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お母さんの生まれた国
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お母さんの生まれた国

茂木ちあき(著者), 君野可代子

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お母さんの生まれた国

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 新日本出版社
発売年月日 2017/12/01
JAN 9784406061858

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2024/08/26

ほどなくして、トンレサップ川に人の死体が流れるようになりました。 当時は、人が亡くなると、遺体を水に流して弔うことがありました。でも、その場合は、亡くなった人にきれいな衣装を着せて、花を飾ったりします。  そうした遺体とは明らかに違う、傷だらけで、血のりのついた、胸が痛むような遺...

ほどなくして、トンレサップ川に人の死体が流れるようになりました。 当時は、人が亡くなると、遺体を水に流して弔うことがありました。でも、その場合は、亡くなった人にきれいな衣装を着せて、花を飾ったりします。  そうした遺体とは明らかに違う、傷だらけで、血のりのついた、胸が痛むような遺体でした。暴行を受けたような遺体です。(p.39) そのころ、「イモ畑」や「大学」といえば、殺されることを意味していたのです。「イモ畑」は、大きな穴を掘って死体を投げ捨てる場所、広い教室がある高校は、刑務所や強制収容所になっていました。(p.44) 「カンボジアは日本よりずっと貧しい国です。都市と農村の、貧富の差も激しいです。でも、もっと貧しくて、陸に家を持つことができない人たちが、ここで水上生活をしています。魚や浮草をとって食べ、その日暮らしをしているんです。ベトナムからの移民が多いと聞いています。」(p.92) 名前と年齢を聞かれたので、ぶっきらぼうに答えると、その人たちは、わたしを抱きかかえて車に乗せました。そして、しばらく走ると、宿舎のようなところに連れていきました。  それから、女性のスタッフが来て、わたしの体を洗い、衣服を着替えさせて、温かいスープをくれたのです。  乱暴なそぶりはありませんでしたが、わたしはその人たちのことを、まだ信用できませんでした。ですから、このスープには毒が入っているのだろう、と思いました。そうして殺されるのだと。(p.106) 国をだめにするのは、お金持ちでも貧しい人でもなく、人を信じられない人間たちのいやしい心ではないのか。人をさげすんだり、疑う気持ちがどんどん膨らんでいったとき、差別や争いが生まれるのではないか。(p.156)

Posted by ブクログ

2018/07/20

未来(みく)のお母さんは、カンボジアの人。夏休みに、お母さんの生まれたカンボジアへ旅行に行くことになりました。カンボジアでは40年ほど前に内戦があり、兄以外の家族をなくしたお母さんは、難民として日本にきたのでした。これまで、お母さんから故郷の話を何も聞いたことがなかった未来は、現...

未来(みく)のお母さんは、カンボジアの人。夏休みに、お母さんの生まれたカンボジアへ旅行に行くことになりました。カンボジアでは40年ほど前に内戦があり、兄以外の家族をなくしたお母さんは、難民として日本にきたのでした。これまで、お母さんから故郷の話を何も聞いたことがなかった未来は、現地での話におどろくことばかりでした。 内戦で家族を喪い、自分の国を離れることになった子どもたちが生きようと必死できたのは、自分たちを信じてくれた人がいたから…。未来(みく)は、出発前には気付けなかった、自分と同じ年ごろに悲しくつらい思いをしたお母さんたちの気持ちを知ることになります。

Posted by ブクログ

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