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エンタテインメントの作り方 売れる小説はこう書く 角川新書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | KADOKAWA |
発売年月日 | 2017/10/01 |
JAN | 9784040821818 |
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エンタテインメントの作り方
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商品レビュー
4.3
7件のお客様レビュー
アイデアの生み出し方やプロット作成までの過程、文章力など、小説を書いてみたい人はもちろんのこと、クリエイティブ産業に将来携わりたい人向けの指南書である。 まず、何事も作品を作り上げるうえで、アイデアを考えなければならない。本書で著者が、小説は妄想である、と断言するほど、作り手...
アイデアの生み出し方やプロット作成までの過程、文章力など、小説を書いてみたい人はもちろんのこと、クリエイティブ産業に将来携わりたい人向けの指南書である。 まず、何事も作品を作り上げるうえで、アイデアを考えなければならない。本書で著者が、小説は妄想である、と断言するほど、作り手側の創造力が常に求められる。そこで、著者は普段から「もし〜なら」と、日常のあらゆる場面でアンテナを張るべきだという。そのため、アイデア用のメモ用紙を常に常備して、思い浮かんだら即書き記すことをすすめる。新聞やテレビ、さらに既存の映画や漫画など、あらゆる媒体を通じて、これは使えると思うものは主体的にに取り入れるべきである。ただし、アイデアの中には、消費期限があり、いつまでも通用するとは限らない。そのため、アイデアというのは、流動的であることを心がけるべきである。その意味で、古典作品のネタを借用するのは悪いことではないし、換骨奪胎とあるように、むしろ、積極的に利用していい。 小説家を目指す人のなかには、執筆に専念する為に、仕事を辞める人がいる。しかし、著者は社会との接点という意味で、職場(アルバイトも含めて)に所属するのを推奨する。なぜなら、組織内での人間の原理や心理を観察できたり、また、その業界でしか知られていない特定の用語や専門分野が、創作につながるかもしれないためである。以上の理由から、仕事は続けるべきである。 アイデアがある程度まとまると、次はプロット作成へと移行する。プロットを考えるうえで、作品の舞台と人物像には特に注意を払う必要がある。舞台を考える際、架空の世界でも問題ないが、現実世界との接点があると、作品によりリアリティが増し、読者がその世界観に没入しやすくなる。人物の名前や性格についても、なんでもいいが、できる限り多くの読者が読める名前で、キャラクターに共感できる(とくに主人公)設定にしなければならない。そうしないと、読者が読み進めるうちに、感情移入できなくなる。このように、作品と読者との距離感を想定して試行錯誤することがポイント。 ストーリーにおいても、物語が淡々と進むだけでは、読者は読む途中で飽きてしまう。そこで、著者が提言するのが、ある一定の段階で対立軸を設けることだ。そうすることで、誰が敵で味方であるのかなど、頭の中で整理できる。 ここまで構想すると、いよいよ文章を書く段階になるが、そもそも小説における文章力とは何か。それは、読むスピードだと著者は考える。そこで絡むのが漢字の使用だが、漢字を濫用すると、かえって読者の読むスピードを阻害してしまい、読者にストレスをかける。そのため、読者がすらすらと読める文章にすべきだという。これ以外にも、好きな作家の作品の1行目を研究したり、膨大な数の小説を読んで、語彙力、技巧を培うことは、作品の完成度を高めるうえで必須となる。作品内の会話に関しても、過剰な説明口調で情景を表現するのは物語が白けてしまうので、その塩梅も注意すべき。 その後、いったん文章を書き終えたら、推敲にとりかかる。この作業は、油絵のように、何度も修正するイメージで取り組む。推敲を重ねるほど、よりよい文章へと昇華する。具体的には、読者が疲れない構成になっていないか、読者の興味につながるように文に区切りがついているかなどである。このように単に文の表現だけではなく、作品の構成上、読者を楽しませる工夫がなされているのかを見直す。そのうち、不必要だと感じる部分があるかもしれない。その場合、思い切って削るのだ。これは推敲のみならず、それ以前の作業においても共通する。欲張ってあらゆる要素を取り入れると、かえって作品のバランスが悪くなるので、捨てる勇気は創作活動で重要な心構えだ。
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SFもミステリーも書く貴志祐介の、売れる小説の書き方本である。 全て、なるほどと納得できる。 参考としてさまざまな作家に言及しているが、かつてよく読んだ筒井康隆や平井和正が登場して嬉しかった。 自分で、小説を書くことはないが、とても参考になった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルから「エンタメ全般」をイメージしてしまうが、小説、とりわけサスペンス、ホラー、SFジャンルの書き方について、新人賞選考委員であり、新人賞受賞者であり、数々のヒット作を世に出してきた貴志さんの立場からのアドバイスが記されている。 映画も漫画も演劇も音楽も、あらゆるメディアを漁って貪欲にアイデアを盗んで自分の作品に注入せよ、と訴えているので貴志さん的には「エンタメの作り方」としているのだろう。
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