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文明の衝突(下) 集英社文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 集英社 |
| 発売年月日 | 2017/08/21 |
| JAN | 9784087607383 |
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文明の衝突(下)
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文明の衝突(下)
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商品レビュー
3.4
8件のお客様レビュー
1998年に現在の「文明の衝突」の到来を予見した書籍。一方で、その文明の理解や予測の具合には極めて強い「西欧的支援」と感じる。 上巻では7つ乃至は8つの文明のアイデンティティの衝突を西欧社会対非西欧社会という構図で捉え、下巻になると西欧的視点から捉える「非西欧社会」が中心となる。...
1998年に現在の「文明の衝突」の到来を予見した書籍。一方で、その文明の理解や予測の具合には極めて強い「西欧的支援」と感じる。 上巻では7つ乃至は8つの文明のアイデンティティの衝突を西欧社会対非西欧社会という構図で捉え、下巻になると西欧的視点から捉える「非西欧社会」が中心となる。中盤の多くを旧ソ連時代の東欧圏・中央アジア圏・中東圏におけるイスラム文明に割いているが、これらの思想が2000年代の米国の対外政策の根底に流れている、つまり一部の偏ったシンクタンクの戦略に基づいていたと感じてしまう。 衝突のフォルト・ラインを中核国のバンドワゴニングと文明間のバランシングで分析しているものの、日本が中国にすり寄って西欧対非西欧陣営の衝突、はさすがにそれは無いのでは…と言わざるを得ない。「文明の衝突」というコンセプトは分かり易い一方、もう少し「非西欧文明」に対する深い洞察が欲しいところ。 いずれにせよ文明のアイデンティティという著者の主張は正しいところで、現時点に限ればそれは国単位の文明どうしではなく国内の文明どうし、特に西欧社会においてそれが起こっていると言えよう。
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★ 1990年代以降、西欧以外の文明が強まるにつれ、西欧の魅力が薄れ、非西欧の人々は自分たちの固有の文化に対する自信を取り戻している。
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下巻は、冷戦後期以降の具体的な国際関係の展開について述べられている。 その内容は、日米の経済上の反目、中国の台頭、イスラムの国境紛争、ソ連・ロシアとイスラムとの戦い、およびバルカン戦争である。 ユーゴスラヴィア弱体化に伴う90年代のバルカン情勢、つまり、 イスラムのボスニア、...
下巻は、冷戦後期以降の具体的な国際関係の展開について述べられている。 その内容は、日米の経済上の反目、中国の台頭、イスラムの国境紛争、ソ連・ロシアとイスラムとの戦い、およびバルカン戦争である。 ユーゴスラヴィア弱体化に伴う90年代のバルカン情勢、つまり、 イスラムのボスニア、正教のセルビア、カトリックのクロアチア、という三勢力の争いは、まさに「文明の衝突」の代表事例と言えるだろう。 オスマントルコの侵攻したボスニアはイスラムが、オーストリア・ハンガリー支配下だったクロアチアはカトリックが優勢となっている。 個人的な経験だが、人間性を決定づけるのは宗教だという考えに自分が至ったのも、かつてバルカンについて学んだことからだった。 民族や言語が同一でも、宗教だけで全く異なる文明に属するという事例だ。 この経験がなければ、文明上の違いについて自分が考えるにあたり、人種や遺伝などの影響が排除できなかったと思う。 筆者は最後に自国アメリカに触れる。 アメリカを多文化・多民族からなる国家とする多文化主義を否定し、 『アメリカ人は文化的に西欧の家族の一部なのだ』(p241) と明確に主張する。 この根拠として引用されている梅原猛の主張、 「ソ連崩壊は、政治的イデオロギーのみで社会を規定することの不可能性を示しており、それはマルクス主義のみならず自由主義にも適用する」 と言うところは説得力がある。 筆者の主張を端的に表した言葉でもあると思う。 上下巻通じて、文明≒宗教が衝突を引き起こす、という主張は一貫しており、その裏付けも詳細に富んで、世界で広く読まれるのももっともと感じた。 多大な波紋を呼んだ著書であったようだが、さまざまな思想や利害に影響を与えた証だろう。 ただしウィキペディアの情報によると、エマニュエル・トッドは本著を批判し、「国家観が古い」としたともいう。 トッドの主張も興味深い。 さいごに。 日本版のあとがきを書いているのは、昨年残念ながら火災で亡くなった猪口孝氏である。 本著を最後まで読み、改めて、この国は惜しい人を亡くしたと感じた。 文明の衝突の中で、得難い人材ほど失われやすいのは、悔やまれるべき世の常である。 御冥福をお祈りする。
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