成田亨画集 復刻版 BOX 2冊セット

成田亨(著者)

• 内容紹介: //付属品～外箱付
• 販売会社／発売会社: 復刊ドットコム
• 発売年月日: 2018/01/24
• JAN: 9784835455501

商品レビュー

2021/04/24

今年夏の公開が予定されている庵野秀明のシン・ウルトラマンの予告篇で湖の畔にぬうっと立つウルトラマンの胸にカラータイマーが無いのは成田亨のオリジナルデザインを再現したから、と聞きました。無性にそのデザインを見たくなって成田亨画集「ウルトラ怪獣デザイン編」を開きました。ウルトラマンになる前のウルトラマンの変遷を見るにつけウルトラ怪獣たちの対偶である光の星の人がかの姿であることの必然性と独創性に改めての衝撃を受けました。ウルトラQから掘り起こされ続け、我々、当時の子供たちの心の奥の洞窟に棲んでいた怪獣の前に突然出現した赤と銀の流線形の異形は、そうでなければならないデザインとして、まさに突然に出現したのです。その秘密は…本書によせた成田の言葉を抜き書きします。「怪獣は人類の文明の発生と同時に生まれています。アルタミラでは祈りであり、メソポタミアの人頭有翼牛身ラマツスは神であり、エジプトの鷲頭人身ホメスは王の象徴です。どちらも人をまとめる為のコスモス（秩序）のキャノン（典型像）と考えられます。ギリシャになると怪獣はカオス（混沌）の典型として数多く現れます。つまり怪獣は２種類の典型として現れるのですが、モーゼの十戒の第２、偶像打破の教え以来、怪獣は出現することがなくなり、妖怪が現れます。インドのラーヤ・マヤ、中国の龍、麒麟、鳳凰…等もいずれも典型と考えられます。そこで私は怪獣をカオスの典型として捉えることにしました。ウルトラマンは当然コスモスの典型でなければいけません。コスモスの典型と云えばフィディアスのアテネ像が代表で、単純な造型とアルカイック・スマイル（古式微笑）がその特徴です。宇宙時代のコスモスは単純でなければなりません。また宇宙時代のカオスの典型は、あくまで怪獣であって妖怪にしてはいけません。それらの怪獣を生み出していく原動力は、抽象性しかないと考えました。」なんというクリエーション！なんというコンセプト！なんというアート！嗚呼、1966年、ウルトラマンが地球にやってきた日から、ずっと我が心の中にカオスとコスモスがセットで棲み続けているのです。

2020/07/28

ただただ美しくて目眩がする。
中でも子供の頃怪獣図鑑で見て特になんとも思わなかったテレスドンとケムール人のかっこよさに痺れた。
解説がかなり充実していて、その中で宇宙人のデザイン哲学についても成田さん自身の言葉で語られている。「地球人にとっては悪でも、彼の星では勇者であり正義なのだから、『不思議な格好よさ』がなければいけない。」
圧倒的説得力。