東芝の悲劇

大鹿靖明(著者)

• 販売会社／発売会社: 幻冬舎
• 発売年月日: 2017/09/21
• JAN: 9784344031753

商品レビュー

2025/11/25

ラゾーナ丸善に平積みされていたので思わず読みました。よく知られた、中には顔まで分かる東芝歴代社長の経営ぶりを一方的に断罪する視点から書かれています。でも実際がそうなのでしょう。こんな有名な経営者たちも、名誉と自己の保身に走るその辺に普通にいるただの醜いおっさんたちでした。そしてここにも出てきた安倍晋三。日本を切り売りして支持者にカネをばらまき権力に居座った極悪人。21世紀の悪事の陰には必ずこの大バカ者がいます。早めに消えてくれて本当に良かった。時代の流れに取り残された組織は必ず淘汰されます。それは会社も国も同じ。懐古主義に取りつかれて80年前に逆戻りし世界侵略をもくろむバカ女の元で、いまこの国は消滅危機に瀕しています。

「傍流からの抜擢人事は日本においては成功しない。院政を敷きたがった実力者によって引き上げられた傍流の人間は、そもそも中枢や全体のことがわからない。実力者の腰巾着に過ぎない凡庸・愚鈍の人であり、そもそも将の器ではないのだ。」

2025/09/17

面白かった！骨太ドキュメント。
西室とか西田の生い立ちから語っていく方式は経済人のルポには珍しいなと思った。ALSで余命5年だから野心を燃やした西室って、目が見えるのに盲学校に通わされて歪んだ麻原みたいだな。

バイセル取引とか「チャレンジ」由来の粉飾とかは完全に東芝が悪いんだけど、ウェスチングハウス買収の含み損に関してはもはやチョット可哀想なところがある。

名誉欲に溺れたくだらない人ばかりがトップになってしまう体制が、東芝の悲劇だったのだと思った。

2024/12/15

*星4つ相当です
WH(ウェスチングハウス)の一件辺りから、東芝関連のニュースを見るたびに「おいおい、東芝よ、もっとしっかりしてくれよ」と思い続けていたのと、
実際はよく調べず変なものつかまされただけなのかと思いきやそうではなく、ほぼ内部のアホなチェスの慣れの果てという事らしい。生い立ちが要素に入ってくるのはさすが日本企業という感じもした。
躍起になるあまり、不正を働いて、人を怒鳴りつけてできるような会社なんだなと思った。
内容はよくできていて、さながら城山三郎のリアル廉価版という感じでした。
あと、後半で少しだけ触れられるが、自分は当時ウエスタンデジタルにいたので、さんざん揉めているのは目にしていたが、裏側でどんな話が進められていたのか何となく気づいていたことの答え合わせができたように思う。
よかったフレーズは、西田の性格を表現する箇所で「岩波書店的な教養をもったインテリ経営者と思わせたいのだろう」のところ。よくニュアンスが伝わって非常に面白い文章感覚と思った。