアメリカに亡命し、それを悔いていることに重ねてる作品。実際に彼は、亡命先のアメリカで1943年にこの本を書き、1944年、敵情視察のための飛行でマルセイユ沖の地中海海底で飛行機ごと見つかったそう…操縦を誤ったのか敵に落とされたのかは定かではないそう
これまで星の王子さまとわたしとで、王子の方が上に表現されていたそうだが、そこを対等に表現したかったため、2018年に再刊する際に芹生さんが修正したとのこと
クラシックを聴きながら家で読んだが、カノンとG線上のアリアがすごく好きになった

2024/02/07

「大事なものは、目に見えない」

文体の穏やかで柔らかな空気感と、わたしと小さな王子が対等な関係性であること表現する意思の強さを両立している、芹生さんの訳がすき