沸点桜 の商品レビュー

北原真理(著者)

2022/04/20

時系列が1993年と2017年

交互になっていることに

途中まで気が付いてなくて

およよ　ってなりました

女性が裏社会にいたら

こうも　やられまくるんかい

というほど

二人とも若いのに

男関係の　暗い過去が一杯

コウの故郷で潜伏するものの

ユコの預かりものが

思わぬブツだし

全然平和に暮らせない

その中で

コウの漢気に惚れる

ユコちゃんも　母は強し

されど　子供が弱点だよなぁ

2021/01/17

日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を読んでみようと手に取った本。本作品は2017年受賞作。風俗店のセキュリィティＨＩＶ患者であるコウと風俗嬢ユコ、命を懸けて一緒に逃亡、潜伏する羽目に。女性を主人公としたハードボイルド、最後は偶然が過ぎる感もあるが息をつかせぬ展開は読み応えあり、傑作！　めったに出ない☆五つ！

2020/03/12

日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作。苛烈でしかし清々しいハードボイルドミステリ。
圧倒的な強さを持つコウと、美少女であるユコ。一見正反対だけれどともにまともな人生を歩めなかった二人が、事件に巻き込まれ逃亡しつつ共同生活を営むことに。その生活がなんとも危ういながらもひどく穏やかで、和まされます。取り立てて上質な生活ではないのだけれど、こういう当たり前の生活が決して誰にも無条件で与えられるものではないということを、認識しておくべきかもしれません。何気ない日常を送れるだけで充分に幸せなのだということを。
そんな生活がずっと続いてほしい気がしながら、やはり物語は容赦がなく。後半の鬼気迫る展開には目が離せませんでした。彼女たちが巻き込まれた事件の真相もまた悪辣だけれど。その分味方となる人も多かったので、とことん救いようのない物語にならずに済んだのにはほっとしたのでした。だけどコウの戦いはまだ終わらないのでしょうか。

2018/06/02

冒頭からのリズム感は良かったですが、中盤でもう少し山が欲しかったかな。伏線回収はしっかりしてましたが、ユコのラストは、理解出来なくはないけど、ちょっと残念。

2018/04/18

冒頭から暗い話だなと予想がついたが、それだけじゃなく物悲しくて切ない話だった。そこまで落とさなくても良いのではと思いながら読んでいたが、しっかり光も提示しているので読後感は悪くはなかった。ミステリーとしてもほぼほぼ上手く展開されていたが、最後の部分は辻褄としてあっているのだが他にやりようもあったのではないかとも感じた。初めて読む作家さんだったが次回作も読みたいと思わせてくれた。

2018/03/27

かなりハードな内容だった。アクションも凄いがエグい描写も多く、著者紹介を見ると『主婦』とあり、思わず唸ってしまった。
著者名から女性なんだろうなとは思っていたし、なんとなく文章も女性っぽい感じはあったが、それでもこれを主婦が描いたのかと思うと、あまりのイメージのギャップに驚かざるを得ない。

アンダーグラウンドで生きるコウとユコ。シンプという裏の世界の顔役の男の元カノと今カノという立場もあり、敬遠し合っていた関係だったが、ある事件からコウはユコを連れて逃げることになった。
名前を変え、見た目も変え、表の世界で生きようとする２人に魔の手が伸びてきて・・・。

この物語には、反吐が出るような卑劣な男たち、また、エグい描写に目を背けたくなるようなシーンもたくさんあるが、一方で、エイズやＤＶに関して考えさせられることもたくさんあった。
世の中から１人でも多く、虐待を受ける子どもや、女性が減ることを願ってやまない。

2018/03/12

歌舞伎町の風俗店でセキュリティの仕事をするコウ。ある仕事で殺し屋たちに追われて、仕事で繋がりのある美少女ユコと逃亡、昔住んでいた団地に潜伏し普通の生活を望もうとするが、魔の手はやって来る…。日本ミステリー文学大賞新人賞受賞とのことです。最初から派手にやるなあ〜と思っていたら、途中から穏やかになり。一気に読めたが、どうもリズムとドギツさが鼻につく。人を守る強さがあったが、コウの自分自身の決着も最後まで見たかったな。