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平成デモクラシー史 ちくま新書1299

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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2018/01/09 |
JAN | 9784480071194 |
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平成デモクラシー史
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平成は、1989年1月8日に始まり、2019年4月30日の平成天皇の生前退位により終わる約30年間の時代を指す。実は、この間に政治の世界では大きな変化が起こっている。その変化は、一つはシステム・制度の変化であり、もう一つは、その変化したシステム・制度の変化をうまく利用できた政権と...
平成は、1989年1月8日に始まり、2019年4月30日の平成天皇の生前退位により終わる約30年間の時代を指す。実は、この間に政治の世界では大きな変化が起こっている。その変化は、一つはシステム・制度の変化であり、もう一つは、その変化したシステム・制度の変化をうまく利用できた政権と全くうまく利用できなかった政権が生じたことによる、現実世界の実態的な変化である。 前者の制度的変化は、「小選挙区制の導入」「政党助成金制度の導入」「政治主導」「首相官邸の機能強化」「中央省庁再編」といったものがあげられる。 小選挙区制の導入により、選挙結果が大勝・大敗に大きく振れるようになり、二大政党制・政権交代が起こりやすくなるとされ、実際に、自民党→民主党、更には、民主党→自民党という2回の政権交代が起きた。しかし、二大政党制が定着したかと言えば、現在の政治状況を見ても分かる通り、現在の野党の側が集合離散を繰り返し、現在の状況は、安定的な二大政党制は実現できているとは言えないであろう。 小選挙区制の実施は、政治に金がかかり過ぎることの対策の一つでもあった訳であるが、その流れで、政党助成金制度は導入された。政党を運営する費用に税金の補助を導入することにより、リクルート事件の時のような、ダーティー・マネーが政治の世界に入りにくくしたのである。そして、この制度は、自民党においては、派閥の力を弱め、党中央、党総裁(=総理大臣)の力を強化する機能を持つこととなった。 また、実際の政治を動かしているのは官僚であり、その弊害は大きなものがあるという反省から行われたのが、「政治主導」「官邸機能の強化」「中央省庁の再編」である。高度成長時代には、それなりに機能していた、族議員・産官政による国家予算配分が、高度成長の終焉により機能できなくなる一方で、各省庁間の壁は厚く、部分最適を超えた全体最適的な国家戦略が取れないという反省から、政治主導による政策立案・予算配分、特に官邸主導でそれが行われやすい仕組みがつくられた。 このような仕組みが出来上がったが、しかし、この仕組みを上手に活用できた政権と出来なかった政権で大きく明暗が分かれている。 上手く活用した典型例は、小泉政権であろう。小泉元首相の個人的な人気に負うところが大きいのであるが、自民党・各省庁に対して、官邸(というか、小泉元首相個人)主導で、選挙で結果を出し、やりたい政策(例えば郵政民営化)を実現するという循環をつくりあげた手腕は、今振り返っても、見事なものがあった。また、第二次安倍政権も、安倍元首相の個人的な人気をベースに、選挙での勝利を積み重ねることにより、「安倍一強」と呼ばれる状況を作り出し、長期政権を実現した(しかし、必ずしも安倍元首相のやりたい政策は実現したわけではない。例えば、安保法制の解釈変更、憲法改正等を目指したが、実現はかなわなかった。おそらく、目指したことのハードルが高すぎたのであろう)。 逆に、この仕組みを上手に活用できなかった政権は、第一次安倍政権・福田政権・麻生政権であった。そして、更に下手だったのが、民主党政権であった。民主党政権も、「政治主導」を目指して政権運営を始めたが、それは「官僚排除」「官僚軽視(あるいは蔑視)」の政治であり、自民党政権のような「政治主導」ではあるが、「官僚活用(あるいは統制)」とは、全くスタンスが異なっていた。政権運営の経験のない閣僚たちが、官僚の協力を得ずして政治を上手くまわすことが出来るはずがなく、首相に就いた鳩山・菅元首相のリーダーシップ資質への疑問符と相まって、折角の政権交代は短期間で幕を閉じてしまった。 というような、一つは平成年間の、政治に関するシステム・制度の変化と、もう一つは、それを背景とした政治ドラマを描いたのが本書であり、かなりの読み応えがある。結局は、①システム・制度を上手に活用することができ②個人的な人気を背景に選挙に勝つことができる首相が、長期政権を築くことが出来る、というのが、私が本書から読み取ったことである。 選挙という意味では、安倍元首相時代の「自民党一強」と呼ばれた国会での議席数を、菅・岸田首相時代に少しずつ食い潰し、石破首相になってから、貯金を使い果たした状態と言えるであろう。それでも何とか自民党政権が続いているのは、少数野党が並列し、かつ、今回の国民民主・維新・立憲民主が示したように、野党側が、 政府の予算案に対する対処方法すら統一できない状況にあるところが大きいと思う。 参議院選挙を考えると、石破首相下の自民党は選挙に勝つのが難しいのではないかと思う。しかし一方で、野党が政策においてすら協力することも考えにくいという状態が続くのではないか、と予想する。
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小泉政権を挟むものの旧態依然のシステムに頼り、徐々に瓦解していく自民党政権▶政権奪取したものの、理想に走り実を伴わず内部闘争に明け暮れた民主党政権▶二度と政権を譲らない覚悟で清濁併せ呑む安倍政権 大まかに言うとこういう流れがよく分かります。 つくづく思うのは小選挙区制である以上...
小泉政権を挟むものの旧態依然のシステムに頼り、徐々に瓦解していく自民党政権▶政権奪取したものの、理想に走り実を伴わず内部闘争に明け暮れた民主党政権▶二度と政権を譲らない覚悟で清濁併せ呑む安倍政権 大まかに言うとこういう流れがよく分かります。 つくづく思うのは小選挙区制である以上対抗できる野党が日本には必要だということでした。
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英国流の議院内閣制からいえばインフォーマル?な、この本で言うところの政党・官僚内閣制から、議院内閣制への一元化、政治主導の確立への道のりを平成デモクラシーとして描写する。
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