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蓮の数式 中公文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2018/01/23 |
JAN | 9784122065154 |
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蓮の数式
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商品レビュー
3.7
30件のお客様レビュー
夫と義母からのモラハラに耐え続ける千穂。その生活から透をきっかけにして生きるために逃げる。 ディスカリキュリア(算数障害)の透との刹那的な生活に希望を抱く千穂。でもその生活が続かない事は千穂がよく分かっている。そんな生活に希望を見ないといけない千穂の心情が破滅的だ。 出てくる...
夫と義母からのモラハラに耐え続ける千穂。その生活から透をきっかけにして生きるために逃げる。 ディスカリキュリア(算数障害)の透との刹那的な生活に希望を抱く千穂。でもその生活が続かない事は千穂がよく分かっている。そんな生活に希望を見ないといけない千穂の心情が破滅的だ。 出てくる人がみんな幸せではない重い内容だった
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※このレビューにはネタバレを含みます
凄い作品だった。 人間の厭らしい所と素晴らしい所が随所に散らばっていて考えさせられる事がいっぱいあった。 ストーリー背景は何故か昭和をイメージしてしまう。携帯電話とかネットとか出てくるのにも関わらず登場する人物達が何故かその雰囲気を醸しだしている。 ミステリーというよりは官能的であり文学的だと感じた。 「コンプレックス」がテーマになるだろうか? 各々のコンプレックスが積み上げられ、過去が継続して現在に至り、苦しみの中で更に苦しみを重ねる。 勿論希望もある。しかし希望に希望を重ねる事はしない、それをしてはいけないという抑止力がそうさせる。 弱さが顕著には出せず、理解の薄い人間関係の中で飲み込むしかないようにその弱さを溜める。そして苦しむ弱い者達が更に弱い者を苦しめる。なめあおうとしない。 究極の人間らしさなのかもしれないと感じた。 最後は投げかけられるような、問いかけられるかのような終焉。 まるで自分に言われているみたいな感覚を覚えた。
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何度もため息をついて本を閉じた。 12年前の殺人事件の真相や高山透の正体のミステリーの謎解きはもちろん、二人の逃亡生活の顛末が気になって先を読み進めたいとはやる気持ちもあるのに。 僅かな自分の大切なものを守るために躊躇も罪悪感も後悔も無く人殺しを重ねる透の心の壊れっぷりが凄まじく...
何度もため息をついて本を閉じた。 12年前の殺人事件の真相や高山透の正体のミステリーの謎解きはもちろん、二人の逃亡生活の顛末が気になって先を読み進めたいとはやる気持ちもあるのに。 僅かな自分の大切なものを守るために躊躇も罪悪感も後悔も無く人殺しを重ねる透の心の壊れっぷりが凄まじくて、あまりに不幸な生い立ちに同情しても真っ直ぐに感情移入が出来きず、逃亡劇が順調でもモヤモヤするし悲惨な結末に突き進んでいっても悶々とする。 一筋の希望の光が差す結末ということなのか。この悲痛な物語を読んだ後には直ぐには素直にそうは受け止められない。
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