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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 解放出版社 |
| 発売年月日 | 2018/02/11 |
| JAN | 9784759267792 |

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商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
【225冊目】彫刻家の金城実さんと、龍谷大学教授の松島泰勝さんによる対談形式の本。どちらも、現在の沖縄県(と奄美諸島)に当たるエリアを琉球国として独立させたいと考えておられ、そのための論点を様々示して討論した形の本。 両筆者共通の認識として、琉球王国は1879年の琉球処分までは独立国家であり、現在の沖縄県は日本政府によって植民地化された状態なのであるという認識を持つべきであるということ。「植民地」なのであれば、現代国際法から導出される自然な帰結として「独立」が導かれるだろうというお話でした。そうすれば、米軍基地も無くなる、と。 他方、両筆者で意見が食い違う論点も複数ありました。1つは、天皇制についての議論。金城さんは「天皇制」は日本という国家権力の象徴として唾棄すべきとしながらも、実在する今上天皇個人については寛容な立場をとっている。一方で、松島さんは、天皇制と天皇は切り離せないでしょ?という立場。 あとは、琉球独立運動の主体を誰とするのかという点。それはウチナンチュだという松島さんに対して、金城さんは、それでは新たな排外主義に成り下がってしまうとして、運動は内地の人たちと連帯して行わなければならないとする。松島さんも、独立運動では内地だけでなく、世界の人々との連帯が必要だと強調する。 この独立運動の主体を誰にすべきかというのは、松島さんの反論によって両者の対立がの克服できているように見えるけど、たぶんそうじゃない。では、新生「琉球自治共和国連邦」の国民は誰がなるのか?沖縄に住んでいるナイチャーは?逆に内地に住んでいるウチナンチューは、万が一独立が達成されたときにどうすればいいの?という点についての言及があっても良かったかなと思いましたし、金城さんと松島さんの意見の対立はこの点を深掘りしていけば、さらに露わになった気がします。 かつて、琉球処分以前に琉球が独立国であったとされた時代には、たとえば宮古島の人々が人頭税という重税を課されていたということもありました。琉球独立論に対する反論の1つとして、単なる「復国」はかつての差別の復活なのではないかという指摘があります。本書の中で直接には触れられていませんが、松島さんは、新たな琉球国は各島々からなる連邦制とするという構想を立てておられ、それはそれで1つの反論かなぁとぼくは思いました。 松島さんはパラオやグアムでの経験を踏まえ、国連の脱植民地化特別委員会の支援を受けながら独立するという、かなり具体的な手続きまで視野に入れておられます(本書p258)。個人的には、松島さんは国連の手続きや制度を過度に重視しておられて、その実態(各国が自権益を主張する場という側面)をあまり御覧になっていないような気がしますが…… あと、(1)独立した後に経済的に自立していけるのか(2)中国に対する安全保障をどうするのか、というのは現実的に大きな論点になるような気がするのですが、本書の中では簡単にしか触れられていません。 (1)については、むしろ現在の基地を押し付け、かつ、振興予算漬けとも言うべき状態により貧困が生み出されているのだから、独立すればこうした貧困は解決されるという、なんともアバウトな議論を展開されています。 また、(2)については、かつての琉球王国は交易を通じて中国と友好な関係を築いていたのだから、独立した後も大丈夫などというこれまた呑気でアバウトな議論を展開しています。琉球王国時代は、中国がアジアに広く冊封体制を敷いていましたが、現在は西欧が導入した主権国家体制がアジアにまで根付いており、状況が全然違います。松島さんは、かつてのように、琉球国の長が中国の外交使節に三跪九叩頭の礼をしろとでも言うつもりなのでしょうか?また、中国は武力をもって琉球を襲ってこないと何故言えるのでしょうか?南シナ海で起こっていることを引用するまでもなく、今から20年以上前に第三次台湾海峡危機という現実の軍事的危機が沖縄の目と鼻の先で発生しています。 ということで、予想よりもかなり具体的な構想となっているなという印象は受けましたが、今のままでは琉球独立に不安や疑問を持っている人を説得するには至らないという感想を持ちました。
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