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真説 孫子
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2018/02/07 |
JAN | 9784120050473 |
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多くの人が『孫子』を「戦略の教科書」として読んでいる。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」のような格言集として、あるいはビジネス戦略に応用できる実用書として。しかし、デレク・ユエンの『Deciphering Sun Tzu』は、私たちを全く異なる読解の冒険へと誘う。 例えばこん...
多くの人が『孫子』を「戦略の教科書」として読んでいる。「敵を知り己を知れば百戦危うからず」のような格言集として、あるいはビジネス戦略に応用できる実用書として。しかし、デレク・ユエンの『Deciphering Sun Tzu』は、私たちを全く異なる読解の冒険へと誘う。 例えばこんな場面を想像してみてほしい。碁盤の前に座った棋士が、一手も打たないまま盤面を見つめている。彼は「次の一手」を考えているのではない。盤面全体から立ち上がる「勢い」を感じ取ろうとしているのだ。これこそが、ユエンが『孫子』の中核に見出した東洋的な思考法だという。 ユエンによれば、『孫子』を「敵に勝つための技術書」として読むのは、まるで禅の公案を論理パズルとして解こうとするようなものだ。むしろ重要なのは、その背後にある「見方」や「考え方」の本質を掴むことなのである。 たとえば「勢」という概念。西洋的な思考では「力」や「優位性」と訳されがちだが、ユエンはこれを「状況の中に潜む可能性の総体」として解釈する。それは川の流れのようなものだ。個々の水滴の動きを予測することは不可能でも、流れ全体の方向性は把握できる。優れた将軍は、この「流れ」を読み取り、それに乗ることを知っているという。 彼の解釈で特に興味深いのは「無形」の概念だ。形あるものは固定的で、それゆえに脆い。例えば、どんなに強固な城壁も、時間とともに必ず崩れる。しかし「形なきもの」―例えば水のような柔軟性―は、あらゆる状況に適応できる。これは道家思想の核心的な洞察であり、『孫子』の戦略思想の根底にあるという。 「知」の概念についても、ユエンは斬新な解釈を示す。西洋的な「知」が「対象を分析し、法則を抽出する」というプロセスを経るのに対し、『孫子』の説く「知」は、熟練した運転手が道路状況に瞬時に対応するような、直接的な応答能力に近い。それは頭の中で考えて行動するのではなく、状況と一体となって動くような在り方なのだ。 面白いことに、このような東洋的な思考法は、現代の科学的知見とも呼応する。例えば複雑系理論。蟻の群れは「指揮者」がいないにもかかわらず、見事な秩序を形成する。これは『孫子』が説く「勢に順う」という考え方と驚くほど似ている。また、最新の認知科学が提唱する「身体化された認知」の考え方も、『孫子』の「知」の概念と深い親和性を持つという。 ユエンの解釈に従えば、『孫子』を読むとは、世界の見方を根本から変えることに等しい。それは、物事を「操作・制御すべき対象」としてではなく、「共に流れ、応答すべき場」として見る視点の獲得なのだ。 例えば彼は、こんな比喩を用いる。西洋的な戦略家は、相手の動きを予測し、最適な対応を計算しようとする。それはチェスのプレイヤーが、数手先までを読もうとするようなものだ。一方、『孫子』的な思考では、むしろ状況全体の「流れ」を感じ取り、その流れに身を任せることを重視する。それは、激流の中の熟練したカヌーイストのように、水の流れを読み、それに応じて自然に身体を動かすような在り方なのだ。 このような解釈は、『孫子』を単なる「勝利の技術書」から、より深い「存在の技法」へと変容させる。それは勝敗を超えて、状況との より豊かな関係性を築く方法を示唆しているのだ。 ユエンの仕事は、東洋思想の深層に潜む知恵を、現代の私たちにも理解可能な形で取り出そうとする、意欲的な試みなのである。それは「勝つための戦略」を超えて、「在り方」そのものの変容を促す、深い示唆に富んだ探究なのだ。
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孫子の背景にある思想や文化的なものを知った上で孫子を改めて読み解こうという試み。西洋と東洋のものの考え方の違いを指摘していて、そこは中国人だから書けたんだと思う。 孫子の背景にある思想というのはタオイズムなのだが、『道徳経』が先か孫子兵法が先かって議論は面白い。 孫子と道徳経を丁...
孫子の背景にある思想や文化的なものを知った上で孫子を改めて読み解こうという試み。西洋と東洋のものの考え方の違いを指摘していて、そこは中国人だから書けたんだと思う。 孫子の背景にある思想というのはタオイズムなのだが、『道徳経』が先か孫子兵法が先かって議論は面白い。 孫子と道徳経を丁寧に読み比べてみたいのと、西洋の主な戦略の古典は目を通さなきゃと思った。
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英語圏と中国圏の解釈の相違と継承の経緯を分析し東洋思想の系譜から陰陽論との相互関連を検証、中国戦略思想の形成と発展を解読
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