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カエルの楽園 新潮文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/08/28 |
JAN | 9784101201924 |
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カエルの楽園
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商品レビュー
3.8
274件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
カエル世界を日本の現在に置き換えて書かれている。 いろいろと考えさせられるのは間違いない。 しかし著者の思惑がどうかは、深読みしないで、自分自身である時はそうだよな、と思い、ある時はそんなことある?と思ったりすればいいと思う。 主人公の二人のアマガエルは、ツチガエルの国ナパージュの中で、客観的立場でツチガエル世界の状況をあれこれと感じ、考え、共感したり、疑ったりする。 主人公二人は意見を異にするが、読者が一方の意見・思想に偏らず、客観的視点で両者の考えに同時に寄り添って読むことができる筋立てになっているのはよかったと思う。 もし主人公が問題の当事者であるナパージュのツチガエルの一方の側、つまり侵略に対する武力防衛戦抵抗派か非戦闘平和主義の被侵略容認派だったとしたら、この小説を読むのが嫌になったと思う。 実際には、小説は非戦闘平和主義派が支配的なナパージュはウシガエル軍団に侵略され、結局悲劇で終わるわけで、やはり平和主義への警告が結論になっている。 つまり、この小説の結論は結局一方の側に立っていて、残念に思う。 確かにとても平和主義の矛盾をわかりやすく説いているわけだが、たとえ武力防衛派がナパージュで優勢となったとしても、結局は同様の悲劇が生まれるのは明らかである。 私自身は、戦争に勝者無し、を確信しているから。 この小説には侵略を非難し、抑止力を持つ第三者は現れない。 現実世界では、国連ということになる。 昔は、国連、つまりたくさんの国の良心を結集することで戦争・紛争を抑止する、という機関の力を信じていた。 この小説はウクライナ戦争より前のものだが、ウクライナ後の国連の安保理が機能不全に陥っている現状を考えると、抑止力を持つ第三者がいないと思い知る。救いのない世界になってしまっているのが悲しい。 巻末の櫻井よしこさんの解説は、具体的に日本の現状に当てはめていて、とても生々しい。 個人的には長期の安倍政権が日本に与えた悪影響や横暴・不正を感じることもあり、この解説を読むと、(具体的なためなおさら)いやな気分になった。 結局、小説も解説も平和主義の終焉を信じているし。 ...たとえその意見が不幸にして間違ってはいない(正しい、ではない)にしても。
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感想。 「三戒」 = 平和主義ブランドを、漠然と「良いものだ」と考えていたワタシ自身が、まさに三戒を信じるツチガエル。 自分の手を汚して「平和」を守るつもりはなかったのだと、気付かされました。 憲法9条の改正について、多角的に考えさせられた内容でした。 余談。 装丁のカエルの...
感想。 「三戒」 = 平和主義ブランドを、漠然と「良いものだ」と考えていたワタシ自身が、まさに三戒を信じるツチガエル。 自分の手を汚して「平和」を守るつもりはなかったのだと、気付かされました。 憲法9条の改正について、多角的に考えさせられた内容でした。 余談。 装丁のカエルの絵が、絵本の「ふたりはいっしょ」の雰囲気に似ていて、ジャケ買いの一冊でした(笑)。 中の挿画は、著者の百田尚樹さんと最後のページにあり驚きました。 百田さん、多才ですね。
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とてもわかりやすく日本の政治と安全保障問題について描かれている作品。着々とこの寓話のようになるかもしれない未来が近付いている気配がするのが本当に恐ろしい。 ナパージュに住むヒキガエルは日本、ワシはアメリカ、ナパージュにじわじわと近付いてきているウシガエルは中国。 あとがきで、デイブレイクのモデルを知り、なるほどと唸った。また、ハンドレッドは百田尚樹がモデルらしく、納得である。声を上げたものたちの結末が恐ろしいが、もっと恐ろしいのはローラの最後のセリフだ。力のない私たちは勇気を捨て、宗教に縋るしかないのか。
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