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兼好法師 徒然草に記されなかった真実 中公新書2463
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2017/11/18 |
JAN | 9784121024633 |
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兼好法師
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商品レビュー
4
13件のお客様レビュー
実は今興味があって『徒然草』を細々と読んでいるのだが、その作者である兼好法師について知っておこうと思い買った本。 しかし読んでみて仰天した。いつかのニュースか何かで、今の教科書では「吉田兼好」は使わずに「兼好法師」になっている、と見聞きしたのはうっすらと覚えていたんだけど、その理...
実は今興味があって『徒然草』を細々と読んでいるのだが、その作者である兼好法師について知っておこうと思い買った本。 しかし読んでみて仰天した。いつかのニュースか何かで、今の教科書では「吉田兼好」は使わずに「兼好法師」になっている、と見聞きしたのはうっすらと覚えていたんだけど、その理由はこれだったのか。詳細は読んで確認して欲しいけど、もし著者の説が正しいのだとしたら、よくもまあこんなデタラメをやったものだと逆に感心したくなったよ。たぶん500年以上にわたって日本人を騙して続けてきたのだろうから。 正直この件のインパクトが強すぎて、初読直後は中盤の兼好の人となりの記述が霞んでしまった感はあったんだけど、読み返すとこちらも資料に対する分析には説得力があるように思えた。兼好が生きた時代の状況もよく分かったし、知的好奇心を刺激してくれたという意味においても個人的には十分満足できた一冊。 新書はどれもこれくらいのレベルのものを目指して欲しいね。
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巷間に流布する「吉田兼好」の出自・経歴を没後捏造されたものとし、同時代資料から丹念に情報を抽出することで、その実像へと迫る一冊。再構築されていく人物像も興味深いが、その背景となる当時の世相が面白い。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『徒然草』の作者・兼好法師の生涯を、同時代史料から多くの情報を抽き出すことで明らかにしていくという内容の本である。 自分の知識では『徒然草』の作者は「吉田兼好」なのだが、読み始めるや否や(6ページめ!)、自分が知るその出自、経歴が捏造でデタラメであると断ぜられたことに度肝を抜かれた! 捏造した張本人、吉田兼倶(1435〜1511)が五百年にわたって徒然草の読者を欺き続けたことは本当にすごいなと思ったが(悪い意味で)、わずかな史料からそのペテンを暴いていく著者のロジックの詰め方には感心させられた。 個人的に瞠目したのは、「金沢文庫古文書」発見のエピソード。「紙背文書」という史料の形式は知らなかったのだが(VHSに録画されたテレビ番組より、番組間のCMの方が映像史料として貴重みたいなものか)、不要となり典籍の書写に流用された書状が、ある時期には価値がなくて放置されていたからこそ、時代の息吹を現代に伝える貴重な史料になったということに感動するとともに、その紙くずに価値を見出した歴史学者(関靖)に学者のすごさを感じた。
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