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ムッソリーニ 一イタリア人の物語 ちくま学芸文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 筑摩書房 |
発売年月日 | 2017/08/08 |
JAN | 9784480098078 |
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ムッソリーニ
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商品レビュー
3.6
5件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
梶原一騎伝、大山倍達伝、毛沢東伝みたいな読み味で、著者がムッソリーニ激推し早口オタクであることがよく伝わってくる。 その熱量に引き気味の読者としては、割り引いて読む必要があるかもしれないと思うことを禁じ得ない。 イタリアのこともヘタリアのこともたいして知らないので主語が大きくならないよう気をつけたいのだが、イタリアがヘタリアと呼ばれる理由が本書から察せられた。さあ戦争だと宣戦布告したら軍備が整ってませんでした、とか。こういうのをヘタレというのか下手というのか。 昨今、読めば読むほど不勉強を自覚する。今は特にテーマを持たずに読み散らかしているが、今後は漠然と国民国家の成立あたりをテーマにしようか。
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ヒトラーと並んで独裁者とみなされるムッソリーニ。たしかに暴力行使を肯定したり、近隣諸国に対外戦争を仕掛けたり、さらにイタリア降伏後もイタリア北部に亡命して抵抗したりなどイタリア内外に混乱を招いたが、本書では、これらの面もひっくるめてムッソリーニを多角的な視点で見ていく。 ムッ...
ヒトラーと並んで独裁者とみなされるムッソリーニ。たしかに暴力行使を肯定したり、近隣諸国に対外戦争を仕掛けたり、さらにイタリア降伏後もイタリア北部に亡命して抵抗したりなどイタリア内外に混乱を招いたが、本書では、これらの面もひっくるめてムッソリーニを多角的な視点で見ていく。 ムッソリーニといえば、「ファシズム」が有名であるが、これが必ずしも独裁政治に表すわけではなかった。ムッソリーニにとって、ファシズムとは資本主義や社会主義と異なる第三の道の体制だと考えた。特に顕著なのが世界恐慌時の対処法である。1933年に産業復興公社を設立したが、これは市場体制における国家による本格的な介入を世界で初めて実施したのだという。これは第二次世界大戦後、多くの西ヨーロッパで混合経済として導入された体制であり、ムッソリーニはいち早く従来と異なる手法で対処したのである。 また大衆に対する教育も功績の一つである。ヒトラーのように大衆を見下して煽動されたのと異なり、ムッソリーニは大衆を知的にも精神的にも向上させるために教育制度を充実させ、国民を包括して調和した社会を作ろうと考えていた。そのため、ナチズムのようにアーリア人優位の社会とは明確に異なる。
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