沸点桜

北原真理(著者)

• 販売会社／発売会社: 光文社
• 発売年月日: 2018/02/15
• JAN: 9784334912062

商品レビュー

2022/04/20

時系列が1993年と2017年

交互になっていることに

途中まで気が付いてなくて

およよ　ってなりました

女性が裏社会にいたら

こうも　やられまくるんかい

というほど

二人とも若いのに

男関係の　暗い過去が一杯

コウの故郷で潜伏するものの

ユコの預かりものが

思わぬブツだし

全然平和に暮らせない

その中で

コウの漢気に惚れる

ユコちゃんも　母は強し

されど　子供が弱点だよなぁ

2021/01/17

日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を読んでみようと手に取った本。本作品は2017年受賞作。風俗店のセキュリィティＨＩＶ患者であるコウと風俗嬢ユコ、命を懸けて一緒に逃亡、潜伏する羽目に。女性を主人公としたハードボイルド、最後は偶然が過ぎる感もあるが息をつかせぬ展開は読み応えあり、傑作！　めったに出ない☆五つ！

2020/03/12

日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。苛烈でしかし清々しいハードボイルドミステリ。
圧倒的な強さを持つコウと、美少女であるユコ。一見正反対だけれどともにまともな人生を歩めなかった二人が、事件に巻き込まれ逃亡しつつ共同生活を営むことに。その生活がなんとも危ういながらもひどく穏やかで、和まされます。取り立てて上質な生活ではないのだけれど、こういう当たり前の生活が決して誰にも無条件で与えられるものではないということを、認識しておくべきかもしれません。何気ない日常を送れるだけで充分に幸せなのだということを。
そんな生活がずっと続いてほしい気がしながら、やはり物語は容赦がなく。後半の鬼気迫る展開には目が離せませんでした。彼女たちが巻き込まれた事件の真相もまた悪辣だけれど。その分味方となる人も多かったので、とことん救いようのない物語にならずに済んだのにはほっとしたのでした。だけどコウの戦いはまだ終わらないのでしょうか。