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ゲノムが語る人類全史
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ゲノムが語る人類全史

アダム・ラザフォード(著者), 垂水雄二(訳者), 篠田謙一

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ゲノムが語る人類全史

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2017/12/01
JAN 9784163907741

ゲノムが語る人類全史

¥770

商品レビュー

3.3

5件のお客様レビュー

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2019/01/02

遺伝子から分かるいくつかのトピックスについての本。 もちろん、この手の本では定番になっているネアンデルタール人やデニソワ人との交配についても書かれている。 王族の遺伝子の話など、話題がヨーロッパに偏っているところは背景の理解が薄い日本人が読むにはつらいところだ。ただ、ヨーロッパ...

遺伝子から分かるいくつかのトピックスについての本。 もちろん、この手の本では定番になっているネアンデルタール人やデニソワ人との交配についても書かれている。 王族の遺伝子の話など、話題がヨーロッパに偏っているところは背景の理解が薄い日本人が読むにはつらいところだ。ただ、ヨーロッパには家系図の記録が豊富だという意味でアドバンテージがある。ハプスブルク家などで幼くして死んでしまう子供が多かったという事実は、ハプスブルク家がどれくらい重要な家系であったかよく理解していないながらも、遺伝的な問題がヨーロッパの歴史に影響を与えたということを教えてくれる。 また同じくヨーロッパの歴史的な部分での知識を欠くところでもあるが、最初の植民よりほぼ外部との交流がない四十万人程度の少数の国民という特殊な環境におけるアイスランド人の遺伝的特性の説明は歴史的背景が分からなくても面白い。 こういった遺伝の話をするときに、離れがたく課題になる人種や優生学の問題について、著者は人種というものはないという立場を取る。その意味では、一部で悪名が高いニコラス・ウェイドの『人類のやっかいな遺産』についても明確に反論をしているが、科学的な装いを取ることができるために同時にやっかいな問題である。これに対して、ルウォンティンの人種間の差異は人種内の差異よりも小さいという説を引いているが、これは『交雑する人類』でデイビッド・ライクが、個人のDNAを検査すれば明らかにどの人種のカテゴリーに入るのかをほぼ確実に当てることができることから、逆に科学的事実の解釈を我田引水する例として批判する。これらは微妙な話であるが、著者の姿勢もまた人種の話から逃げているように思われる。 遺伝子の話としてヒトの遺伝子数がまだわからなかったころに科学者の中で行われた数当ての賭けの話が紹介されている。結果、解読された遺伝子の数が想定していたよりもずいぶんと少なく(二万超)、これはカイチュウやバナナ、ミジンコよりも少ないことが大きな驚きをもって迎えられた。また、ゲノムのほとんどが遺伝子ではなく、「ジャンクDNA」だったことも同じく驚きであった。このジャンクDNAの領域がどのような影響を与えるのかについても新しい課題である。 最後に犯罪と遺伝子の関係が語られる。こちらも氏か育ちかや優生学の議論につながり、ナイーブな議論である。第二次世界大戦のオランダの飢餓状態のときに生まれた子供に関するエピジェネティックスの話も定番になりつつある。 広く遺伝子に関わる話が語られたが、『人類全史』と名付けるには少し包括さが不足している。ちなみに原題は”A Brief History of Everyone Who Ever Lived: The Stories in Our Gene”である。

Posted by ブクログ

2018/04/09

DNA古人類学の最新の知見には驚いた。 ヒトの肌・髪・目の色の決定遺伝子は11個であり、それを調べるとヨーロッパでの白い肌は7700年前には確認されているという。 ということはヨーロッパには黒い肌のヒトが5万年前に進出し、その後1万年前までには白人化がなされたということか。 今後...

DNA古人類学の最新の知見には驚いた。 ヒトの肌・髪・目の色の決定遺伝子は11個であり、それを調べるとヨーロッパでの白い肌は7700年前には確認されているという。 ということはヨーロッパには黒い肌のヒトが5万年前に進出し、その後1万年前までには白人化がなされたということか。 今後化石資料の研究が増えるとともに白人化がどこでいつ頃進んだのかも判明するかと思うと興奮さえ覚えた。 現代の白人至上主義者にぜひ教えてあげたい知識である。 しかし、本書はまだまだ資料が少ないせいか、歯切れの悪い文章で読みにくい。翻訳書のせいかもしれない。さらなる研究結果を読みたくなる本である。 2018年4月9日読了。

Posted by ブクログ

2018/03/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ネアンデルタール人との交配やらアイスランドの遺伝情報事情やら優生学やらジャンクDNAやら既知ネタばかりで外したかな…と思ったが、アイスランドの「近親相姦アラーム」が鳴るスマホアプリとか、お国事情が伺えて面白い。 更にビックリは、女性歴史家が立ち上げた「リチャード3世協会」の肝煎りで、リチャード3世の遺骨を探すための一発掘プロジェクトが発動し、レスター大学考古学部を交えての発掘作業が始まり、グレイフライアーズ修道院跡地と特定されたイングランド中部レスターの駐車場で本当に発見されたこと!2012年9月のことだそうな。 ちなみに英大衆紙サンによると、リチャード3世の遺骨が再埋葬された後、レスター・シティFCなる地元サッカーチームの勝率は63%とそれ以前よりほぼ倍増しており、リチャード3世効果が数字の上でもはっきりしているとかw。 しかし「遺伝的痕跡」ってさあ、要は侵略者が土地の女に子を産ませた、ってことよね〜。 あと、筆者がイギリス人なんで全体的にヨーロッパ寄りの話になってるのを補うように「日本の古代ゲノム解析について」の解説がついてるのが親切…というべきところなんだろうな。

Posted by ブクログ

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