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英傑 西郷隆盛アンソロジー 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/12/25 |
JAN | 9784101263625 |
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英傑 西郷隆盛アンソロジー
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英傑 西郷隆盛アンソロジー
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商品レビュー
2.8
5件のお客様レビュー
「西郷隆盛」に関する時代小説のアンソロジー作品『英傑:西郷隆盛アンソロジー』を読みました。 時代小説は、今年の4月に読んだ「宮部みゆき」の『桜ほうさら』以来ですね。 -----story------------- 青年期から西南戦争、没後の伝説まで、幾多の謎に包まれた偉人の生...
「西郷隆盛」に関する時代小説のアンソロジー作品『英傑:西郷隆盛アンソロジー』を読みました。 時代小説は、今年の4月に読んだ「宮部みゆき」の『桜ほうさら』以来ですね。 -----story------------- 青年期から西南戦争、没後の伝説まで、幾多の謎に包まれた偉人の生涯を旅する傑作6編。 時代を越え愛される維新最大の功労者「西郷隆盛」─。 「西郷」と入水した「月照」の死の真相(『悲恋 犬神娘』)。 熊本城で官軍を勝利に導いた司令官夫人の活躍(『谷干城夫人』)。 西南戦争の天王山・田原坂(『田原坂合戦』)。 西郷の副将「桐野」の熱き忠誠(『賊将』)。 薩摩軍が発行した軍票秘話(『西郷札』)。 「西郷」は生きていた?!「 芥川」の意外な逸品(『西郷隆盛』)。 謎多き偉人、その知られざる生涯を旅する傑作集。 ----------------------- 「西郷隆盛」に関する、以下の6篇が収録されています… 「松本清張」の『西郷札』だけが既読作品、他の作品は初めて読みました。 ■国枝史郎/悲恋 犬神娘 ■吉川英治/谷干城(たにたてき)夫人 ■菊池寛/田原坂合戦 ■池波正太郎/賊将 ■松本清張/西郷札 ■芥川龍之介/西郷隆盛 ■解説 末國善己 やはり、イチバン面白かったのは「松本清張」の『西郷札』ですね… 「松本清張」のデビュー作らしいですが、既に完成度の高い傑作サスペンスに仕上がっていると思います、、、 かつて薩軍が発行し、薩軍が負けたら価値のなくなった西郷札… 西南戦争後、西郷札を押し付けられた人たちは補填をもとめたが政府は取り合わなかった という史実をもとに、政府が西郷札の被害者のために買取を決めたというインサイダー情報を掴んだ男が、九州で西郷札の買い占めに走るというフィクションを重ね合わせ、意外なラストや人の心に潜む情念を巧く描いた名作です。 一攫千金の夢を賭けた青年が、義妹への淡い恋心を抱いていることに気付いた義妹の夫の罠を仕掛けられ、陥れられる展開は、なんとも切ないですね。 次に印象的だったのは「池波正太郎」の『賊将』ですね… 薩摩出身で、幕末は人斬りと恐れられ、維新後は陸軍少尉となった武闘派の「桐野利秋(中村半次郎)」を描いた物語、、、 下野して鹿児島に帰ったものの、武装蜂起には慎重だった「西郷隆盛」を西南戦争へ引き込んだ悪役として描かれることが多い人物のようですが、本作品での「桐野利秋」は、自分の無学を笑いに変えるさっぱりした性格と、出世したら贅沢な衣装を着て、フランスの香水をふりかけるようなダンディズムを持ち、女性にモテる男として再評価された感じ。 「西郷隆盛」に絶対の忠誠を誓い、劣勢になっても陽気に振る舞い、最期は武士らしく散っていくという魅了される人物として描かれています… 「桐野利秋」のこと、もっと知りたくなりましたね。 あとは「吉川英治」の『谷干城夫人』かな… 西南戦争で薩軍は熊本城を重点拠点として攻略を目指しますが、その際の熊本鎮台の司令長官「谷干城」の妻「玖満子」の活躍を描いた物語、、、 「谷干城」は熊本城への籠城を決め、4,000名の兵で薩軍の14,000名を迎え撃った… 「谷」は、52日間を耐え抜き、ついに薩軍を城内へ侵入させなかった。 この籠城戦では、「谷」の妻「玖満子」ら将兵の妻子も熊本城に留まり、負傷兵の看護や食料の調達などを行っており、この知られざる逸話を題材にしています… いとも簡単に人が死んでいく戦争と、妊娠中だった「与倉中佐」の妻が籠城中という極限状態の中で新しい命を生むエピソードを対比させることで、命の尊さや家族が一体となって国を護り抜くことの大切さが描かれています、、、 第二次世界大戦中に出版された作品なので、そのあたりの時代背景も影響した作品なんでしょうね。 久しぶりの時代小説… 短篇集だったので、軽く読めて愉しめました。
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国枝史郎『悲恋 犬神娘』 吉川英治『谷干城夫人』 菊池寛『田原坂合戦』 池波正太郎『賊将』 松本清張『西郷札』 芥川龍之介『西郷隆盛』。 国枝と菊池が割と読みにくかった。菊池は割と淡々と出来事を書き連ねているからいつもより読みにくいのか。松本清張はこれがデビュー作だったとは…ラストは評価が割れそうだな、と思った。
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西郷隆盛アンソロジーとあるが、西郷自身が登場するのは6作にうち「賊将」のみ。「谷干城夫人」良妻のあり方は戦時中の古いもので、現在では考えられない。「西郷隆盛」史伝は政治的脚色が加わり、時代が進めば書き変わるもの。教科書にても然り。2021.1.17
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