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妻たちの二・二六事件 新装版 中公文庫
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妻たちの二・二六事件 新装版 中公文庫

澤地久枝(著者)

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妻たちの二・二六事件 新装版 中公文庫

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 中央公論新社
発売年月日 2017/12/01
JAN 9784122064997

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妻たちの二・二六事件 新装版

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2026/02/26

二・二六事件の雪の朝から90年近く経とうとしている。 本書を読み終えた今、とても辛く言葉がでなかった。 たった288頁の文庫本の厚さ以上の「ずっしりとした重み」を感じずにはいられない。 教科書では数行の「青年将校達のクーデター未遂事件」。 教科書には記すことができない歴史の真実は...

二・二六事件の雪の朝から90年近く経とうとしている。 本書を読み終えた今、とても辛く言葉がでなかった。 たった288頁の文庫本の厚さ以上の「ずっしりとした重み」を感じずにはいられない。 教科書では数行の「青年将校達のクーデター未遂事件」。 教科書には記すことができない歴史の真実は、そんな数行で終わらせられる事件ではない! その数行の裏にある妻達のもう一つの二・二六事件、30年という「妻達の人生」が頁を捲る度に重みが増していく。 五一五事件、相沢事件に続く軍部の暴走。 一見、別々の事件に思えるが事件から50年、同著者の『雪はよごれていた』で法務官匂坂の極秘資料の発掘で闇に紛れて見えない黒い糸で繋がっていたのが明らかにされた。 特に心に残ったのが丹生中尉の妻、寸美奈子さんの静かで重い鎖に繋がれた人生だ。 彼が処刑前に「妻に贈る」と書かれた数多の遺詠に「死ぬる迄恋女房に惚れ候」と書いた夫の言葉を妻は忘れることが出来るだろうか。 それは死に直面した夫なりの精一杯の愛情だったのかもしれないが、残された彼女にとっては、再婚も人生を楽しむことを許されない、心に絡み付いた「愛という名の呪縛」のようで、もう少し自分の幸せを優先しても良いのでは?と感じたが彼女の心がそれを許さなかったのだろう。 そして事件後、彼女を待っていたのは官位も勲等も剥奪され「逆賊の妻」というレッテルと、軍部が仕組んだ暗黒裁判による真実の封殺だった。匂坂資料が暴いた通り、彼らの純粋な動機は権力抗争の泥にまみれ、捨てゴマのように都合よく利用され、そして切り捨てられた。寸美奈子さんはその不条理を一身に背負いながら、30年以上もの間、誰にも相談できず、世間の目を避け、ただ内省の中で生き抜いた。 国家の不条理と夫の昭和維新という理想に人生を奪われてしまった、余りにも悲しくて孤独な生き様に胸が締め付けられる。 突如、叛徒の妻となり、男達の身勝手で置き去りにされた14人の20代の未亡人達の苦労と悲しみは計り知れない。怨み辛みを向ける場所もなく妻達の二・二六事件は終わっていない。 ただ一つの救いは二・二六事件慰霊碑の建立とその碑には二十二士の名が刻まれている。汚名返上とまではいかないが彼女達の苦労が少しだけ報われたように感じた。 全国を渡り歩き、ようやく会ってからも「今さら何も語りたくない、そっとしておいて欲しい」それが彼女達の本音かもしれない。困難な取材を重ね検証し、妻達の切実な思いと国家が臭い物に蓋をしようとした真実を白日の下にさらした本書の成果は大きい。 歴史は一部の権力者によって如何様にも変えられてしまう。この二・二六事件のように。 現代の特定秘密保護法、森友問題の公文書改竄、最近の核武装問題、数に物をいわせる政治を見ていると、かつての軍部と重なりつつあるような危うさを感じざるを得ない。 歴史は繰り返すと言うが歴史から一体何を学んだのだろう…… 臭いものに蓋をさせないためにも本書のような真実と声なき声を伝える本が必要不可欠なのではないだろうか。 後世に残しておくべき一冊。

Posted by ブクログ

2024/04/12

当時の天皇派から見れば完全なクーデターまたはテロとして見られていて“悪“として扱われています。その妻の重責たるや想像に難く無いですね。

Posted by ブクログ

2023/02/21

「澤地久枝」のノンフィクション作品『妻たちの二・二六事件【新装版】』を読みました。 二月ですからね… 二・二六事件関連の作品を読みたくなったんですよね。 -----story------------- “至誠"に殉じた二・二六事件の若き将校たち。 彼らへの愛を秘めて...

「澤地久枝」のノンフィクション作品『妻たちの二・二六事件【新装版】』を読みました。 二月ですからね… 二・二六事件関連の作品を読みたくなったんですよね。 -----story------------- “至誠"に殉じた二・二六事件の若き将校たち。 彼らへの愛を秘めて激動の昭和を生きた妻たちの三十五年をたどる、感動のドキュメント。 〈解説〉「中田整一」 ----------------------- 昭和維新を目指し、二・二六事件を主導したとされて処刑された青年将校等の妻… 十余名の未亡人たちがどのような人生を歩んでいったのか?困難な取材を粘り強く重ね、足で歩いて検証したノンフィクション作品です。  ■一九七一年夏  ■雪の別れ  ■男たちの退場  ■燃えつきたひと  ■花嫁人形暗き陰翳  ■余燼の中で  ■秘められた喪章  ■母としての枷  ■西田はつ聴き書き  ■生けるものの紡ぎ車  ■辛酸に堪えられよ  ■過去への旅 現在への旅  ■あとがき  ■改めて思うこと――新装版に寄せて  ■解説 中田整一 事件から30年後の1971年(昭和46年)、遺された妻たち一人ひとりに丁寧に聞き取りをした記録です… あまりに短かった新婚生活、家族よりも大義を優先し、処刑の直前に慌ただしく家族に宛てた遺書を残していった夫、一審即決・非公開・弁護人なしの軍事裁判で裁かれ、戦死ではなく反逆者として処刑された夫の妻の烙印を押され、それでも生きなければならなかった未亡人の苦しみ等々、本書がなければ決して表には出ることはなかった人間模様、生き様を知ることができましたね、、、 そして、事件を起こした青年将校等は、全てを自分たちに都合良く解釈してしまうという純粋だが騙されやすい弱点を持っていて、情勢判断も甘かったことから、老将軍や軍幕僚の老獪さや打算には太刀打ちできなかったことにも改めて気付かされました… 軍上層部による責任を回避するための陰険姑息な謀略によりウヤムヤのうちに叛徒とされてしまった感じですね。 最も印象に残ったのは「香田清貞大尉」の妻「富美子」の半生ですね… 夫の処刑後、婚家と実家がぶつかりあい、実家は娘を引き取って再婚させようとするが、婚家は息子の嫁(孫の母)を手放すまいと実家に帰ることに絶対反対、、、 事態はすっかりこじれ、婚家に居辛くなったものの、婚家から除籍が認められず(当時は家長の承諾がないと籍を外せなかったようです)、子どもを残して「香田」姓のまま、実家に戻らざるを得ない状況に… 16年振りに子どもたちと再会した際は、娘から「なんでお母さんは私たちを捨てたのですか」と言われたとか。 うーん、辛い… 程度の差はあれ、それぞれが、叛徒の未亡人という重荷を背負った半生を過ごしているんですよね、、、 今さら語りたくない、そっとしておいてほしい… というのが、未亡人の方々の正直な気持ちだったと思いますが、丹念な取材により、その嘆き、痛み、憤りが伝わってきましたね。 心に残るノンフィクション作品でした。

Posted by ブクログ

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