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世界神話学入門 講談社現代新書
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2017/12/13 |
JAN | 9784062884570 |
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3.5
13件のお客様レビュー
#2024年に読んだ本 54冊目 #10月に読んだ本 1冊目 とても興味深い内容で面白いのだけど 扱っているものが幅広すぎて 初めて聴く単語も当たり前のように たくさん出てくるので なかなか読むのが大変というか わかりにくいところが多い… 写真とかイラストとか図説入りで わか...
#2024年に読んだ本 54冊目 #10月に読んだ本 1冊目 とても興味深い内容で面白いのだけど 扱っているものが幅広すぎて 初めて聴く単語も当たり前のように たくさん出てくるので なかなか読むのが大変というか わかりにくいところが多い… 写真とかイラストとか図説入りで わかりやすく整理した 新書形式でないような 同テーマを扱った本を出版していただきたい
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神話学という名の人種差別?? 後藤明『世界神話学入門』講談社現代新書. 2018. -比較神話学ほど怪しい学問はない・・・とは先日先輩とふとそんな話になったのだが、 2010年代以降Harvard大学のMichael Witzelが提唱している「世界神話学」なるものを...
神話学という名の人種差別?? 後藤明『世界神話学入門』講談社現代新書. 2018. -比較神話学ほど怪しい学問はない・・・とは先日先輩とふとそんな話になったのだが、 2010年代以降Harvard大学のMichael Witzelが提唱している「世界神話学」なるものを勉強しないといけないなあと思い最近彼の本を買ったものの、とにかく長くて読む気がしなかったのだが、今回日本語で簡単にその内容を紹介している本があったので早速手に取って読んでみた。(日本語で安価で手に入るのは本当にありがたい) 今までの神話学とは一線を画するところは、それは現代のDNA解析技術を用いて人類の移動の軌跡と、神話の様々な類型の分岐をたどるというものだ。 それによると世界の神話体系には、 ローラシア型:ヨーロッパ、アジア、エジプト、メソポタミア、日本、中国、アメリカ先住民 ゴンドワナ型:アフリカ、ドラヴィダ系南アジア、東南アジア、オセアニア、南アメリカ末端部 があるらしい。 ローラシア型の神話は、世界の無からの創造、最初の神、男女の神の誕生、天地の分離、大地の形成etc, ゴンドワナ型 そのような神話的思考が欠如している?世界は最初から存在する。 しかしなんとなくこのような類型は非常に恣意的なものに思われる。例えば、インド東南部のドラヴィダ集団の神話で、ゴンドワナ型として語られているものだが、 空にプークとその妻ユークが住んでいた。そのとき地上は水に覆われていた。エビとカニがそれを干拓しようとし、エビは触角を使って水に漂っているゴミや草や葉を集め、カニは深く穴を掘った。すると水が穴の中に流れ込み、その下から地面が現れた。エビはゴミの山を積み上げて山を造ったが、地面が柔らかすぎたので、太陽と月が熱で乾燥させた。プークとユークは天から見ていて大地が不毛で乾燥しているのを知った。プークは妻に言った。「緑のものはなにもない。木や草が生えるように水をやりなさい」。しかしユークは「どうやって地上に水をやるのか」と抗った。怒った彼女は腰巻きをめくりあげて陰部を露出した。すると彼女のその部分が太陽のように輝いて空を照らした。プークも怒ってパイプを水の筒の上に打ち付けると雷が起こった。すると雨が降って地上に草木が生えてきた。 無からの創造、とまではいかなくても、我々がインド神話でよく見る「原初の水」の神話にかなり似ている気がするし、無からの創造なんていうのもそれなりに時代を下らないと見られない。にかなり近いと思われる。ゴンドワナ型かローラシア型かという分類体系は非常に曖昧で研究者の要約の仕方や訳語の選択による、というのが正直な感想だ。 著者自身冒頭でも言っているように、神話学の殻を被った人種差別であるという批判もあるようだが、まさにその通りであると思われる。結局ヨーロッパや、ヨーロッパ人的に興味そそるアジアやアメリカ先住民の文化を「科学的」な方法で分けているだけのように思われる。これを読んでからWitzelの大著に取り掛かってみるかと思っていたものの、そんな気も失せてしまった。 2010年代のいつだったか、Witzelが来日した折に、関西外国語大学で講演していたのに参加したが、その時もよくわからんなあという印象だった。 Witzel自身の言葉をしっかり分析していないので、自分自身で確かめないといけないのは確かだが、神話学を専門にしていない以上は読まなくてもいいかな、という気になってきた。そして日本語で大体の内容や問題点を把握できるのはありがたいものだ。 もちろん理論的に賛成できなかったからとはいえ、読んで後悔だったというわけではない。一番の収穫は世界のいろんな神話を知ることができたことだろう。特にガーナのアシャンティ族の神話の至高神がオニャンコポンという可愛いお名前だとは知らなかった。これはこれからのいろんなネタに使えそう。
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国や地域ごとに伝わる伝承はさまざまであるが、あれ、なんか聞いたことあるストーリーだなと思うことがたびたびある。 昔聞いたことを忘れていたのかもしれないが、実は日本にも同様のストーリーが伝承されていた、ということもある。 後者の場合、それは偶然だろうか?この場合2つのパターンが考え...
国や地域ごとに伝わる伝承はさまざまであるが、あれ、なんか聞いたことあるストーリーだなと思うことがたびたびある。 昔聞いたことを忘れていたのかもしれないが、実は日本にも同様のストーリーが伝承されていた、ということもある。 後者の場合、それは偶然だろうか?この場合2つのパターンが考えられる。 ・対象のストーリの発生が自然的(人間共通)な考えによるもの。例えば、太陽を神格化するという発想は世界中でよく見られるがそれ自体は太陽による恩恵を考えると世界中でこのような神話が発生するのは自然のように思える。 ただし、太陽を男性とみると、女性とみるか(または中性的とみるか)は自然的ではない。実際、太陽の性別はと聞かれると男性という人も女性という人もいるのではないだろうか。 ・次に考えられるのは、もともと根本的なストーリーが存在し、それが民族移動によって各地に同じようなストーリーが広がっていった、というアイデア。 本書のメインテーマは後者である。 各地域で伝承や神話を丁寧に分析することで人類が文字を持たないくらい過去での人間の足取りを追えるのではないか、という流れである。 日本、アジア、南米、アメリカ大陸に伝わる伝承の類似性を検討している。 まぁしかし神話に頼らずとも最近はDNAによる人類の移動の年代や経路がある程度正確にわかってきており、いまだ解明されていない点がこの神話の分析によって解決することができるかは疑問であるが。 ということで本書の最終的な結論は(筆者も頭を悩ませたと思うが)、神話を知り、今日の悩みを緩和しようぜ、という本書のストーリーから若干離れた感じになっている。 問題意識は面白いと思う。
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