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幕末武士の京都グルメ日記 「伊庭八郎征西日記」を読む 幻冬舎新書464
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2017/07/28 |
JAN | 9784344984653 |
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幕末武士の京都グルメ日記
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商品レビュー
3.8
6件のお客様レビュー
隻腕の美剣士のイメージ(暁斎あたりの錦絵か?)が強いけれども。観光したり、美味しいもの食べたり。現代人と変わらないのがおもしろい。そして、武士社会はものすごい贈答社会なのだなぁ。彼はなんとなくぼんぼん感があるけど。こんなにも金遣いが荒いものなのだろうか。日記をもとに家計簿をおこし...
隻腕の美剣士のイメージ(暁斎あたりの錦絵か?)が強いけれども。観光したり、美味しいもの食べたり。現代人と変わらないのがおもしろい。そして、武士社会はものすごい贈答社会なのだなぁ。彼はなんとなくぼんぼん感があるけど。こんなにも金遣いが荒いものなのだろうか。日記をもとに家計簿をおこしたらおもしろいと思われ。
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伊庭八郎ってどれくらいの知名度なのか分からないけど自分も数年前に知った人で幕末の幕臣で最後は新撰組の土方歳三と同じく五稜郭で戦死した人らしい。その彼が亡くなる五年前に時の将軍家茂の上洛に伴って講武所師範の父と共に警護役として京都に滞在していた時の日記について書かれた作品。家が剣術...
伊庭八郎ってどれくらいの知名度なのか分からないけど自分も数年前に知った人で幕末の幕臣で最後は新撰組の土方歳三と同じく五稜郭で戦死した人らしい。その彼が亡くなる五年前に時の将軍家茂の上洛に伴って講武所師範の父と共に警護役として京都に滞在していた時の日記について書かれた作品。家が剣術道場で自身も小天狗と称されるほど剣の才能があった八郎。征西日記と命名された日記はさぞや厳しいものであろうと思って読むと見事に肩透かしを食らう感じの呑気なもの。グルメ日記は大袈裟だけど、鰻屋に行っただのお汁粉食べただの友達と天ぷら揚げて食っただのといった記述のオンパレード。面白いのは現代人と同じく非番の度に金閣寺だ伏見稲荷だ清水寺だとしっかり観光しているところ。仕事と言っても要は時代劇でよくある「であえい!であえい!」と呼ばれた時に刀抜いてぞろぞろ出てくるあれだと思うのでたぶん座敷で刀持って座ってるだけと思われ、観光してない時はせっせと道場に通ったりしてはいるのだけど基本的には美味そうなもの食べたり本買ったりする至って呑気な日常で微笑ましい。ただ、歴史を知ってる者からするとこれからたったの五年後にこの呑気で陽気な若者が片腕を切り落とされるほどの重傷を負いながらも新政府軍と最後まで戦い抜いた挙句戦死するのだと思うとなんともいえない気持ちになる。間違ってもグルメ本だと思ってはいけない、その意味ではタイトルが不適切過ぎる、そんな印象。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
岡田屋鉄蔵の漫画『MUJIN 無尽』が非常に面白いのでこちらも読んでみたくなりました。 他のレビュアーの方も書かれていますが、「グルメ日記」というタイトルは看板に偽りありと言わざるを得ません。恐らく本を手に取って欲しい一心で出版社側が付けたものではないでしょうか。 食べ物の事も勿論書かれてはいますが、むしろその日に何をしたか、誰に会ったか、何に幾ら使ったか等について細かく記録されています。日記の文体は淡泊で、本当に単なる「記録」に近い内容ですが、初めて京都へ登った八郎の行動を具に知ることが出来るのは中々に感慨深いものがありました。 著者の詳細な解説も大変有り難かったです。やや軽い文体が少々気になる時もありましたが、未だ本物の戦を知らない若干二十の八郎が書いた日記の雰囲気には合っていたと思います。 この好奇心旺盛な若者が、5年後には左手を失い、満身創痍となった末にモルヒネを飲んで自害すると思うと何とも遣る瀬無い気分になります。この日記で八郎と共に観光を楽しんだり稽古に勤しんだりしていた他の幕臣達も、恐らくは殆どが箱館戦争までに命を落とした事でしょう。しかしそうして歴史の波間に儚く消えていった人々も、短い間とはいえ確かにこの地上に存在して、生活していたのです。西征日記を書き遺すことでそれを我々に伝えてくれた伊庭八郎と中根香亭、そして著者の山村竜也氏に心から感謝したく思います。
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