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中国はなぜ軍拡を続けるのか 新潮選書
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 新潮社 |
| 発売年月日 | 2017/08/01 |
| JAN | 9784106038150 |
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中国はなぜ軍拡を続けるのか
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中国はなぜ軍拡を続けるのか
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商品レビュー
4.4
13件のお客様レビュー
まず確認しておきたいのは、中国が共産党による一党統治体制にあるという点である。西側諸国のような選挙制度や言論環境とは異なる枠組みのもとで政治が運営されている。この前提を踏まえないかぎり、その内側で起きている事象は見えにくい。 経済発展を経て、中国が外見上の豊かさを獲得したことは...
まず確認しておきたいのは、中国が共産党による一党統治体制にあるという点である。西側諸国のような選挙制度や言論環境とは異なる枠組みのもとで政治が運営されている。この前提を踏まえないかぎり、その内側で起きている事象は見えにくい。 経済発展を経て、中国が外見上の豊かさを獲得したことは確かだ。しかし、それがそのまま価値観の共有を意味するわけではない。統治の構造と社会のあり方は、依然として独自の論理に支えられている。 本書は、中国政治を専門とする筆者が、その実態を丹念に追ったものである。制度の仕組み、権力の配置、軍との関係――いずれも細部にわたって記述されており、読み応えは重い。 軍事力の拡張も、その文脈の中で語られるべきだろう。ここ数十年のあいだに国防費は大きく伸びてきたが、その背景には国内統治と対外関係の双方が絡んでいる。理解の手がかりは、「改革開放」以降の変化に求められる。 外資の流入と経済成長は、社会に新たな活力をもたらす一方で、情報の広がりや意識の変化も伴った。統治側にとっては、それが新たな課題となる。1989年の出来事が象徴するように、体制維持と社会の動きとの間には、緊張が生じうる。 その後、教育やナショナルな物語の再構築が進められ、同時に経済発展の成果も強調されてきた。だが、その果実の分配や地域間の格差といった問題が、消えたわけではない。 こうした状況のもとで、内外に向けた力の示し方が重要性を帯びる。国内の安定と対外的な位置取り。その双方をどう維持するのかという問いが、現在の政策に影を落としている。 評価は一様ではない。強さと不安定さが同時に存在する構造――本書は、その両面を浮かび上がらせている。
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中国はなぜ軍拡を続けるのか、中国の国内状況から説明する。 しかも孫文の中国革命から国共内戦時代を経て現在に至るまで軍事にとらわれずに辿るので、中華人民共和国の歴史を知るという意味でも大変勉強になる。 建国当初、政府組織は実体がなかったため、解放軍が行政の前面に立っており、これは軍...
中国はなぜ軍拡を続けるのか、中国の国内状況から説明する。 しかも孫文の中国革命から国共内戦時代を経て現在に至るまで軍事にとらわれずに辿るので、中華人民共和国の歴史を知るという意味でも大変勉強になる。 建国当初、政府組織は実体がなかったため、解放軍が行政の前面に立っており、これは軍事管制と呼ばれた。解放軍の掌握が権力の基盤となるため、国家主席や党総書記よりも中央軍事委員会主席が重要なポストだった。十元帥の1人だった彭徳懐は、解放軍の現代化、正規化を目指したが、廬山会議で毛沢東の大躍進に中止を求め、これがきっかけで毛沢東と対立し、文化大革命では迫害にさらされがん治療も許されず悲しい死を迎えた。林彪が国防部長を務めたいた時期はソ連との関係が悪化、人民戦争へ回帰し、軍人が政治的に台頭したが、林彪も反逆者のレッテルを貼られた。軍の重鎮を迫害した四人組は、毛沢東が死去してからはリベンジに遭い、一網打尽にされた。 バランサーとして鄧小平が台頭し、改革・開放路線へと舵をきったが、胡耀邦、趙紫陽といった改革派は梯子を外され失脚した。第二次天安門事件は共産党の首脳にトラウマを植え付け、西側諸国には中国が軍を使って民衆を迫害したということで国際社会でのイメージも悪化した。鄧小平の後の江沢民、胡錦涛という文民主席は、解放軍の後見を必要とし、軍拡という軍との共生関係を補強した。中国と日本の国交正常化も、中国の民衆のあずかり知らぬところで決まっていて、しかも情報が偏っているのだから中国社会の世界観が混乱したという指摘。生産手段を共産党が独占していたため、党幹部の懐が潤う一方で法治が整っていないためにその財産を海外に逃がしてしまうため、国内に富みが循環しない構造があった。国内をまとめるために排外主義を使い、それで民衆が排外主義的になることで中国の外交政策は自縄自縛状態というのがなんとも。 2017年時点で著者は中国軍の能力には懐疑的だが、現在の本当のところはどうなんであろうか。例えば海軍艦艇であれば数が増えているだけでなく近代化もしているとみているが、これが実際どうなのかは戦争が起きてみないとわからないかも。
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中国もとい、中国共産党の統治のあり方の欠陥とそれを補うための対外政策としての排他的ナショナリズム。もちろん「国際社会」との関係も描いているものの、国内との関係、党内のパワーバランスなどから考えるというのは新しい視点。毛沢東時代からのチェンジに見えた鄧小平の「改革・開放」における欠...
中国もとい、中国共産党の統治のあり方の欠陥とそれを補うための対外政策としての排他的ナショナリズム。もちろん「国際社会」との関係も描いているものの、国内との関係、党内のパワーバランスなどから考えるというのは新しい視点。毛沢東時代からのチェンジに見えた鄧小平の「改革・開放」における欠陥、江沢民指導部における排他的ナショナリズム・「中華民族の偉大なる夢」、胡錦濤の難しさ、また今日も続く習近平指導部に至るまで書かれる(習近平指導部に至っては1期目まで)。 「党軍」である人民解放軍のプロフェッショナリズムと党との関係性の相剋、党を支える組織としての解放軍のジレンマというものが見受けられる。国防部長の彭徳懐、林彪の二人の路線と失脚、ここから「党軍」としての難しさを感じさせる。 また、対外関係に基づく行動にも詳細に書かれ、1950年代末までのソ連からの技術援助、米中接近・正常化以降の西側からの軍事技術供与、第二次天安門事件以降の能力向上の方法、これについても書かれている。また西側諸国のEngagement 政策と中国の外交姿勢をもとにその関与政策の根本的難しさ、そこから生まれた経済的相互依存のジレンマというものを中国、西側諸国(とりわけ日米)というものを描いている。 また、人民解放軍の2017年ごろまでの装備の歴史、それに対する軍種ごとの評価(海軍、空軍、ロケット軍ー第二砲兵)、それが持つ意味などについても詳細にまとめられている。 国内における統治と対外政策を結びつけて総合的に論じられている。また、日本では報道などでは変化ばかりが強調されるものの、連続性の要素を多く論じている。 さらに「対話をしてこなかったから」「対話をすればよくなる」「経済交流をすれば日中関係は改善する」という日本で当時から多い論調に対しても、日本政府・財界の努力を評価した上で根拠をもって批判を行なっている。 専門家の書いた著書であるが7年前の本であるため、今日とは少し異なった人民解放軍ということには配慮は必要である。人民解放軍、中国共産党のこれまでの「軍拡」の理由の一側面として読む分には申し分のない一冊だと思う。
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