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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2017/09/29 |
JAN | 9784062207591 |
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商品レビュー
3.5
25件のお客様レビュー
西武池袋線東長崎駅近くの踏切近くに建つかたばみ荘という古いアパートをめぐるあれこれでした。 最初、話者があまり慣れてない感じで、しかも誰かに、というか、音声吹き込んでるみたいなそんな感じで、ひとり語りっぽい。かたばみ荘は家賃が激安(で古いボロい)代わり、住人は部屋を出るときは代わ...
西武池袋線東長崎駅近くの踏切近くに建つかたばみ荘という古いアパートをめぐるあれこれでした。 最初、話者があまり慣れてない感じで、しかも誰かに、というか、音声吹き込んでるみたいなそんな感じで、ひとり語りっぽい。かたばみ荘は家賃が激安(で古いボロい)代わり、住人は部屋を出るときは代わりに住む人を見つけないとならない紹介制を取っており、どの程度のものかはまちまちだけれど、信用で繋いでいってるというわけだ。この話はその現在の住人が行方不明になったことから始まり、5年も前の住人に「なんとかしてくれ」と家主が泣きついてきたことから始まるのだ。もちろんかたばみ荘の話も出てくるけれども、人と人との繋がりで代々続いていった彼らと彼らの身近にいる人たちとのオーラルヒストリーとなっている。「高架線」というタイトルは、この繋がれているところと、実際に高架線である西武池袋線の高架を掛けているのかなと思うけれども、こういう、街と電車と人との関わりを描くというのは滝口作品ならではだなあと思った。 話者は交代していき、最初はかつて住人だった会社員新井田千一、彼の婚約者の成瀬文香、新井田の友人の七海歩、歩の婚約者でその後結婚した七海奈緒子、行方不明になった三郎の次の住人峠茶太郎(仮名)、茶太郎行きつけの喫茶店の店長木下目見(まみ)、そこへふらりと訪れた一見の客、日暮純一。こうやって話者がリレーすることで、様々な目線や時間で様々な事象が語られ、一方でははっきりしなかったことが浮き彫りになっていく。登場人物たちも様々で意外性に富んだ反応があって「お、こう来るか!」と驚いたり。こちらにも発見がある。 家主の万田夫妻も面白かったなあ。弱々しいのに一歩も引かない(笑)。だからこそこんなアパートを維持してられたんだなあ。 あ、三郎は作中無事に発見されます。意外なところにいたけど、ああ、これも電車ならでは。滝口作品は街を描くというか、移動するよな、主に、徒歩とか、時折電車とか。稀に地を這って(笑)。そこに、土地にまつわる歴史が入り込んだりも。 これは滝口さんが芥川賞を受賞してから初めて書いた長編小説。もうすっかり現代を代表する作家となった彼の比較的早い時期の作品と言える。滝口さんは比較的長編小説にも向いている作風だと思うけれども、この作品はそのとっかかりでもあるのかな。もちろん、一個の作品として成立していて練習台というわけではないけど、そういうところに立ち会えているのかもな、とか思えるのは同時代に生きる作家の作品を(比較的)リアルタイムに読めるかもなあと感じた。と言っても出版されたのは2017年なんですけどね(笑)。全然リアルタイムじゃない。
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三万円という破格の家賃のアパート、かたばみ荘。不動産の仲介を省くため、家賃が安いのだが、代わりにアパートを出るときに、次に住む住人を探してこないといけないという不思議なルールがある。こうしてかたばみ荘に住む様々な人物が入れ替わりながら描かれる。いろんな人が生きているという当たり前...
三万円という破格の家賃のアパート、かたばみ荘。不動産の仲介を省くため、家賃が安いのだが、代わりにアパートを出るときに、次に住む住人を探してこないといけないという不思議なルールがある。こうしてかたばみ荘に住む様々な人物が入れ替わりながら描かれる。いろんな人が生きているという当たり前のことをなんだか再認識した…
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…ジャンルはなんだろう?この小説。不思議というか、よく内容が入ってこない物語だった。けれども読んでしまう。誠に不思議なお話でした
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