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経験をリセットする 理論哲学から行為哲学へ
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 青土社 |
発売年月日 | 2017/09/01 |
JAN | 9784791770120 |
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経験をリセットする
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商品レビュー
5
2件のお客様レビュー
正直、何を目的として、何を伝えたくて書かれたものなのか、よくわからなかった。 机上で、狭い空間の中で考察することから離れ、自らの足で歩くことで、経験の稼働域を広げるとの意味合いは理解できるが、それが経験をリセットすることとどう繋がるのかが、今一つ理解しきれなかった。
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※このレビューにはネタバレを含みます
自然というとき、何を思い浮かべるかによって大幅に自然という語の感触が異なってしまう。大地から生え出たような巨大な岩を思い浮かべるのか、シェリングの自然哲学のように渦巻きや竜巻を思い浮かべるのかによって、そののちの考察や展開の道筋は大幅に異なってくる。こうした意味内容の確定できない言葉に対して、そこに新たな意味内容や新たな語の活用の仕方を作り出そうとするのが、哲学の作業であり、そのとき新たな体験の領域に踏み込めるかどうかが分岐点とされる。(p.22) ここ数年、多くの場所を歩いた。歩くことで、見聞を広めるだけではなく、経験そのものの弾力を回復し、経験を作り上げていく回路をすすむことができれば、まさに経験のオートポイエーシスへと接続していくことができる。(p.34) 3000余名の死者の鎮魂と祈りのためには、力強くしかもソフィストケイトされた施設が望ましい。深刻に過度に意味を帯びさせるのでもなく、壮大な儀式でもなく、簡素でかつ際限なく奥行きのある記念碑が望ましい。それが「グラウンド・ゼロ」である。どこまでも再生に向け、しかも方向を限定しない自在さがある。それは人間の身の丈を超えた大地と水と深さから成る。そして可能な限りの装飾を排する。嘆くのでもなく、忘れるのでもない。主張するのでもなく、黙して語らないのでもない。感情を抑止するのでもなく、大げさに叫びだすのでもない。叫ぶこと以外の何かを実行しなければ、その場に居続けることも難しい。(p.81) 歴史とはつねにすでに引き受けてしまっているものであり、誰しもそこから免れることはできず、作為的に変えることもできない。また歴史によってもたらされた帰結には、誰しも責任が付きまとう。だが歴史は何かの理由や根拠となる固定点ではないはずである。モンゴルにも歴史的記念碑は存在するが、むしろ住民の生活と地続きになったような文化的な記念碑があるに違いない。それがチベット仏教系の寺院である。(p.130) 迷うこと、通過することは、経験の基本である。知であれば、迷うことを試行錯誤だと呼び、通過することを経験だと呼んでいる。迷うことも通過することも、何かを獲得することではない。最終的な位置へそこへと向かうことが、知の習い性となってしまっており、、それ以外のあり方を満喫することができない。(p.162) 文化はいずれにせよ新たな境界を引く装置である。悪や穢れを外に区分し、その内を聖地として区分する仕方は、ごく初歩的なものであり、また単純なものである。その区分がまさに新たな内外の環流を作り出す。( p.173) 希望をもちつづけることは、論理的にはいつでも可能である。だが希望はつねに形式化し、形骸化する。希望の内実が変化し、きめ細かくなり、希望の輪郭が漠然とした思いからくっきりとした現実感をもつように変わっていく必要がある。かりにはっきりと何かが変わり始めたときには、そのプロセスのさなかでは少々のミスは含み込んで、前に進むことができる。そのときミスはもはやミスではなくなる。こうした現実のなかで、個々人の創意や工夫やアイディアははじめて出やすくなるのである。(p.206) 過去とはおそらく絶対の慰めである。時間のおかげで私たちは身を退いてものごとをながめやることができるのであって、そのとき、自分の心配事や苦悩が対象に、たんなる対象になる。この大航海はやむことがなく、すべてを回復し、わたしたちを運んで行ってくれるが、そこには解放の約束が、いや、約束以上のものがある。(p.239) 記録とは、再生されないことの別名かとも思う。過去の記録は再編され、多くが不明になってしまう。進化論の場合の「失われた輪」のようなもので、繰り返し再生するものは、特殊な条件がなければ「過去」として記録に留まることはない。自己を再編し、みずからを組み替え、過去の痕跡を消していくことは、生命の共通の特徴である。生命とは、再編のプロセスのさなかで、みずからの痕跡を自分自身へと組み込むことである。(p.245)
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